文化庁の「国語に関する世論調査」結果によると、74.8%がSNSを利用していることが明らかになった。一方、SNSの普及は社会での言葉の使い方に影響があると89.3%が回答しており、特に言葉の使い方に気を使う人は80.9%に達している。 文化庁国語課は、2025年1月14日から3月4日にかけて、日本人の国語に関する意識を調査した。調査方法としては郵送による回答を採用し、調査対象は全国の16歳以上6,000人。そのうち3,498人(58.3%)から有効な回答が得られた。 言葉の使い方に気を使っている人がどのように気を使うか聞いたところ、「改まった場でふさわしい言葉遣いをする」が82.3%でもっとも高く、続いて「敬語を適切に使う」が70.1%、「差別や嫌がらせと受け取られかねない発言をしない」が66.0%であった。調査は年齢別の結果も示し、70歳以上では若い世代に比べて割合が低い傾向が見られた。 SNS利用については、年齢に応じて利用率が異なり、40代以下では9割台に達し、60代で約7割、70歳以上では約4割にとどまる。SNSを通じた一対一のメッセージ送信や、不特定多数に向けた投稿についても調査されており、その利用のメリットやデメリットが浮き彫りにされた。 情報が本当かどうか判断しにくいという点では、SNS上で不特定多数に向けたコメントの試みに戸惑いを感じる人が多く、51.1%がその割合を示している。これはまた、投稿ややり取りが面倒に感じることがあるとの回答と比べても28.2%にとどまる結果となっている。 この調査結果は、SNSが現代社会における言葉の使い方に大きな影響を与えていることを示しており、これからの教育分野にも多くの示唆を与えているといえる。