さんきゅう倉田です。
東京大学経済学部金融学科の3年生です。先日、駒場キャンパスを歩いていたら、博士課程に在籍していると名乗る男性からインタビューを求められました。
「どんなガクチカ(学生時代に力を入れた活動や経験のこと。就職活動でよく質問される)をしてますか」というテーマでしたが、就職の予定はないので「ガクチカは特にしていません」と答えると、「なんでもいいんです。勉強以外に何かやっていることを教えてください」と求められます。
仕方がないので、「新たな人と出会えるように、東大の様々な場所へ顔を出すようにしています」と答えました。
新たな場所へ出て行った結果、この夏は東大生23人で万博に行くことができました。
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▶面白かったパビリオンとそうでなかったパビリオンは
秀逸な構成のインドネシア館。対して、がっかりだった館は
「インドネシア館はユニークでした。安易にテクノロジーと文化の融合に走っていなくて、スマトラの熱帯の再現に始まり、ワヤン(影絵)や舞、レンチョンをはじめとした祭具の紹介など、自国の文化、環境を魅力的に紹介する努力に徹していました。
つまり何でもデータ化に未来を見出す現代へのアンチテーゼと言えると思います。
散々伝統に興味を持たせた末に最後のブースで商品を買わせるという手法はマーケティング的にも理論的だったし、キャストの質が高いと感じました。
それに比べてオーストラリアは一般論に走っていると思ったけれど、出口のハンバーガーは美味しいのでおすすめです。
サウジアラビアにはオイルマネーからの脱却論を期待して見に行ったんですが、それほどではなく、これからも依存が続くのではないかと推察しました。ただ、キャストの流暢な日本語や精巧な話術に教養の高さを感じます」
彼はじっくりと考えながら、万博を振り返ってくれた。万博に行ったみなさんも、会場にいる間はぼんやりと体験しているかもしれない。しかし、振り返って、文章にまとめたり他人に伝えたりすることで、自分の体験や分析が整理される。これもまた万博の一つの楽しみ方ではないだろうか。
▶「隠れミッキー」のようなミャクミャクが!?
万博のあちこちで見られる「こみゃく」を撮影して楽しむ
会場のあちこちに、デザインシステムによって一貫された“こみゃく”がいる。
一貫しているけれど、同じではない。多様な「こみゃく」である。
たくさんのアーティストが共通のモチーフやデザインを共有・認識して描かれたことが分かる。そして、それが如何に困難なことであるかは、取り組んだ彼らやシステムの構築者にしか分からない。
ただ、それでいい。我々素人はそのアートの楽しさや美しさを純粋に感じればいい。
会場内の至る所に描かれたこみゃくを見つけ、写真を撮り、思いを馳せる。混雑した10月の会場ではそのような体験も一興ではないか。
「EXPO 2025 Design System」では大阪万博のデザインシステムが紹介されている。
▶しないと後悔する「下調べ」
筆者は万博についてほとんど調べずに会場に赴いてしまい、大変後悔している。もっと調べてから行くことで存分に楽しめたはずである。
大阪から帰ってきてから、万博へ執着し、公式のYouTubeチャンネルで動画を漁っている。
会場内のこみゃくが紹介されていて、改めてその魅力を実感することができた。
これから万博に行く方が羨ましくて仕方がない。
■編集部より
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