【万博レポ】個人的1位は「ハンガリー館」!いつ行っても必ず聞ける美しい民族音楽、美しすぎるお食事、そして何より! | NewsCafe

【万博レポ】個人的1位は「ハンガリー館」!いつ行っても必ず聞ける美しい民族音楽、美しすぎるお食事、そして何より!

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【万博レポ】個人的1位は「ハンガリー館」!いつ行っても必ず聞ける美しい民族音楽、美しすぎるお食事、そして何より!

いよいよラストの大阪万博。「見逃したくない」パビリオンについて、改めてご紹介します。

この記事では、他にないショウをみんなが大絶賛するハンガリーパビリオンについて。まずはハンガリーの概要から!

オーストリア、スロバキア、ルーマニアなどと国境を接するハンガリー。国土は日本の約1/4、人口は約960万人(2022年、中央統計局)、約84%をハンガリー(マジャル)人が占めます。豊かな平原地域で、古代から多様な民族が住んでいましたが、前1世紀にはローマ帝国のパンノニア属州となりました。4世紀にはフン族が侵入してローマ人を駆逐しましたが、アッティラの死後にフン族は分裂します。

9世紀末にウラル山脈周辺を起源とするマジャル人がカルパチア盆地へ移住。1000年にはイシュトヴァーン1世が戴冠し、ハンガリー王国が成立、以降中欧の強国として発展しましたが、16世紀にはオスマン帝国とハプスブルク帝国の狭間で戦乱の地となり、国土は三分割されました。

WW1を経てオーストリア=ハンガリー帝国が崩壊し、1918年にハンガリー民主共和国が成立。1920年のトリアノン条約で国土は大幅に縮小し、現在の姿に近づきました。WW2中はナチス・ドイツの影響下に置かれ、戦後はソ連の衛星国として社会主義体制が続きましたが、1989年の民主化でハンガリー第三共和国が成立し、現在のハンガリーへとつながっています。

ハンガリーと日本には「意外な共通点」がありました!

左・ナジ フランツィシュカさん(ハンガリー館コミュニケーションディレクター) 右・コロンツァイ バーバラさん(同館通訳)

「私たちハンガリー人には蒙古斑があるんですよ」と、案内してくださったバーバラさん。

「せっかくの日本での万博ですから、ハンガリーと日本の類似点を探しました。じつは私たちはアジアがルーツ。遊牧民で、8~9世紀にヨーロッパに移動しました。蒙古斑のほか、名前も姓・名の順で書きますし、住所表記も県・市・番地の順。類似点がとてもたくさんあるのです」(以下カッコ内はバーバラさん)

そんなハンガリー館のテーマは「民族音楽」。

「この万博の全体テーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』ですが、私たちは過去があっての未来だと考え、伝統文化をテーマに選びました。ハンガリーパビリオンに入ると、毎日いつ来場しても生の民族音楽が聞こえます。日本で言う民謡を私たちはとても大事にしています」

すずらんの香り、ガラスアート、そして「一緒に歌うこと」

入館し、廊下を進むと、その先のほの暗い空間に白いガラスアートが浮かび上がります。

この空間を包むのは歌に合わせてデザインされたスズランを基調とするすっきりとした甘さの香り。

これから聴かせていただく民謡のタイトルを見つけました。「春の風」という歌はハンガリー人ならだれでも歌える、「さくら さくら」のような存在だそう。

この廊下を抜け、民謡のために設計されたホールに入場します。

中央に純白の民族衣装を着た女性が立っています。簡単な挨拶に続き、彼女がひとりで朗々と歌い始めます。

ハンガリーと日本は民謡にも共通点があります。ハンガリーの民謡は5音階、5つの音で成立しており、半音がありません。これはお琴や沖縄民謡も同様です。

日本人も歌いやすいメロディですので、最後には「一緒に歌いましょう」という声がけが。実際、歌えるので驚きますからお楽しみに。

「私たちは絆をとても大事にしています。みんなで歌うことが天国への玄関と考えますから、そうした音楽の大切さを踏まえて、生の歌声が美しく響くよう、音響効果をとても大切にしてこのホールを設計しました。ハンガリーでは国立劇場のホールの音響設計を担当した人が手掛けています」

ハンガリーは音楽教育にも特徴があります。20世紀前半、ハンガリーの作曲家で教育者のゾルターン・コダーイが提唱した 「コダーイ・メソッド」 は、子どもが自国の音楽を自然に身につけられるよう工夫された教育法。地域の高齢者から伝承歌を採譜し、編曲したハンガリー各地の民謡を子どもがちが歌います。ハンガリーの合唱曲は日本のコンクールでも広く歌われますが、こんな背景があったのですね。

コダーイ・メソッドでは ドレミの音階を示すハンドサインが活用されるそうです。指揮者が手で階名を示すと、子どもたちはその通りに音程を理解して歌えるため、仮に楽譜が読めなくてもみんながいっしょに歌えるとのこと。小さなころから歌とともに育ち、絆をはぐくむ姿が目に浮かぶようです。

このあと出口までの間にハンガリー各地のみどころを圧巻のクオリティで流す美しいビジョンも設置されています。そこにも多数映し出されますが、ハンガリーの民族衣装は実は「赤」なのだそう。日本の1/4の国土ながら民族衣装のバリエーションはじつに豊富、似たものが「ひとつもない」ほどで、この地方のこの村ならば髪飾りはこれ、未婚はこちら既婚はこちら、スカートはどれを重ねる、エプロンはこの地方と細かく決まっていると言います。一例が下の写真、ブタペストの春祭りです。

Shutterstock/BUDAPEST,HUNGARY, 09 APRIL 2016

「今回の歌い手の純白の衣装は、この万博のコンセプトに合わせてハンガリーでいちばん有名なデザイナーが特別にデザインしなおしたもので、とても好評ですから会期後もどこかで展示ができたらいいなと思っています。ハンガリーの伝統模様をすべて白で表顔した、肌の露出のないエレガントなデザインはぜひご覧いただきたいです」

つづき>>>さらに、ハンガリー館といえば!このハンガリーグルメ「ミシュカ」のメニューを見て!!


《OTONA SALONE》

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