日本経済新聞社と日経BPが運営するWebメディア「日経クロスウーマン」は2025年12月12日、2025年版「共働き子育てしやすい街ランキング」を公表した。総合編では、前年39位から大幅に順位を伸ばし、「品川区(東京都)」が初の総合1位となった。2位には「福生市(東京都)」と「松戸市(千葉県)」が同点でランクインした。 共働き子育てしやすい街ランキングは、日本経済新聞社と日経クロスウーマンが共同で実施する「自治体の子育て支援制度に関する調査」の結果をもとにランキング化したもの。調査は、共働き子育てを巡る現状と課題を明らかにする目的で2015年から毎年実施しており、今年で11回目を迎える。調査対象は首都圏、中京圏、関西圏の主要市区と全国の政令指定都市、道府県庁所在地など計180の自治体で、159自治体から得た回答を集計し、順位を算出した。 調査は、保育所や病児保育、放課後児童クラブの利用のしやすさをはじめ、保育料無償化や手続きのICT化、学童保育での食事提供、また「朝の小学生の居場所対策」など、共働き子育て世帯の利便性向上に資する取組みを評価項目としている。また自治体内のダイバーシティ推進状況として、役所の女性管理職比率や男性職員の育児休業取得率なども加味した。 初の総合編1位となった「品川区」では、2022年12月に森澤恭子氏が初の女性区長に当選して以降、子育て支援を重要施策の1つに掲げ、予算の重点化や施設整備などに積極的に取り組んでいる。保護者連絡のICTシステム導入や産後ドゥーラ利用料の補助、オンライン助産師相談の開始、0歳児家庭を対象とした「見守りおむつ定期便」など、乳幼児期の支援が充実している。 朝の小学生の居場所確保策として、区内小学校の一部を午前7時30分から開校するだけでなく、物価高への対策として、朝食をとらずに登校した児童へのパンなどの無償提供や、すまいるスクールでの昼食提供、2025年夏には小1~高3相当年齢の子1人につき2kgのお米を無償配布するなど、日常の「食の支援」も強化されている。小中学校の学用品無償化、中学校の修学旅行や制服の無償化、さらに、医療系・理工農系の学部に進学する区内在住者を対象とした給付型奨学金の創設など、将来の学びを支える制度も整備され、幅広い年代に切れ目なく支援する姿勢が特徴となっている。 総合2位には福生市、松戸市が続いた。福生市は3~5歳児の保育所給食費無償化や全保育所での医療的ケア児受け入れ体制の整備などが評価された。松戸市は地域子育て拠点に市認定の子育てコーディネーターを配置し、一時預かり保育を実施するなど保育インフラ充実に取り組んでいる。 ランキングの詳細は、日本経済新聞(電子版、2025年12月12日付朝刊)および、日経クロスウーマンに掲載されている。◆共働き子育てしやすい街ランキング2025 総合編TOP101位:品川区(東京都)2位:福生市(東京都)・松戸市(千葉県)4位:宇都宮市(栃木県)・神戸市(兵庫県)6位:豊橋市(愛知県)7位:北九州市(福岡県)・札幌市(北海道)・豊田市(愛知県)・奈良市(奈良県)