とある山中で身元不明の白骨死体が発見された。手掛かりは死体とともに発見された高価な将棋の駒。捜査の末、その駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった天才棋士、上条桂介だと判明する。
さらに捜査の過程で、桂介の過去を知る重要人物として、<賭け将棋>で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男、東明重慶の存在が浮かび上がるーー。

完成直前の本編を見た桑田氏は楽曲提供を快諾し、最新オリジナル・アルバム「THANK YOU SO MUCH」のために制作を進めていた楽曲のひとつ「暮れゆく街のふたり」を「主題歌にしていただくのはどうか?」と提案。人間の情念を支える力強い声と、ドラマ性に満ちた楽曲の世界は、物語のラストシーンからエンドロールに寄り添い、映画の内容と余韻を深める印象的な主題歌として本編を締めくくる。

物語の中盤、生き方を模索していた主人公・桂介が、故郷にも通ずるような向日葵畑で亡くなった母を思い出す。ふと現実に立ち戻ると、そこには別の女性の姿が。それが農園で働く奈津子(土屋太鳳)との、そして新しい生き方との出会いだった…という大事なシーンを再編集。
当初はなかった映像を織り交ぜ、“口笛バージョン”を流すという構成を相談したところ、桑田氏もこの再編集版に賛同。全国ツアー中に“口笛バージョン”を改めて録音し、新たに映画のためだけの特別バージョンを完成させた。

桑田氏は「仮歌を口笛でやっていて、これがいいという話になりまして、ツアー中に口笛を入れ直しましたんですよ。それが向日葵畑のシーンで使われることになりました」と、自身のラジオ番組で経緯を語りつつ「またあらためて、劇場で観ようと思います」とリスナーたちに向けて語っていた。
熊澤監督は「こんな素晴らしい口笛バージョンがあるなら、映画に生かそうと編集をやり直し、桂介が向日葵畑を通り、昔を懐かしみ、母を思い出す箇所に、口笛バージョンが流れる構成でお見せしたら、桑田さんにも大変喜んでいただけました。このように別バージョンの楽曲を特別に作っていただけることは、普通はないとのこと。映画の中でポイントになる、主人公の決断をこの曲で盛り上げることができたのは、大変嬉しいことでした」と感激のコメントを寄せている。
初公開となる場面満載の「主題歌特別映像」が解禁
さらに、併せて解禁された「主題歌特別劇映像」には初公開となる場面が印象的に盛り込まれている。
貧しいながらも優しかったころの父との思い出、辛く孤独な少年時代に、将棋だけではなく人のぬくもりを教えてくれた恩師との日々。
そして東明に連れて行かれた雪深い東北地方への旅打ち。盤上に現金が飛び交う真剣師たちの息詰まる戦いに引き込まれる桂介。死体とともに発掘された将棋の駒「菊水月」の謎を追う刑事たちの姿。桂介を案じ、思い悩む奈津子の姿ーー。
さまざまな出会いと別れを経た桂介が、人生を賭けたタイトル戦へと踏み出していく決意の眼差し。桂介をめぐる光と闇の物語を、切なさと温かさに満ちた桑田氏の歌声が包み込み、「何があっても生き切るんだ!」というメッセージを力強く伝える2分間の映像となっている。
また、「主題歌特別映像」を60秒にした映像が、10月3日(金)から10月30日(木)まで、全国のSMT系映画館で全スクリーンの幕間映像として流れることが決定している。
『盤上の向日葵』は10月31日(金)は全国にて公開。