自己破産のリスクは?デメリットやその後の人生への影響を解説

現在、自分の返済能力を超える多額の借金に悩んでいる方は、自己破産という言葉が頭によぎる瞬間があるのではないでしょうか。

現状を打開するためには自己破産という選択肢しかないとわかっていても、破産に伴うリスクやデメリットを恐れて、なかなか一歩踏み出せない人も多いかと思います。

しかし、恐れて足踏みをする前に、まずは自己破産にどのようなリスクやデメリットがあるのか、正しい知識を得ることが重要です。

リスクやデメリットをきちんと理解することで、知識不足からきていた自己破産に対する漠然とした恐れが薄らぎ、前に進む勇気が出るかもしれません。

この記事では、自己破産をするとどのようなリスクやデメリットがあるのか、また、その後の人生にどのような影響があるのかについて解説していきます。

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目次
  1. 自己破産によるリスクやデメリット
    1. 借入が一定期間できない
    2. ローンが一定期間組めない
    3. クレジットカードの利用・新規契約ができない
    4. 職業制限が一定期間かかる
    5. 持ち家を手放さなければならない
    6. 自動車を手放さなければいけない可能性あり
    7. 保険など資産の一部を手放さなければならない
    8. 保証人に一定期間なれない
    9. 官報に名前と住所が掲載される
  2. 自己破産による家族へのリスクやデメリット
    1. 家族カードを持っている場合利用できなくなる
    2. 家族が連帯保証人になっている場合一括請求がいく
    3. 夫婦で共同名義やペアローンを組んでいる場合注意が必要
    4. 同居家族には手続きで必要な書類を用意してもらわなければならない
  3. 自己破産後の人生へのリスクや影響
    1. 自己破産後の末路は悲惨というのはウソ
    2. 自己破産後、成功者になった人も多い
    3. 結婚、出産に影響はなし
    4. 仕事や就職、転職に影響なし
    5. 引っ越しや旅行も手続き完了後自由にできる
    6. 要件を満たしていれば生活保護の受給も可能
    7. 自己破産をしたことが親戚や近所の人にバレる可能性は少ない
  4. 自己破産による精神面へのリスク
    1. 自己破産をしたことで自分に自信がなくなる人も
    2. 借金がなくなり逆に精神的ストレスが減ったという人も
  5. 自己破産のお悩みは弁護士・司法書士事務所へ相談がおすすめ
  6. 自己破産とリスクについて良くある質問
  7. まとめ

自己破産によるリスクやデメリット

自己破産 リスク

自己破産には、どのようなリスクやデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

借入が一定期間できない

自己破産をすると、その後一定期間は銀行や貸金業者などから新たな借り入れをすることはできなくなります。

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。信用情報機関とは、個人の金融における信用情報の収集、管理および提供を行う組織です。

信用情報機関では、加盟するクレジットカード会社やローン会社、銀行や貸金業者などから顧客の契約情報や利用状況、滞納情報などを収集し、加盟会社からの照会に応じてこれらの情報の提供を行います。

借り入れの申し込みを受けた銀行や貸金業者は、審査にあたって信用情報機関に申込者の情報を照会し、他社への借り入れ状況や、滞納歴・事故情報の有無などを確認します。

この際、申込者に事故情報があると判明した場合は、審査に通ることはありません。

お金を貸す側の銀行や貸金業者にしてみれば、事故情報のある人にお金を貸してもきちんと返済してもらえないのではないかと考えるからです。

従って、自己破産をして信用情報機関に事故情報が登録されると、その登録が抹消されるまでの期間は新たな借り入れをすることはできません。

なお、事故情報が登録される期間は最長で10年間とされています。

ローンが一定期間組めない

自己破産 ローン 組めない

自己破産をすると、その後一定期間はローンを組むことはできなくなります。

これも、自己破産後に新規に借り入れができなくなることと同じ理由によるものです。

ローン会社も申込みを受けた際には、信用情報機関に申込者の情報を照会しますので、事故情報が残っている間は審査に通ることはありません。

住宅ローンや携帯電話の分割購入もできない

自己破産 スマホ 分割購入

住宅ローンを組む際や携帯電話の分割購入をする際にも、信用情報機関に照会をかけられますので、事故情報が残っている間は審査に通ることはありません。

ただし、携帯電話に関しては以下の条件のすべてを満たしていれば、自己破産後でも分割購入できる可能性があります。

  • 端末代金が10万円以下である
  • 店頭販売品である
  • 携帯料金を滞納していない
  • 他社に過剰な債務や滞納がない

上記の条件を満たしていれば、分割購入の審査を簡略化できることが割賦販売法という法律で定められているのです。

自己破産と携帯電話契約については以下の記事を参考にしてください。

クレジットカードの利用・新規契約ができない

自己破産 クレジットカード

自己破産をすると、その後一定期間はクレジットカードの利用や新規契約はできなくなります。

これも、自己破産後に新規に借り入れができなくなることと同じ理由によるものです。

クレジットカード会社も申込みを受けた際には、信用情報機関に申込者の情報を照会しますので、事故情報が残っている間は審査に通ることはありません。

自己破産とクレジットカードについては下記の記事を参考にしてください。

職業制限が一定期間かかる

自己破産 職業制限

自己破産をすると、その後一定期間は特定の職業に就くことができなくなります。

制限を受ける職業は様々ありますが、例えば「銀行の取締役」や「地方自治区の区長」など一般市民にとってはあまり関係のない職業も多いです。

そんな中でも、比較的身近な職業としては以下のようなものがあります。

  • 弁護士・司法書士・行政書士などの「士業」
  • 警備員
  • 保険外交員
  • 証券外務員
  • 公証人
  • 探偵業

職業制限をされる期間は、破産手続開始決定から免責許可決定(破産者のすべての債務を免除する旨の裁判所の決定)が確定するまでの概ね3~6ヶ月です。

免責許可決定が確定することで破産者としての地位は解かれ、破産によって制限されていた権利が回復します。

これを「復権」といいます。

復権することにより職業も自己破産前のように自由に選べるようになるのです。

なお、万が一免責許可決定が下りなかった場合でも、破産手続開始決定後に詐欺破産罪の有罪確定判決を受けることなく10年間経過したときには、当然に復権が認められます。

持ち家を手放さなければならない

自己破産 持ち家

自己破産をすると、持ち家は原則手放すことになります。

破産手続において、破産者が一定以上の価値のある財産を所有している場合は、裁判所は破産管財人を選任し、その後の手続の遂行にあたらせます。

この破産管財人が選任される場合の手続の流れのことを「管財事件」といいます。

破産管財人は、破産者の財産を調査・管理し、一定以上の価値のある財産を換価処分して、「配当」という手続によって各債権者に分配します。

持ち家は「一定以上の価値のある財産」に当然含まれますので、自己破産をすると競売にかけられるか、もしくは破産管財人が売却先を探して換価処分することになるのです。

ただし、不動産を売却するにはそれなりの時間がかかりますので、自己破産を申立てたからといって、すぐに住む場所を失うことはありません。

通常は、不動産の買受人が現れて売却が確定し、退去を求められるまでには半年から1年程度はかかります

自己破産と持ち家の関係については、下記の記事を参考にしてください。

自動車を手放さなければいけない可能性あり

自己破産 車

自己破産をすると、場合によっては自動車を手放すことになります。どのような場合に手放すことになるのか、詳しく見てみましょう。

自動車ローンが残っている場合

所有する自動車にまだローンが残っている場合は、自動車を手放さなければいけない可能性が高くなります。

多くの自動車ローンの契約には「所有権留保特約」という、「完済するまで所有権をローン会社に残しておく旨の特約」が付いています。

返済中の自動車ローンに所有権留保特約が付いている場合、自動車の所有権はローン支払者にではなく、未だローン会社にあるということです。

従って、ローン支払者が自己破産をすると、ローン会社は所有者としての権利を行使して自動車を引き上げてしまうのです。

ところで、ローン契約に所有権留保特約が付いているかどうかは、どうやって確認すれば良いのでしょうか。

まず、車検証の所有者欄がローン会社名になっていれば、所有権留保特約が付いていると判断できます。

ただし、所有者欄がローン会社名になっていなくても、所有権留保特約がついているケースもありますので、念のためローンの契約書も確認しておきましょう。

一般的な契約書では、所有権留保特約については以下のように書かれています。

第3条(所有権留保特約)
本商品の所有権は乙が前条の代金を完済するまで甲に留保する。

なお、自動車ローンにはディーラーの提携先の信販会社やクレジットカード会社などが提供する「ディーラーローン」と、銀行や信用金庫などが提供する「銀行系マイカーローン」がありますが、所有権留保特約が付くのはディーラーローンの場合です。

銀行系マイカーローンの場合は、所有権留保特約は付きませんので、完済していなくてもローン支払者が所有権者となります。

従って、ローン支払者が自己破産をしても銀行や信用金庫が自動車を引き上げることはありません。

自動車ローンが残っていない場合

自動車ローンが残っていない場合は、ローン会社に自動車を引き上げられる心配はありません

ただし、先に述べたように、破産者が一定以上の価値のある財産を所有している場合は、その財産は破産管財人によって換価処分されることになります。

従って、自動車を手放すことになるかどうかは、その自動車が「一定以上の価値のある財産」に該当するかどうかによるということです。

では、具体的にはいくらぐらいの換価価値があれば「一定以上の価値のある財産」といえるのでしょうか。

これについては、裁判所によって判断基準が異なります。自己破産をしても手元に残せる財産のことを「自由財産」といいますが、実は自動車は法律で定められた自由財産には含まれていません。

法律で定められた自由財産には以下のものがあります。

手元に残せる自由財産
  • 99万円以下の現金
  • 破産手続開始決定後に新たに取得した財産
  • その他、法律上差し押さえが禁止されている以下の財産
  • 生活に最低限必要な家財道具や日用品など
  • 給与・賞与・退職金に関する債権の4分3
  • 公的年金や生活保護費、失業保険など

ご覧の通り、自動車は上記のどれにも当てはまりません。

ただし、各裁判所は法律で定められた自由財産以外にも、独自の裁量で換価処分しない財産を定めることができます。
これを「自由財産の拡張」といいます。

例えば、東京地方裁判所の運用では、原則として査定額が20万円以下の自動車であれば、自由財産の拡張が認められ手元に残すことが許されます。

逆に査定額が20万円を超える自動車は「一定以上の価値のある財産」にあたり、換価処分の対象となるのです。

ただし、査定額が20万円を超える自動車でも、破産者がその自動車を必要とする正当な理由がある場合は、裁判所の判断により例外的に手元に残せる場合もあります。

「自動車を必要とする正当な理由」とは、例えば、家族の介護や通院のために自動車を利用している場合などです。

また、自動車の査定額が20万円を超える場合であっても、他の財産との合計額が99万円以下であるときは、裁判所の判断によりさらに自由財産の範囲を拡張して、手元に残すことを認めてくれる場合もあります。

自己破産と車の処分に関しては、下記の記事を参考にしてください。

保険など資産の一部を手放さなければならない

自己破産 保険

自己破産をすると、場合によっては生命保険や損害保険などは解約することになります。保険についても、考え方は持ち家や自動車の場合と同じです。

保険を解約した際に契約者に返還されるお金のことを「解約返戻金」といいますが、解約返戻金の見込み額が「一定以上の価値のある財産」にあたる場合は、債権者への配当の原資としなければいけないので、保険は解約されることになります。

この場合の「一定以上の価値のある財産」の判断基準は先に述べたように裁判所によって異なります。

東京地方裁判所の運用では、解約返戻金の見込み額が20万円を超える場合に、保険は解約されることになります。

保証人に一定期間なれない

自己破産をすると、その後一定期間は保証人になることはできなくなります。

保証人になる際にも審査があります。保証人の役目は、債務者が返済不能に陥った場合に債務を肩代わりすることにありますので、その役目を果たせるだけの返済能力や経済的信用があるかどうかを審査するわけです。

審査では、借り入れやローンの申し込みがあった場合と同様に信用情報機関に照会を行いますので、事故情報があれば必ずわかってしまいます。

従って、信用情報機関に事故情報が残っている間は、保証人の審査に通ることはないでしょう。

官報に名前と住所が掲載される

官報 自己破産

自己破産をすると、官報に名前と住所が掲載されます。

官報とは、行政機関の休日を除き毎日発行されている国の機関紙です。

内容は、主に法律・政令・条約等の公布や、各官公庁・裁判所・会社等が法令に基づいて行う公告などが掲載されています。

自己破産をすると、通常は破産手続開始決定時と免責許可決定時の2回、官報に名前と住所が掲載されることになります。

名前と住所が掲載されるのは、決して破産者への懲罰的な意味合いからではありません。債権者が破産手続に参加する機会を保証するために、掲載が義務づけられているのです。

自己破産と官報については以下の記事を参考にしてください。

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自己破産による家族へのリスクやデメリット

自己破産 家族 デメリット

自己破産をすると、家族にも何らかのリスクやデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

家族カードを持っている場合利用できなくなる

クレジットカードを契約している本会員が自己破産をした場合、その本会員に紐づいている家族カードも利用することができなくなります。

家族カードとは、クレジットカードの本会員の家族に対して、本会員の信用に基づいて発行することができるカードのことです。

家族カードを発行する際の信用審査の対象となるのは本会員のみで、実際にカードの利用者となる家族は審査されません。

従って、利用する家族の返済能力に不安があっても、本会員の返済能力に問題がなければ、家族カードを発行することは可能なのです。

逆に、利用する家族の返済能力に問題がなくても、本会員が自己破産をしてしまえば、すべての家族カードは強制解約されることになります。

家族が連帯保証人になっている場合一括請求がいく

自己破産をする際に、家族が破産債務の連帯保証人になっている場合は、その家族に債務の一括請求がいくことになります。

自己破産によって免責を受けられるのは破産者本人のみであり、連帯保証人にはその効果は及ばないのです。

従って、家族が連帯保証人になっている場合は、その家族に自己破産を隠し通すことはできません。

迷惑をかけることも避けられません。

どうせ知られてしまう以上は、あとで大きなトラブルにならないように、連帯保証人に対しては必ず事前に自己破産をすることを報告し、以降もできる限り誠意のある対応を心がけましょう。

夫婦で共同名義やペアローンを組んでいる場合注意が必要

住宅などの不動産を夫婦で共有している場合に、共有者の一方である夫が自己破産をすると妻の共有持分にも影響があるのでしょうか。

結論から言えば、自己破産の際に住宅ローンが残っている場合は妻の共有持分も一緒に競売にかけられることになります。

住宅ローンが残っていない場合は、夫の共有持分のみが競売か任意売却され、妻の共有持分に影響が及ぶことはありません。

ただし、不動産が売却されれば、妻は見ず知らずの買受人と不動産を共有することになり、複雑な権利関係のもとに身を置くことになります。

また、不動産の共有者がそれぞれの持分に応じて、別々の住宅ローンを組む契約のことを「ペアローン」といいますが、夫婦でペアローンを組んで不動産を購入した場合も、一方が自己破産をすれば、他方の持分も含めて不動産が競売にかけられることになります。

自己破産と住宅ローンに関しては、以下の記事を参考にしてください。

同居家族には手続きで必要な書類を用意してもらわなければならない

給料

裁判所に自己破産の申立てをする際には、多くの書類の提出が必要です。中には用意するのに同居家族の協力が必要になる書類もあります。

裁判所に提出するのは、主に収入や支出、財産などを証明するための書類ですが、これは破産者のものだけではなく、同居家族のものも必要なのです。

裁判所によって運用は異なりますが、一般的には家計の状況を明らかにするために、同居家族の収入や支出を証明する書類が必要です。

また、同居家族の車検証や保険証書、預金通帳の写しなどの財産を証明する資料の提出が必要になる場合もあります。

なぜ、同居家族の財産を証明する資料まで提出しなければならないのでしょうか。これは、主に破産者の財産がそこに含まれていないかを確認するために必要なのです。

例えば、家計の支出にガソリン代や駐車場代が計上されている場合、それらの費用が誰の自動車にために使われているのかは重要なポイントです。

場合によっては、破産者が所有していながら裁判所に隠していた自動車の存在が、そこから明らかになるかもしれません。

このように、支出から自動車の存在が推定される場合、それが破産者のものではないことを証明するために、同居家族の車検証の写しを提出する必要があるわけです。

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自己破産後の人生へのリスクや影響

自己破産後の人生

自己破産をすると、その後の人生にもリスクや影響が残り続けるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

自己破産後の末路は悲惨というのはウソ

自己破産に対して、ネガティブなイメージを持たれている方は多いかと思います。
正しい知識を持たずに、ただ漠然と「自己破産後の末路は悲惨」と信じてしまっている方もいるかもしれません。

しかし、実際にはそのようなことはありません。

確かに自己破産をすると経済的な信用が失墜するため、クレジットカードの利用ができなくなったり、ローンが組めなくなったりなどの、経済活動に受ける制限は一定期間甘受しなければなりません。

ただし、これらを除けば自己破産をしても、その後の生活に大きな影響はありません。

それどころか、免責により借金が帳消しになることで、人生をリセットして新たにやり直すチャンスが得られるのです。

もちろん、決して安易な自己破産をおすすめしているわけではありません。

借金を重ねた原因が経済観念の欠如や浪費癖などにあった場合、きちんと自分自身を見つめ直して失敗を教訓としなければ、自己破産をしてもまた同じことを繰り返してしまうかもしれません。

しかし、もし人生をやり直したいと真剣に望み、二度と同じ過ちは繰り返さないと強く決意しているのなら、自己破産はこれまでの苦悩の日々と決別し、新しい人生に一歩踏み出すための希望の扉となり得るでしょう。

自己破産後、成功者になった人も多い

世の中には、自己破産後に成功してお金持ちになった人もたくさんいます。

例えば、X JAPANのToshiさんは2010年に自己破産をされています。

Toshiさんは自己啓発セミナーに洗脳され、すべての収入をセミナーに搾取された上に、気づいたときには詳細のわからない億単位の借金や税金を抱えていたそうです。

しかし、自己破産後は再結成したX JAPANのヴォーカルとして、それまで以上に世界中のファンを魅了し、ソロ活動では圧倒的な歌唱力を遺憾なく発揮したカバーアルバムが人気を博しました。

近年では別名義の「龍玄とし」として、テレビのバラエティ番組などにも精力的に出演し、芸能界の中でも独自のユニークなポジションを確立されています。

Toshiさんの場合は、自己破産をする前から既にX JAPANのメンバーとして成功していましたが、自己破産後の方がさらに活動の幅も広がり、より大きな成功を手に入れたと言えるのではないでしょうか。

また、株式会社シーラホールディングスの取締役会長、杉本宏之さんも、かつて自己破産を経験しながら、その後目覚ましい勢いで経済界に返り咲いた成功者の一人です。

経営していた不動産会社がリーマンショックの煽りを受け、約400億円の負債を抱えて民事再生の申請をすることになった2009年。杉本宏之さんご自身も自己破産して無一文になりました。

しかし、破産した翌年の2010年には株式会社シーラホールディングスを創業。現在では、グループ会社7社、売上高200億円を超える企業にまで成長させたのです。

近年のインタビューでは年収は1億円弱と語っており、相当なお金持ちであることがわかります。

そして、2019年には女優の深田恭子さんとの交際も話題になった杉本宏之さん。

まさに順風満帆。自己破産をした過去を見事に乗り越え、我が世の春を謳歌していると言えるのではないでしょうか。

結婚、出産に影響はなし

自己破産 結婚 影響

自己破産をしても、結婚や出産には何の影響もありません。破産者が結婚や出産に制限を受けるような法律の規定はないからです。

また、自己破産をした事実が戸籍や住民票などに記録されることもありませんので、婚姻の際に自己破産したことを結婚相手に知られる可能性も低いでしょう。

仕事や就職、転職に影響なし

自己破産をしても、基本的には現在の仕事や今後の就職・転職には何の影響もありません。これについては、個別にもう少し詳しく見ていきましょう。

現在の仕事への影響

自己破産をしても、現在の仕事には何の影響もありません。自己破産の事実を現在勤めている会社に知られることも、通常はありません。

例外として、先に述べた破産手続中に制限を受ける職業に就いていた場合は、それが原因で会社に知られてしまう可能性はあります。

制限を受ける職業を営む会社では、定期的に官報で破産者のチェックをしている場合が少なくありませんので、こちらから自己破産したことを申告しなくても、会社に知られてしまうおそれがあるのです。

ただし、自己破産をしたことを会社に知られたからといっても、それが理由で会社をクビになることはありません。

解雇は社会通念上相当と認められる理由がなければ無効」といった趣旨の規定が労働契約法という法律に定められていますので、自己破産を理由に従業員をクビすることは、労働契約法の規定に反する不当な解雇にあたり無効となるのです。

就職や転職への影響

通常は、就職先や転職先に自己破産したことがバレる心配はありません。

自己破産をすると信用情報機関に事故情報が残りますが、信用情報機関の情報は加盟する金融機関や貸金業者のみしか閲覧することはできません。

仮に、就職先や転職先が金融機関であったとしても、信用情報はあくまでも顧客の返済能力の調査に必要な範囲内でのみ閲覧が許されていますので、入社希望者の調査に信用情報機関を利用することはできないのです。

ただし、過去の官報の記録を調べれば、個人の破産歴を調べることは可能です。官報は誰でも閲覧することが可能ですので、採用選考にあたって官報を調べる会社も少数ながらあるようです。

とは言え、ほとんどの会社ではいちいち官報のチェックなどはしませんので、過度に心配する必要はないでしょう。

また、履歴書の賞罰の欄に自己破産歴を記載する必要はありません。

賞罰欄に記載すべき「罰」とは、懲役や禁固、罰金などの有罪判決を受けた刑事罰です。

自己破産は犯罪ではありませんので、賞罰欄に記載すべき事柄ではないのです。

引っ越しや旅行も手続き完了後自由にできる

自己破産 旅行

自己破産後は、引越しや旅行も自由にすることが可能です。

破産手続が管財事件になった場合は、手続が終了するまでの期間は、裁判所の許可なく引越しや旅行をすることができなくなります。

なぜ、破産中手続中は引越しや旅行が制限されるのでしょうか。

破産者は、いつでも破産管財人の求めに応じて、自らの負債や財産の状況などについて説明をする義務を負います。

そのため、破産者が勝手に引越しや旅行をすることを許してしまうと、必要なときに居所がわからなかったり、連絡がつかなかったりなど、破産手続の円滑な進行の妨げとなるおそれがあるのです。

このように、引越しや旅行を制限するのは、あくまでも破産手続をスムーズに進行させるためですので、手続さえ無事に終了すればこのような制限を続ける理由はありません。

破産手続終了後は、引越しや旅行の制限は解除されることになります。

要件を満たしていれば生活保護の受給も可能

自己破産歴の有無にかかわらず、受給要件さえ満たしてれば、生活保護を受給することは可能です。

自己破産をした事実が、生活保護の審査に不利な影響を与えることもありません。

なお、主な生活保護の受給要件は以下の通りです。

生活保護の受給要件
  • 預貯金や不動産などの活用できる資産がない
  • 病気や怪我、高齢などを理由に就労が困難である
  • 親兄弟や親戚などから援助を受けることができない
  • 年金や失業保険など、他に利用できる公的制度がない

自己破産をしたことが親戚や近所の人にバレる可能性は少ない

自己破産をしたことが、親戚や近所の人にバレる可能性は非常に少ないと言えます。

先に述べたように、自己破産をしても戸籍や住民票に記録が残ることはありません。

官報には名前と住所は掲載されますが、金融機関などの職業上官報のチェックが必要な一部の業種の人たちを除けば、日常的に官報を読む人はほとんどいません。

また、自己破産をすると信用情報機関に事故情報が登録されますが、一般の方が信用情報機関の情報を閲覧することはできません。

仮に、信用情報機関への照会が可能なローン会社などに勤めている人が近所にいたとしても、あなたがその会社にローンを申込み、なおかつその人が審査に関わる部署にいない限りは自己破産をしたことがバレる心配はありません。

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自己破産による精神面へのリスク

自己破産 精神 リスク

自己破産をすることによる精神面へのリスクも、軽視することのできない問題です。詳しく見ていきましょう。

自己破産をしたことで自分に自信がなくなる人も

自己破産をしたことで、自分に自信をなくしてしまう人もいます。

普段、真面目で他人に迷惑をかけることを嫌う人ほど、借金を返せなかった自分や、債権者や保証人に迷惑をかけた自分を許せず、責め続けてしまうおそれがあります。

また、普段、完璧主義で自分に厳しい人ほど、自己破産を人として恥ずかしい行為だと考えたり、取り返しのつかない失敗だと考えたりして、苦しんでしまうかもしれません。

しかし、長い人生誰にも迷惑をかけず、恥ずかしいことや大きな失敗にも無縁の一点の曇りもない旅路を歩んでいける人などいるでしょうか。

きっと、そんな人はいないはずです。

誰もが多かれ少なかれ、人に迷惑をかけたくないと思いながらも、迷惑をかけた経験があり、頭に理想の人生を思い描きながらも、期待通りにいかずに自分を許せなくなるような恥ずかしい思いや大きな失敗を経験しているのです。

もし、自分の大切な人が自己破産をした過去を悔やみ、ひどく落ち込んでいたとしたら、「人に迷惑をかけて恥ずかしい」とその人のことを責めるでしょうか。

きっと、その人に寄り添い優しい言葉をかけて、励ましてあげるのではないでしょうか。

そして、その優しさは自分に対して向けることもできるはずです。

時には自分自身に対しても、自分の大切な人にしてあげるように、優しく寄り添ってあげることが大切なのではないでしょうか。

借金がなくなり逆に精神的ストレスが減ったという人も

自己破産をすることが、必ずしも精神的なリスクになるとは限りません。

むしろ、自己破産したことにより長年の借金苦から解放され、精神的なストレスが減ったという人もたくさんいます。

これまでに述べてきた通り、自己破産をすると様々なリスクやデメリットを負うことになります。

しかし、それらを全部差し引いても、なお借金がなくなった喜びと解放感、そして未来への期待の方が大きく勝るということでしょう。

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アース法律事務所の相談費用(任意整理の場合)

費用項目費用
着手金22,000円
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自己破産とリスクについて良くある質問

経営者です。過去に自己破産をした人を雇うリスクは何かありますか?

基本的には、過去に自己破産をした人を雇うことにリスクはありません。

もちろん、採用選考の段階において、入社希望者に自己破産歴があるとわかった場合は、その人を採用するかどうかは会社の自由です。もし、不安を感じるのなら採用しなければ良いでしょう。

ただし、現在雇用中の従業員が自己破産しているとわかった場合、それだけを理由に解雇や降格などの不利益な扱いをすることはできません。

従業員は会社に対して労務を提供する義務を負いますが、自己破産が原因で労務の提供に支障が出るとは考えにくいからです。

とは言え、自己破産に至った理由が経済観念の欠如や浪費、ギャンブルなどにある場合は、お金を直接扱ったり管理したりする業務に就かせることは、経営者として不安を感じるところではあるでしょう。

このような場合には、業務への適格性がないという判断で他の部署への配置転換をしても不当人事にはあたりません。

ただし、これまでの経験やスキルをまったく無視したような部署への配置転換や、合理的な理由もなく遠方へ転勤させるなどの措置は、懲罰的な不当人事とみなされる可能性が高いので注意が必要です。

自己破産により官報に名前が載りました。友達や親戚に見られないか心配です。

友達や親戚に官報を見られる可能性は、非常に低いと言えるでしょう。

官報は通常の書店では販売されていません。一番簡単に官報の内容を知ることができるのはインターネット版官報でしょう。インターネット版官報では、過去30日分のPDF形式の官報を無料で閲覧することが可能です。

しかし、いくら簡単に閲覧することができるとは言っても、官報は法律・政令・条約等の公布や、各官公庁・裁判所・会社等の公告などが掲載されている非常に特殊な内容の機関紙ですので、一般の方で日常的に読む人はまずいないでしょう。

そもそも、官報の存在自体を知らないという人も、それほど珍しくはありません。従って、官報を通じて友達や親戚に自己破産を知られる可能性はほとんどないでしょう。

ただし、世の中には仕事として日常的に官報をチェックしている人たちもいます。例えば、以下のような職業に就いている人たちです。

  • 役所の税担当者・税務署
  • 金融機関・貸金業者
  • 信用情報機関
  • 不動産業者
  • 弁護士・司法書士
  • 警備会社、保険会社

もし、そのような人が身近にいる場合は、自己破産をしたことがバレてしまう可能性もゼロとは言えません。

まとめ

この記事では、自己破産をするとどのようなリスクやデメリットがあるのか、また、その後の人生にどのような影響があるのかについて詳しく解説しました。

確かに自己破産にはリスクやデメリットが伴いますが、正しい知識を得ればそこまで恐れるほどのものではないと、わかっていただけたのではないでしょうか。

何よりも、現在の借金苦から解放される安心感は、どんなリスクやデメリットにも勝る大きな利点ではないかと思います。

不安な方は、債務整理に強い弁護士に相談し、一つずつ不安と取り除きながら手続きを進めていかれることをおすすめします。

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