更年期の不調は「あれも、これも」なので、どこまで何を訴えるのか、加減が難しい。問診票は丁寧に書いて | NewsCafe

更年期の不調は「あれも、これも」なので、どこまで何を訴えるのか、加減が難しい。問診票は丁寧に書いて

社会 ニュース
更年期の不調は「あれも、これも」なので、どこまで何を訴えるのか、加減が難しい。問診票は丁寧に書いて

「お会いするだけで更年期の沈んだ気持ちが前を向く」「楽しくお話して、気づいたら心にわだかまっていた重いものが消えていました」とファンも多数の産婦人科医・小川真里子先生。現在は福島県立医科大学での診察と併せて、週に一度、東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで更年期外来もお持ちです。

長年に渡って女性特有のトラブルに向き合ってきた小川先生に、更年期時期の女性へのメッセージをいただきます。今回は「更年期症状で婦人科を受診するときの心構え」について。(

【女性の身体、思春期から更年期までby小川真里子先生】

漠然とした不調が中心の更年期症状は、言葉にして伝えるのが難しいこともある。どうすればいい?

‐‐更年期症状は、熱が何度というような確たる異常でなはなく、漠然とした不調が多く、皆さんこうした症状の伝え方を練習したことがないと思うのです。たとえばつらい順に3つくらい話すことを決めておいたほうがいい?

それは医師の問診に任せていいかなと思います。そのためにも問診票には本音を書いていただけると確実です。私はまず「いつ頃からどんな症状がありましたか」とお聞きするのですが、たとえば「2月頃から体がほてるようになって、その少し前から夜中に目が覚めるようになって」というふうに話される方が多いです。

ただ、女性が「更年期障害だ」と感じて訴える症状と、実際に更年期障害と診断される症状の間にズレがあることが結構あります。なので、医師に症状を説明している途中で「それは更年期じゃないよ」と言われてしまうこともあるのだと思います。それを途中で口にしてしまう医師の側にも問題があり、そもそも医師も患者も更年期症状についての教育が十分ではないのも課題です。

‐‐言い出しにくい症状については、問診票も活用してうまく書いておくほうが、よりよい治療につながるのは間違いないですね。

そうですね。最近は更年期症状評価尺度を記入していただいているのですが、そこに腟の症状があると書いてくださる方は結構いらっしゃいます。また、尿漏れや頻尿で悩んでいる方も非常に多いです。頻尿、尿漏れ、性欲低下といったこともご相談いただけるといいなと思います。

日本ではさまざまな更年期症状の問診票が使われています。中には、項目に肩こりが入っているのに性欲低下が入っていないものもあります。実際には性欲低下で悩んでいる方は結構いらっしゃいます。リストに当てはまらないなら更年期として受診してはならないわけでは決してありません。

‐‐性欲低下というのは、たとえば「夫は行為をしたいけれど自分はしたくない」という悩みなのでしょうか。

それもありますし、海外では割と一般的なのですが、自分の性欲がなくなることで女性としてのアイデンティティが失われるように感じる、という悩みです。日本では同じように感じていたとしても、そうしたことを口にするのはとても恥ずかしいと思い、なかなか言えずに悩んでいる方が多いようです。

海外ではテストステロン療法などが行われますが、残念ながら今の日本では今のところ有効な治療法があるわけではありません。相談を受けたら、「同じように悩んでいる方は他にもたくさんいらっしゃいますよ」とお伝えするようにしています。

どうしてもたくさん、あれもこれも悩みを話してしまうけれど、嫌がられているのでしょうか?

‐‐なるほど、そうしたことを相談するきっかけとして、メモを作成してお渡しするのはとってもよさそうです。

皆さんが更年期障害でどう苦労しているかを、問診票、あるいはメモに書いていただいて、こちらから切り出す形にしていただいても構いません。詳細なメモを用意される方もいらっしゃいますが、十分に準備していても、医師との相性の問題もありますので、そんなに頑張らなくていいと思うのです。

そうでなくてもつらいから受診するわけで、そんな中にメモを作るのも大変だと思いますので、可能な範囲で大丈夫です。ただ、飲んだことがある薬だけは書いてきてもらえると嬉しいです。

‐‐切り出しやすいホットフラッシュのような症状は、最初に話される方が多いと聞きます。実際はどうですか。

そうですね。典型的な更年期障害の症状として言いやすいので、ホットフラッシュのことを最初におっしゃる方は多いです。いっぽう、つらすぎてメモを作る余裕もない、息も絶え絶え、というような患者さんもいらっしゃいます。取り乱すというより、放心状態のような感じの方も多いですね。

特に私は大学病院での診察が主ですので、専門外来を調べてたどりつく、比較的重たいケースも多い印象です。10人に1人くらいはそういう状態の方がいらっしゃると思います。

いっぽうで「自分が今どの段階にいるのか知りたい」「私は更年期に入ったのでしょうか」という入り口でいらっしゃる方ももちろんいます。本当にいろいろな方がいらっしゃいます。こんなことでかかっていいのか、と思わず受診していただければいいと思います

‐‐私自身は堰を切ったようにわーっと話してしまうのですが、淡々と話される方のほうが多いのでしょうか。

中には話が止まらずたくさんお話になる方もいらっしゃいます。あまり更年期と関係なさそうな話になって、ウンウンと聞きながら「この話はどこに繋がるのかな」と思いつつ、10分くらい経ってから「あ、ここに繋がるのか」と納得するなんてこともあります。

私はこうした話を伺うことも治療の一環と考えていますが、いっぽうで更年期の患者さんはお話が長いと感じている医師も多いと思います。最近の研究では、産婦人科医対象の調査での共通した悩みとして「更年期障害の診療は時間がかかる」というのが出ていました。それでも、そこは気にせず、言いたいことは言った方がいいと思います。

つづき>>>更年期のクリニック受診、やっておくといいのは「何をいちばん治してほしいか」自分の気持ちを整理すること

お話/小川真里子先生

福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授

1995年福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学病院での研修を経て、医学博士取得。2007年より東京歯科大学市川総合病院産婦人科勤務、2015年より同准教授。2022年より福島県立医科大学 特任教授。日本女性医学学会ヘルスケア専門医、指導医、理事。日本女性心身医学会 認定医師・理事。日本心身医学会 心身医療専門医・代議員。2025年11月から福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授。東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで、毎週金曜午前に完全予約制の更年期・PMS外来もお持ちです。


《OTONA SALONE》

特集

page top