人口減少は「出産意欲の低下」から | NewsCafe

人口減少は「出産意欲の低下」から

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若い夫婦に待望の赤ちゃんが生まれたのでお祝いのメールを送ったら「10月30日生まれでないのが残念」との冗談めいた返信が来た。

世界人口基金によると10月31日で世界の人口は70億人。この日に生まれた全ての赤ちゃんを「70億番目の赤ちゃんとして祝福する」という。
統計学的に推論すると10月31日に生まれた赤ちゃんは世界で36万人。日本で3000人だ。人口No.1は中国=13億5000万人余。No.2はインド=12億4000万人余で、No.3はなんとアメリカで3億1000万人余らしい。日本の人口は1億2535万人=世界でNo.10。世界人口基金は2050年には世界の人口は93億人となり、現在人口10位の日本は16位に下落すると予測している。まさに日本は「人口減の時代」に入るのだ。

先日、総務省は国勢調査の確定結果を「2010年10月1日の日本の人口は1億2535万人。5年間で37万人余り減少している。日本人と外国人を分けて統計を取り始めた1970年以降で初めての減少で、外国人を加えた日本の総人口は1億2805万人余でわずかに増えている。総人口ではわずかに女性の方が多く、65才以上が23%で世界No1の高齢化率」と発表した。まさに「人口減・少子高齢化時代」がやってきた。

さらに国立社会保障・問題研究所の平成22年の出生動向基本調査によると「夫婦が生涯にもうける子供の数は1.96人」。これは調査を始めた1940年以来で初めて2.0を割っており、子供のいない夫婦は全体の6.4%だという。現実には1.96人と言う頭数はないから、実際の一人っ子は30%近い。

更に興味深いのは、過去5年間に結婚した初婚の夫婦では「出会ったときの年齢は夫が25.6才、妻が24.3才」。結婚を決めた理由は、妻の結婚年齢が25才以上の夫婦では「適当な年頃だから」という理由が50%を越え、妻の結婚年齢が25才未満の夫婦では「子供が出来てしまったから」が50%を超えた。夫婦が理想とする子供の数は2.07人と言うデータがある。つまり、若い夫婦では「出来ちゃった婚」がことのほか多いということが分かる。

現実の出産数との乖離の背後には、経済的な問題があるようだ。
識者は「婚活市場で見ると20才代の市場では男性一人に女性20人が群がり・30才代の市場では女性一人に男性30人が群がる」と冗談めいた話をしていた。

いずれにしろ、今の日本の状況では「結婚」と「子育て」が必ずしも結びつくわけではない。少子化問題解決には、女性が安心して出産・子育てが出来る環境作り必要不可欠だ。経済面のサポートしかり、国レベルの対応が急がれる。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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