朝日学生新聞社が2025年10月から11月にかけて東京大学マーケットデザインセンターと共同で行った調査で、約8割の中高生が公立高校入試における単願制に問題を感じ、デジタル併願制の導入を支持していることが明らかになった。 調査はインターネットで2025年10月23日から11月17日、東京大学マーケットデザインセンターと朝日中高生新聞社が共同で実施した。対象は中学生300人、高校生92人。詳細な分析結果は今後、朝日中高生新聞の12月21日号やデジタル版の朝中高プラス、東京大学マーケットデザインセンター公式サイトの特設ページで公開される予定。 調査結果の概要によると、中高生の77%は現行の単願制を問題だと答え、82%は複数の高校に志望順位をつけて出願できるデジタル併願制のほうが望ましいと回答した。デジタル併願制は受験生が第1志望から第2志望以降まで志望校を複数登録し、合格順位とマッチングして唯一の合格校を決める仕組みで、「受入保留アルゴリズム」を活用している。 仮に合格が難しい「公立高校A」と合格可能性が高い「公立高校B」がある状況で、単願制では合格率の高い学校Bに出願すると回答した147人のうち85%の125人が、デジタル併願制なら難関の高校Aを第1志望、学校Bを第2志望として併願すると答えた。 子供たちの声としては、単願制では親の経済的な希望から確実に合格できる高校への出願を促され、学力の高い高校に挑戦しにくいとの意見があった。一方で、併願制にすることで不合格の不安が軽減され、自分のペースで学習できるとの期待も示された。反対意見には「単願制にしないと人気の高校と不人気の高校の差が拡大する」などがあったという。 朝日学生新聞社は1967年創業の朝日新聞グループの一員であり、小・中・高校生向け新聞の発行や教育事業を展開し、自ら学ぶ力や課題解決力の育成支援を行っている。