家事・育児時間の男女差が縮小していることが2025年11月18日、東京都の「男性の家事・育児実態調査2025」の結果から明らかになった。家事・育児・介護にかける1日の平均時間は、男性3時間29分、女性7時間48分。男女差は4時間以上あるものの、前回の2023年度調査より1時間以上縮小したという。 「男性の家事・育児実態調査2025」は、東京都が都内在住の男女5,000人を対象に2025年7月15日から8月21日まで実施した。対象者のうち、4,000人(男女各2,000人)は未就学児をもつ子育て世代、1,000人(男女各500人)は18~69歳の全世代。 子育て世代が家事・育児・介護にかける1日の平均時間は、男性3時間29分、女性7時間48分。内訳は、男性が家事時間1時間18分、育児時間1時間55分、介護時間16分。女性が家事時間2時間53分、育児時間4時間41分、介護時間14分。前回調査と比較すると、男性は28分、女性は1時間35分縮小しており、特に女性の家事・育児時間が大きく減少した。 男女差は4時間19分。家事では1時間35分、育児では2時間46分、女性が多く担っており、まだまだ男女差は大きいものの、前回の2023年度調査より1時間7分縮小した。 調査結果について、天野妙さん(Respect each other代表取締役)は「長時間にわたって1人で家事・育児を担う“ワンオペ”のケースが少なくなっていることがうかがえる」、池田心豪さん(労働政策研究・研修機構副統括研究員)は「男性が急に家事・育児を多く担うようになったというよりは、正社員や管理職として働く女性が増え、家庭全体でかける家事・育児の時間が減少したことのほうが大きな変化といえる」と分析している。 一方、女性が配偶者にもっと分担してほしいと思う家事は、1位「名もなき家事」38.5%、2位「風呂・トイレ掃除」36.4%、3位「部屋の掃除や片付け」32.2%。「名もなき家事」の認知度別に男性の家事・育児時間をみると、「知っている」男性は3時間41分、「知らない」男性は2時間52分で、名もなき家事を知っている男性のほうが約50分長かった。 家事・育児分担の満足度について、「とても満足している+どちらかと言えば満足している」と回答した割合は、男性80.8%、女性60.1%。男女ともに前回調査から上昇しているものの、依然として男女差が大きい状況となっている。分析によると、配偶者が育児休業を取得している女性ほど、満足度が高い傾向もみられた。 男性の育児休業取得率は44.2%。「希望通り+希望以上の期間で取得」は26.9%。年代別では、おおむね若年層の取得率が高かった。また、末子の年齢別では、子供の年齢が低いほど取得率が高くなり、育児休業期間も長くなる傾向にあった。