借金依存症の家族を助けたい！性格や診断チェック、病院での治療内容は？

家族の一人が借金依存になってしまうと、本人だけでなく、家庭全体が崩壊してしまう恐れがあります。

この記事では、借金依存の家族を助けたいと思う人のために、依存症の診断ができるチェックリストや、治療を受ける際の相談先を紹介しますので、参考にしてみてください。

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借金依存症とは

借金依存症とは、買い物やギャンブルしたさに借金を重ねてしまう症状で、ギャンブル依存症や買い物依存症などの症状が根本の原因になっています。

ここでは、借金依存症の直接の原因になっているであろう、各依存症の特徴について解説します。

ギャンブル依存症とは

ギャンブル依存症とは、ギャンブルにハマって抜け出せなくなる症状で、人生にダメージを与えると自覚しながらも、賭け事をやめられなくなる状態です。

ギャンブル依存症患者のほとんどは男性ですが、パチンコに限っては、女性の依存症患者も相当数います。

ギャンブル依存症がもたらす具体的な弊害

ギャンブル依存症がもたらす具体的な弊害は以下の通りです。

• あり金を全てギャンブルに注ぎ込む
• 集中力を欠いて仕事が手につかない
• 人間関係のトラブルを引き起こす
• 健康状態を悪化させる
• 自殺願望を抱く
• ギャンブルするお金欲しさに犯罪を犯す
• 借金を重ね自己破産をしてしまう

依存症は様々な弊害をもたらしますが、その中でも借金トラブルは、どのタイプの依存症にも共通する問題です。

高金利の消費者金融からお金を借りてまで、ギャンブルをしようとするので、数百万円単位の借金を抱えてしまうケースも珍しくありません。

「もう絶対ギャンブルはやめるから！」と、妻や親に頼み込んで借金を返済してもらったにもかかわらず、その失敗をギャンブルで取り戻そうとする結果、再び借金を作ってしまうのはよくある話です。

ギャンブルにハマってしまう理由

人間の脳内には、幸福感や、わくわく感、多幸感を感じさせてくれる「脳内報酬系」と言われる部位があり、ギャンブルで勝つと、この脳内報酬系が強く反応します。

ギャンブルで勝利し、脳内報酬系が強く刺激される結果、脳内にドーパミン（快楽物質）が大量に放出され、人によっては、ドーパミンの放出がもたらす快感を強く求めるようになってしまうのです。

本来、何かに取り組んで結果を残すには時間がかかります。仕事や勉強で成果をあげるのは、努力と時間を必要としますが、パチンコや競馬などのギャンブルは、短時間で成功を手にできますので、とにかく脳内報酬を得たい人にとっては、ある意味で効率的な方法なのです。

そして、この短時間で報酬を得られる仕組みこそが、人間がギャンブル依存症になってしまう理由です。

買い物依存症とは

買い物依存症とは、買い物がやめられなくなる症状で、手に入れた商品に対して満足感を得るというよりも、むしろ買い物をする行為自体に快感を得るのが特徴です。

買い物依存症にハマるのは、女性が圧倒的に多く、日々のストレスの解消や、心の虚しさを埋めるため、買い物を繰り返してしまうようです。

インターネットの普及で、昼夜問わず、外へ出かけずとも自宅で買い物ができるようになったため、買い物依存症になるハードルは年々下がっています。

買い物依存症がもたらす具体的な弊害

ギャンブル依存症と同様に、買い物依存症の一番の弊害は借金トラブルで、クレジットカードでリボ払いを重ねた結果、多重債務者に陥るパターンが多いです。

女性は、男性よりも消費者金融の利用を避けたがる傾向が強いものの、クレジットカードの支払いができなくなると、返済のため、やむなくアコムやアイフルなどのキャッシングサービスに手を出すようになってしまいます。

買い物依存症にハマってしまう女性の特徴

買い物依存症にハマってしまうのは、金銭的に恵まれた家庭に生まれ、過保護に育てられた女性が多いと言われています。

裕福な環境で育った女性は、困ってもどうせ誰かが助けてくれると油断してしまうため、ダメとわかりつつも買い物を繰り返してしまうのかもしれません。

また、勝ち負けを楽しむ男性のギャンブル依存症と違って、買い物依存は、ストレスを埋めるための手段という意味合いが強く、その意味では、ストレスを抱えがちな女性も買い物依存症になりやすいと言えます。

ゲーム課金依存とは

ゲーム課金依存とは、レアキャラやレアアイテムほしさに、多額のお金を投じてしまう症状で、他人が持っていないキャラクターやアイテムを入手することで、無料でプレイする場合よりも充実感や優越感を味わえることから、課金がやめられなくなるようです。

借金依存症の診断・チェックリスト

ここでは各依存症ごとの診断チェックリストを紹介します。チェックリストに当てはまる箇所が多い場合は、借金依存症の疑いが強いです。

ギャンブル依存症を診断するSOGSテスト

SOGS（サウスオークス・ギャンブリング・スクリーン）は、ギャンブル依存症の診断のために、アメリカの財団によって開発された質問表です。当てはまるものにチェックを入れて、最後に診断ボタンを押すと、その人のギャンブル依存症度が分かります。

買い物依存症チェックリスト

日本のクリニックが提供する、買い物依存症度を知るためのチェックリストを紹介します。7個以上当てはまると、買い物依存症の可能性が高いです。

ゲーム課金依存のチェックリスト

家族のゲーム課金依存が気になる人は、下記のリストを使ってチェックしてみましょう。当てはまるものが多い場合は、ゲーム課金依存の疑いがあります。

なお、このチェックリストは、ゲーム依存症の診断にも応用可能です。

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借金依存症に陥りやすい性格や特徴

借金依存症に陥ってしまうのには、なにかパターンのようなものはあるのでしょうか？

借金依存症に陥りやすい人の性格や特徴について解説します。

ビギナーズラックを経験する

パチンコや競馬でビギナーズラックを経験してしまうと、ギャンブルでの勝利に喜びを覚えてしまい、それ以降もギャンブルにハマってしまうリスクが高くなります。

初回に負けて痛い目に合えば、ギャンブルなんて損だしやめておこうという気持ちにもなりますが、にわか初体験で勝ってしまうと、成功体験のインパクトが大きくなり、その後も継続してしまうリスクが高くなるのです。

ストレスを抱えている

日々のストレスを抱えている人は、ストレスの解消のため、ギャンブルや買い物に逃げてしまい、借金依存になってしまいがちです。

男性の場合、職場の上司と折り合いがつかず、ストレスを抱えてしまうのはよくある話ですし、女性の場合だと、子育てや夫との夫婦関係で、精神が疲れてしまう人も多いのではないでしょうか。

人生の一発逆転を狙いたがる

人生の一発逆転を狙って、一度に大金をかけてしまうタイプの人も、借金依存患者には多いです。

日々の生活で、他人から良くない扱いを受けていると、何とかしてこの状況から脱しようという気持ちが強くなり、競馬やFXで一発勝負に出てしまう傾向が強くなります。この手のタイプは男性に多いと言えるでしょう。

孤独で寂しがりや

孤独で寂しがりやの女性は、心の虚しさを埋めるため、買い物に走ってしまう傾向があります。

ブランド品や流行のアイテムを身に着けていれば、周囲から注目され、他人からかまってもらいやすくなりますので、一時的とはいえ、買い物は心の隙間を埋める手段になるのでしょう。

特にSNSをやっている人は、心の安定を買い物に頼ってしまう傾向が強く、皆が羨ましがるアイテムを持っていると、Twitterやインスタグラムで「いいね」がつきやすくなりますので、余計に買い物に拍車がかかるのです。

プライドが高く見えを張りやすい

男女問わず、プライドが高くて見栄っ張りな人は、借金依存になってしまう可能性が高いです。

周囲のママ友に幸せアピールをしたいがために、身分不相応の家具を購入したり、プライドの高さから子供の教育に過剰にお金をかけてしまうのも、借金依存に陥る女性の特徴です。

一方で、男性の場合、見栄をはりたくて、会社の部下や同僚に必要以上にご飯やお酒をおごってしまう人がいます。

小遣いだけではまかなえないとなると、奥さんに内緒で借金をしてまで、飲み代を一人で払おうとする男性は、意外にたくさんいるものです。

また、地方では特にありがちですが、いまだに高級車の所有＝ハイステータスという信仰が強く、月収20万円程度にもかかわらず、400万円～500万円の車をローンで購入する男性も少なくありません。

そして、そのような男性も、借金依存になりやすい特徴を持っていると言えるでしょう。

衝動性が高い

衝動性が強く、理性で自分をコントロールできない人は、必要以上に商品を購入してしまい、結果として借金依存になってしまいます。

お金がなければ購入を諦めるべきなのですが、欲しいという衝動が勝ってしまい、借金をしてまでモノを買ってしまうのです。

数字で考えるのが苦手

ものごとを数字で考えるのが苦手な人は、借金依存になりやすいです。

数字で考えると、理性が働いて、自分の行動に歯止めをかけるきっかけになります。

しかし、主観のみに頼り、なんとなくで行動するタイプの人は、客観的な視点を持てず、支払い能力が無いにもかかわらず、衝動でモノを買ったり、ギャンブルにお金をかけてしまったりするのではないでしょうか。

環境的な要因

幼少期の環境が影響して、借金依存になってしまう人もいます。

裕福な家庭に生まれて過保護に育った女性は、買い物依存症になりやすいと言われていますし、幼少期に、親からの期待が高すぎた女性も「こんなに頑張ったんだから自分にご褒美をあげなくちゃ」と、大量の買い物をしてしまう傾向があります。

また、男性でギャンブルにハマってしまう人も、幼少期の友人関係が影響している場合が多いです。

学生時代の友人の誘いで、パチンコや競馬を始めた男性は多いのではないでしょうか。

借金依存症の相談先

家族の借金依存症に悩まされているけれども、普通の病気とは違うし、どこに相談すればいいのか分からないといった人は多いのではないでしょうか。

ここでは、依存症の相談ができる場所を紹介します。

精神科医療機関

病院の精神科でも借金依存の相談はできます。

借金依存のほかにも、うつ病や適応障害など精神疾患の相談も同時にできますので、依存症以外の問題も抱えている場合にはおすすめです。

自助グループ

自助グループとは、同じ症状を抱えている人間が集まって、おのおのが抱えている悩みや問題を共有するためのグループです。

一人一人の悩みや体験を共有することで、癒し効果が生まれたり、問題解決のヒントを得られるのが自助グループのメリットです。

何よりも、ありのままの自分を受け入れてもらえる場所というのが、自助グループの強みでしょう。

自助グループへの参加は、医療機関での治療と並行して行われる機会も多く、医療機関側から自助グループを紹介してもらえる場合もあります。

精神保健福祉センターや保健所

精神保険福祉センターや保健所など、各自治体が設けている機関でも、借金依存症の相談は可能です。

全国各地に点在しており、身近なのが特徴です。

精神保健福祉センター
保健所

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借金依存症の病院での治療内容

借金依存症の改善のために、病院で受けられる具体的な治療方法について解説します。

治療方法は複数ありますが、主治医のアドバイスのもと、本人に合った治療方法を試してみると良いのではないでしょうか。

1)カウンセリング

専門知識やスキルを持ったカウンセラーとの対話を通して、依存症患者が自ら問題点に気づき、解決手段を思いつけるようにするのがカウンセリングの目的です。

カウンセラーが一方的に、アドバイスをしたり解決策を教えるのではなく、あくまで問題解決の主体は本人である点が、カウンセリングの本質です。

純粋に一人で考えるのではなく、カウンセラーを通して自分と対話することで、頭の中身を整理できたり、一人では気づかなかった視点に気づけたりします。

2)精神療法

精神療法には以下のような方法があります。

• 認知行動療法
• マインドフルネス
• ソーシャルスキルトレーニング（SST）

精神療法の代表例は、認知行動療法です。

認知行動療法とは、依存行動とそれがもたらす報酬（結果）をつきとめ、両者の因果関係を断ち切る療法です。

例えば、買い物依存症であれば、買い物で得られる快感や幸福状態を、買い物をしなくても実現できるという事実を自覚することが、依存症を脱するきっかけになります。

買い物をしないと心が満たされないと思い込んでいたけれども、家族や信頼できる友人と話すだけでも充実感を得られることが理解できたので、わざわざ買い物をする必要がなくなった、というのが認知行動療法の成果の一例です。

認知行動療法の他には、マインドフルネスやソーシャルスキルトレーニング（SST）といった治療方法も選択可能です。

マインドフルネスとは、瞑想によって心の平穏を取り戻す作業で、健康維持のため、最近では健常者でも取り組む人が増えています。

また、ソーシャルスキルトレーニングは、人並みの社会生活を送れるようにするためのトレーニングで、コミュニケーション能力の不足や対人関係の弱さから、借金依存に繋がっているケースにおいては、特に効果的と言えるでしょう。

3)薬物療法

今のところ日本で薬物療法が施されるのは、アルコール依存症の治療がメインです。

ギャンブル依存症や買い物依存症、ゲーム課金依存など、その他の依存症については、心理療法によってのみ治療がされます。

これらの依存症の薬物療法については、現在も研究が進められていますが、実用化にはまだ至ってないのが現状です。

借金問題でお困りの方は弁護士・司法書士へ相談がおすすめ

借金依存症で、どうにもならなくなってしまった場合は、債務整理を検討する必要があります。

その際は、債務整理に強い弁護士・司法書士へ相談するのがおすすめです。

下記は、当サイトがおすすめする借金問題全般に強い弁護士・司法書士事務所一覧ですので、1人で悩まず、まずは無料相談を利用してみてください。

借金依存症で良くある質問

借金依存症で精神科を受診した場合、健康保険適応になりますか？

ギャンブル依存の治療など、依存症治療も健康保険が適用になりますので、3割負担で受診できます。

ただし、カウンセリングについては、保険適用外となり、全額負担になるケースが多いです。保険適用範囲の詳細に関しては、相談先の医師への確認をおすすめします。

貸付自粛制度とはどんな制度ですか？

貸付自粛の制度を使うと、借金依存の治療に役立ちます。

貸付自粛制度とは、依存症患者本人が信用情報機関に申請して、意図的に金融機関や貸金業者からお金を借りられない状態を作る制度です。

お金の借り入れの申し込みがあった際、消費者金融やクレジットカード会社など、お金を貸す会社は、信用情報機関（JICC、CIC、KSCの3社がある）が管理する情報をチェックした上で、融資を決定しますが、その情報に貸付自粛の申請がされた事実があると、機械的にお金の借り入れが拒否されるのです。

貸付自粛制度は、（法定代理人を除き）申請できるのがあくまで本人に限られますので、本人に依存症の自覚がない場合は、利用が難しいという実情があります。

とはいえ、借金依存を治したいと思っている本人にとって有効なのは間違いなく、制度の存在を本人に伝えてみる価値は大いにあるでしょう。

日本貸金業協会　相談・紛争解決窓口

債務整理も貸付自粛制度と同じ効果がある？

債務整理も貸付自粛制度と同じ効果を得られます。

債務整理をすると、信用情報に事故登録（いわゆるブラックリスト）されますので、結果的に、依存症患者本人がお金を借りようとしても借りられなくなるのです。

貸付自粛制度は、本人が撤回の申請をしてしまうと、再び借りられる状態に戻せますが、債務整理はそれができません。

貸付自粛制度よりも強制力が強いものを希望し、なんとしても依存症者にお金を借りさせたくない場合は、本人に債務整理をすすめるのも一つの手です。

実際、借金依存の旦那さんをどうにかするため、奥さんのすすめで債務整理をするパターンもあります。

債務整理をすると、お金を借りられなくなるだけでなく、借金の負担も減りますので、家族の借金依存症のせいで家計がまわらなくなっている場合は、一石二鳥です。

まとめ

本人の自覚と治療に対する強い意志がないと、依存症の克服は難しい現状があります。

しかし、精神科での治療以外にも、自助グループや貸付自粛制度といった、借金依存症に対して取れる対策はいろいろありますので、本人にそれらの方法や制度を教えてあげることは、治療への第一歩になるのではないでしょうか。

依存症の治療については各種制度や医療機関に頼りつつ、借金そのものについては債務整理で負担を減らすことをおすすめします。

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