こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#19
▶「便漏れ」「泥棒扱い」ハードな介護のリアル
「便漏れ」「泥棒扱い」「加速する認知症」友人たちが直面していた介護のリアル
「今朝出勤しようとしたら、父が“便漏れ”しちゃって大騒ぎ! リビングのソファーや壁まで汚れて大変だったよ。そろそろ在宅介護は限界かも……」
「ウチの義母、毎日のように『財布を盗まれた』って言うんだよね。私が犯人にされてるし、もうウンザリ」
「最近、母の認知症が進んだみたい。『家事お願いします』って毎日電話がきてさぁ……。私のこと、完全にヘルパーさんだと思ってる」
これらは、親の介護をしている友人らの言葉。共通しているのは、介護をしながら更年期の真っ只中にいるということです。
私自身も体のだるさが長らく続き、「もしかして更年期?」と思い始めた数年前、遠方に住んでいる義母に、ちょっとした違和感を覚えるようになりました。そこから遠距離介護を経て、我が家の近くに引っ越して来てもらい、3年ほど前から身の回りのサポートをすることになったのです。
今振り返ると、おそらく最後の月経がきたのはその辺り。でも、そんなことを自覚できないほどバタバタの日常がスタートし、慣れない介護と更年期の疲労感に悩みながらも、何とか毎日を過ごしていました。
気晴らしに飲みにでも行きたいところでしたが、当時はコロナ禍で食事会などは概ね中止だった時期。でも、あるとき「オンライン飲み会」がきっかけで(冒頭で話した)友人たちとの交流が復活! 介護で大変なのは自分だけじゃない。「絶賛介護中」「介護経験アリ」の同志がいることを知るのです。
▶介護のイライラを救ってくれたのは
介護のイライラ、モヤモヤは「共感」だけで救われる!
そこから、彼女たちとは定期的に連絡を取り合うようになりました。LINEで愚痴を吐き出したり、使ってよかった介護用品を紹介しあったり、もちろん更年期の悩みを相談することも!
2年前、父がすい臓がんで余命3ヶ月との宣告を受け、その数ヶ月後に「別れの日」が訪れてしまったときも、どれだけ支えてもらったことか……。受け入れ難い現実と、それでもやってくる義母との日常。「お風呂に入らない」「デイサービス拒否」などにモヤモヤが募る中、“同志”の存在は本当にありがたいものでした。
また、今まで何となく躊躇していた「介護者の集い/地域包括支援センター主催」に参加したのもこの頃。初対面の相手でも、「介護」という共通点があることで距離は縮まり、地域ならではの有益な情報を得ることもでき、「参加してよかった」と実感します。
こうした交流を通じて気付いたのは、「ただ話すこと」の大切さ。たとえ解決方法が見つからなくても、「うんうん、分かる。そうだよね」と言ってもらえたら、もう十分!
もちろん具体的な悩みについては、その都度ケアマネージャーや介護ヘルパー(資格を持っている叔母も含め)、社会福祉士の方などに相談の上、アドバイスをもらっていました。その両方があることで、心と体のバランスを保っていられたような気がします。
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