アロマにはどんな効果があるか知っていますか?
「匂いがするだけでしょ」と思っている方もいるかもしれませんが、実はアロマには科学的にも証明されている様々な効果があるんです。
今回は、アロマテラピーの意味から、悩みやシチュエーションに合わせたおすすめのアロマについてご紹介いたします。
アロマテラピーとは?
実際アロマテラピーとは何か、歴史や使い方を紹介していきますね。
アロマテラピーの歴史
アロマテラピーという言葉自体は、1930年頃にフランスの調香師・香料研究者のルネ=モーリス・ガットフォセがアロマ(芳香)とテラピー(療法)を組み合わせて作った造語に由来します。
日本には江戸時代に西洋医学が伝わった際に精油を用いた医療が伝わり、精油が薬として利用された記録が残っています。
しかし、芳香植物の治療への利用は、人類の文明と共に古くから行われていたとみられています。
多くの植物が古代の埋葬地から見つかっており、アジアから古代エジプト、地中海沿岸などの多くの地域で、治療用軟膏や湿布、癒しのための香りづくりに関わる様々な手順や儀式について書かれた多くの文書が見つかっています。
どんな使い方ができる?
アロマテラピーの活用方法はたくさんあります。
一番手軽な方法は芳香浴でしょう。
ティッシュペーパーにアロマオイルを数滴落として、そばに置いておくだけでも良い香りがします。また、お湯を入れたカップにオイルを入れても良いですし、好きな香りのお風呂で入浴をすることも可能です。
アロマオイルの扱いに慣れている方は、マッサージオイルやルームスプレーとして使ってみても良いでしょう。
アロマオイルはそのままでは肌の刺激になりすぎてしまいますが、ココナッツオイルなどと混ぜることで、手足やボディマッサージに使用できます。
霧吹きにお水と一緒に入れると、簡単なルームスプレーにもなりますよ。
アロマテラピーの効果とは?
実際、アロマにはどのような効果があるのでしょう。
いくつかの効果があるので、紹介していきますね。
体の不調が回復する
アロマテラピーに使われるアロマオイルには、様々な働きをする成分が入っています。
オイルは、植物の花や葉、実、茎、根、樹皮などから抽出した香りの成分です。この成分は天然の有機化合物の集まりで、1種類のオイルの中には通常数えきれないほどの有機化合物が含まれています。それらが化学反応を起こし、作用と香り、効能を生んでいるのです。
アロマテラピーが肉体的な不調である疲労回復、冷え、筋肉のコリや痛みから、精神的な不調の気分の落ち込みや不眠、ホルモン系の不調、そして殺菌・消臭まで、幅広く役立つといわれる理由の1つはここにあります。
睡眠の質が上がる
症状とアロマオイルの持つ効能が合えば、体や心への作用も早めに現れます。眠る前に香りを吸い込むことで、睡眠の質も上げることができます。
なぜここまで早く作用が現れるかというと、普段の呼吸によって、香りの成分が肺に取り込まれ、血流に乗って素早く全身に行き渡るからです。
また、マッサージなどで皮膚からアロマを吸収する場合も、毛細血管やリンパ管にて全身に運ばれます。
早い場合は、皮膚に塗ったアロマの芳香成分が1時間後に尿として出てたというデータもあるそうです。
アロマは効果が出るのが早いので、寝る前に香りを吸い込むことによって、その日の睡眠の質を上げることができます。
意識が変わる
アロマテラピーによって、意識に変化を起こすことも可能です。
詳しくは、次の脳との関係のところでご紹介しますが、現代社会ではストレスが多く、生活習慣病や自律神経失調症状になる人が増えています。そして、高齢化社会に伴い、認知症や終末期ケアなどの問題も深刻になっていると言われています。
しかし、アロマの香りによって脳に刺激を与えることで、自律神経やホルモンバランスを整えてくれます。
気持ちが前向きになったり、脳が活発になることで記憶力や理解力が回復したりする結果も出ています。
アロマテラピーは癒しとして活躍するだけでなく、より良い刺激を脳に与えてくれる効果もあります。
アロマテラピーがおすすめな理由
アロマテラピーの効果がわかったところで、何故アロマテラピーがおすすめなのか紹介していきますね。
色々な場所で好みの精油が購入できる
アロマテラピーで使うアロマオイルは、今の時代、色々なところで簡単に購入することができます。
生活に取り入れやすい手軽さも、おすすめのポイントです。
日常生活で使用するものであれば、生活の木や無印良品などのチェーン店で購入することもできますし、WEBでもたくさんのショップがあります。
ただ、100円ショップで売っているアロマオイルは人工の合成香料です。植物の持つ薬効的な効果を求めるなら、100%またはそれに近い、植物から抽出された天然のオイルを使いましょう。
購入する際には、なるべく原材料や成分を確認してみてくださいね。
嗅覚は0.2秒で脳にアプローチが可能
私たちは、無意識に五感をフル活用して生活をしていますが、実は、その中でも嗅覚というのは特別なパワーを持っています。
嗅覚の刺激だけは高度な脳と言われる大脳新皮質を通さず、大脳辺縁系にダイレクトに伝わります。
視覚や聴覚の刺激が脳に伝わるまでにかかる時間が約0.9秒、嗅覚であれば、0.2秒で脳にアプローチができると言われます。
大脳辺縁系は食欲や記憶、感情と言った本能的な機能を司る部位です。その周辺には自律神経の中枢である視床下部やホルモン分泌にかかわる下垂体があるため、刺激が伝わると考えるよりも早く心と体が反応します。
香りをかいで一瞬で昔の感情が甦って懐かしい気持ちになったり、憂鬱な気分が爽快になったりするのは、そのためです。
アロマテラピーの注意点
アロマテラピーを個人でする時のいくつか注意点があります。
メーカーによって香りが異なる
先ほど、アロマオイルはどこでも買える時代とお伝えしましたが、メーカーによって香りが異なるものもたくさんあるのが事実です。
理由としては、値段を抑えるために人工の成分を使っている場合もありますし、植物から香りを抽出するタイミングが異なる場合があるからです。
花の場合は、咲く前に摘んでしまうのか、枯れる前の時期を見計らって摘むのかによって、その時の香りは変わります。
柑橘系の香りの方が、時期によって果実の色も変わるので、わかりやすいかもしれません。果実が未熟なうちに圧搾するのか、熟してから絞るのかで、かなり香りに違いが表れます。
希釈して使うのが一番安全
アロマオイルの原液は刺激が強いため、必ず希釈して使うようにしてください。もし原液が皮膚についてしまったら、流水ですぐに洗い流しましょう。
希釈とは、原液を適切な方法で薄めて使うことです。ティッシュに垂らしたり、マグカップやお風呂に入れる場合はそこまで気にしなくて良いのですが、ルームスプレーやマッサージオイルとして使う場合は、水の量やベースとなるオイルの約5分の1の量を使用することを意識しましょう。
子供に使用する場合は、10分の1でもちょうど良いくらいです。
光毒性があるアロマは使い方に注意
柑橘系のオイルの中には、肌についた状態で紫外線に当たると皮膚にダメージを与え、シミやシワの原因になるものがあります。これを光毒性といいます。
光毒性があるのはベルガモット、レモン、グレープフルーツ、ライム、オレンジなどです。日中や外出前は使わないようにしましょう。
なお、柑橘系でもネロリ、オレンジ・スイートなど光毒性のないものもありますが、日に当たる可能性のある時は、柑橘系全般を避けてるのが安心でしょう。
また柑橘系のオイルは、肌につける時だけ気を付ければ大丈夫です。芳香浴で使用する場合は、問題ないのでご安心ください。
良い出会いが欲しい人におすすめのアロマ
良い出会いが欲しい人におすすめな匂いは、自信をつけてくれる匂い。
ローズ
出会いが欲しい人におすすめはアロマは『ローズ』です。ローズ・オットーと呼ばれることもあります。
深い甘さのある豊かな香りで、誰もがゴージャスな雰囲気を感じられます。
また、シトロネロールという成分がエレガントさを生み出しています。
女性ホルモンの調節作用もあるため、女性である喜びや楽しさを思い出させてくれるだけでなく、自信もつけてくれるでしょう。
おすすめの使い方は、お風呂に数滴入れることです。クレオパトラの気分も味わえますよ。
ジャスミン
出会いが欲しい人におすすめの香り、2つ目は『ジャスミン』です。
ディズニー映画の『アラジン』のヒロイン、ジャスミンをご存じでしょうか?
まさに、あのプリンセスをイメージさせる、エキゾチックな香りを持っています。
ジャスミンには興奮作用と鎮静作用の両方を持つ成分があり、その結果、少しミステリアスな大人の女性を演出する香りとなっています。
もちろん、婦人科系のトラブルにも効果的で、マタニティや産後のブルーな状態もサポーターしてくれます。
おすすめの使い方は芳香浴です。
女性らしくなりたい時におすすめのアロマ
上品な女性からは良い匂いがしますよね。そんな上品な匂いのするアロマを紹介します。
イランイラン
女性らしくなりたい時におすすめの香りは『イランイラン』です。
みなさんは南国というと、どんなイメージでしょうか?身も心も軽くなるような、開放的な印象を持つ人が多いと思います。
イランイランはまさに南国の花。近くで嗅ぐとあまり良い香りがしませんが、海風に乗って運ばれる香りは、極上のトロピカルな甘さを持っています。
花の形も開放的で、まさに自由に生きる女性そのものです。
安心感や受容性を高める作用があると言われ、負の感情を打ち消してくれます。
クリームにして持ち歩くと良いでしょう。
ネロリ
女性らしくなりたい時におすすめのアロマ、2つ目は『ネロラ』です。
イタリアのネロラ王国の美しい王女に愛されたことから、この名前がつきました。
ネロリは、ミカン科の花らしい、シトラス調のフローラルで上品な香りが印象的です。
リナロールという成分が抗うつ作用と鎮静作用を促し、自然体でいながらも覚悟を決めた凛とした女性になるサポートをしてくれます。
デコルテやみぞおち、お腹にアーモンドオイルなどで希釈をして、優しく塗ってみましょう。特別な場所にいる感覚が味わえますよ。
親しみやすい雰囲気を出したい時におすすめのアロマ
親しみやすい雰囲気を出したい時におすすめのアロマの匂いは、みなさんも1度は嗅いだことがある匂いだと思います。
オレンジ
親しみやすいアロマの代表と言えば、この『オレンジ』ではないでしょうか?オイルの価格も手に入りやすいのがありがたいです。
リモネンという成分が、フレッシュな香りと食欲増進作用を引き起こします。
珍しい香りではないですが、その分身近なフレンドリーさを与えてくれます。
ティッシュに垂らして芳香浴をするだけでも、リフレッシュできますよ。
メリッサ
ギリシャ語でミツバチという意味を持つメリッサは、レモンバームというハーブティーにもなっています。
生命力が強く育てやすいハーブとして知られ、爽やかさと甘さの両方を香りを持っており、誰にでも好かれる香りが特徴です。
上品でありながら、親しみやすい雰囲気を出したい時は、お腹のあたりにマッサージオイルとして使ってみることをおすすめします。
緊張しやすい人は、こめかみのあたりに希釈したオイルを少量塗りこみましょう。
自分に自信を持ちたい時におすすめのアロマ
自信をつけてくれるアロマは、ネガティブな思考を変えてくれたり、贅沢な香りが楽しめるアロマがおすすめです。
ベルガモット
ベルガモットは、イタリアのベルガモ地方が原産地として知られています。特別な土壌と気候のみで生息する、繊細な柑橘類と言えるでしょう。
ただし、苦くて食用にすることはできず、アールグレイという紅茶の香り付けとして、親しまれています。
リラックス効果もありますが、それ以上に非日常な贅沢感を与えてくれる香りです。
また、自律神経を整える効果があるので、お腹周りのトリートメントで使っていただくと、気持ちが落ち着き、自分を客観的に見ることができます。
カモミールローマン
カモミールローマンは、強い根っこと生命力を持ち、可愛らしい黄色と白の花を咲かせる多年草です。
植物のお医者さんとも呼ばれるのは、近くに植えられた草花を元気にしてくれる、素晴らしい影響力を持っているからです。
リンゴのようなフルーティな香りは、ネガティブ思考を穏やかにし、今のままの自分で大丈夫と自己受容をサポートしてくれるお母さんのようなパワーがあります。
お腹や、腰の下の方にある仙骨のマッサージに使っていただくと良いでしょう。
ミステリアスな印象を残したい時におすすめのアロマ
ミステリアスな印象を残したい時におすすめのアロマは、少し不思議な香りがします。
フランキンセンス
フランキンセンスは、古代から瞑想に使われてきた、神秘的でありながら、心を落ち着かせてくれる香りを持っています。
アロマオイルの中でも珍しく、傷つけた樹木から出るミルクの樹液が固まったものです。
暑く乾燥した地域で育つ植物のため、人の乾燥肌や呼吸器に良い成分を含んでいます。
潜在意識のトラウマや悲しみを癒す力がある香りとも言われるので、ゆったりとした呼吸で香りを吸ってみましょう。
ミステリアスな癒し系女子に近づけるかもしれませんよ。
ミルラ
ミルラは、フランキンセンスと同様、乾燥した地域で育ち、樹皮に傷をつけた樹液が乾燥したものがアロマオイルになります。
競争刺激作用や免疫向上作用があり、精神も内臓も強化してくれます。
嗅ぎ慣れていないと薬品臭を感じることがありますがスモーキーでスパイシーな香りが、体の奥からじわじわ活力をもたらしてくれます。
中性的な香りでもあるので、神秘的な気分も味わえます。ゆったり香りを楽しんでも良いですし、足湯などに垂らしても効果的です。
爽やかな印象になりたい時におすすめのアロマ
爽やかな印象になりたい時におすすめのアロマは、気持ちに爽快感を与えてくれ、スッキリする香りです。
ユーカリ
ユーカリと言えば、オーストラリアやコアラをイメージする人も多いのではないでしょうか?
のびのびと育ったパワフルなユーカリは、50メートルほどに成長するものもあるそうです。
ユーカリの香りは、1.8シネオールという成分が、鼻に抜けるツンとした香りを生み出しています。
高い殺菌作用を持つすっきりとした香りは、悩みや迷いを吹き飛ばしてくれる爽やかさを持っています。
ユーカリのような爽やかさを演出したい人は、ぜひ広大な大地で成長するユーカリをイメージしながら芳香浴をしてみてくださいね。
ペパーミント
繁殖力が旺盛で、初心者でも育てやすいハーブとして知られています。
スペアミントとウォーターミントのハーフで、両親の愛情を受けてすくすく成長していく子どものようなイメージのハーブです。
ペパーミントの爽やかさは、メンタムという商品で有名になったメントールという成分です。
集中力がなくなった時や、自分の中でもやもやした気持ちが渦巻いているときは、ぜひこの香りをかいでみてください。希釈したものをおでこに塗っても効果的です。
癒されたい時におすすめのアロマ
最近疲れている人は、優しい香りや甘い香りのするアロマがおすすめです。
ラベンダー
ラベンダーは、最初に買うべきアロマオイルとも言われます。
ラベンダー色も人気があるように、薄紫の花は姿も香りも人を癒してくれるのです。
子どもからシニアまで安全に使えるアロマでありながら、その効果は幅広く、けがややけど、虫刺されのケアにも活用できます。
メーカーによって、最も色々な香りがあるアロマですが、天然成分100%のラべンダーはフローラルでウッディな優しい香りがします。
芳香浴でも希釈して足の裏をマッサージしてみても良いでしょう。
ベンゾイン
ベンゾインの香りは、一言で言うと、バニラ。しかしバニラよりも甘い香りがします。
幹を傷つけた時に、樹液と樹脂が分泌され、樹脂から香りを抽出することが可能です。
傷ついた樹脂から香りが取れることから、心の傷や傷ついた肌に効果的とも言われます。
成分としては安息香酸が多く含まれ、浅くなった呼吸を落ち着かせてくれます。
自分に厳しくなってしまいがちな人は、このベンゾインの芳香浴で、とことん自分を甘やかす時間を作ってみることをおすすめします。
仕事のやる気を上げたい時におすすめのアロマ
集中力を上げてくれ、仕事のやる気を上げてくれるアロマを紹介します。
ジュニパーベリー
ジュニパーベリーは、ジンやリキュールの香りづけに使われている、アロマオイルです。
そのため、香りを嗅ぐとカクテルをイメージする人もいるかもしれません。
ウッディでくっきりとした香りは、森の中にいるような感覚を与えてくれるので、頭がクリーンになったり、やる気や集中力をアップさせてくれたりする作用があります。
必要なものを明確にするために、不要なものを輩出するパワーもあるので、マッサージオイルなどでリンパ節などをトリートメントしてみても良いでしょう。
ローズマリー
ローズマリーを近所の庭で見たことあるという人もいるでしょう。それほど、どんどん繁殖する生命力のある植物です。
肉料理にも使われるすがすがしい香りは、頭脳明晰化作用や記憶力減退の改善にも効果的なので、集中力だけでなくひらめきが欲しい時にもおすすめのアロマです。
香りが苦手でなければ芳香浴も良いですが、おでこや頭頂に塗ってみてもすっきりとした感覚が味わえるでしょう。
アロマの調香について
これまで1つずつアロマオイルの説明をしてきましたが、オイルをバランスよくブレンドすることで、香りの幅を楽しむこともできます。
調香のポイントはたくさんあるのですが、1番大事なポイントは、すっきりとした香りや柑橘系のものは香りが飛びやすいので、他のアロマを調香する時に、少し多めに入れることをおすすめします。
花や樹脂から取れる濃厚な香りのものから少しずつ入れ、軽い香りで最後整えましょう。
まとめ
アロマオイルは、注意事項や効果などを気にしてしまうと中々生活に取り入れるのが大変に感じてしまいます。
まずは店頭で自分の好きな香りを見つけて、芳香浴から試してみてはいかがでしょうか?
また、占い師の先生の中にもアロマの資格を持っている先生が多くいます。先生に相談してみるのも良いかもしれません。