東京都教育委員会は2025年6月12日、「児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口」の相談実績を公開した。2024年度に寄せられた相談は1,033件で、前年度より22件増加したことがわかった。小学校では減少したものの、中学校・高等学校で増加していた。 東京都教育委員会では、2022年度より弁護士を相談員とする「児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口」を設置。電話・メールのほか、相談シートを都内の全公立学校に配布し、郵送やQRコードで相談を受け付けるなど、早期発見や未然防止、迅速・的確な対応に向けた取組みを行っている。 今回、2024年度の第三者相談窓口の相談実績を公表。2024年度に寄せられた相談は、電話・メール96件、相談シート937件の合計1,033件であり、前年度(2023年度)より22件増加したことがわかった。 校種・手段別でみると、小学校では電話・メール36件、相談シート637件で、計673件(前年度比33件減)。中学校では電話・メール24件、相談シート228件で、計252件(同57件増)、義務教育学校で電話・メール0件、相談シート4件で、計4件(同4件減)。高等学校では電話・メール18件、相談シート51件で計69件(16件増)、特別支援学校で電話・メール2件、相談シート6件で、計8件(同8件減)。その他が電話・メール16件、相談シート11件で27件(同6件減)だった。 内容の内訳は、都内公立学校の教職員に関する相談(650件)がもっとも多く、児童・生徒同士のトラブル等が疑われる相談(263件)、都内公立学校以外の相談や意見(83件)、家庭のトラブルが疑われる相談(37件)と続いた。 都内公立学校の教職員に関する相談のうち、教職員による性暴力等が疑われる相談は43件。そのうち、事実が認められたものは2件だった。また、事実が認められなかったものが21件、事実確認が困難であったもの10件、調査を継続しているものが10件であった。 東京都教育委員会は、受け付けた相談は、区市町村教育委員会や学校経営支援センターを通じて事実確認を行い、事実が認められた場合は指導や注意喚起を行うほか、重大な非違があった場合には服務事故として対処する。 事実が認められなかったものでも、誤解を招く行動をしないよう注意喚起を実施。加害者や相談者が特定できないなど、事実の確認が困難であった場合については、区市町村教育委員会に情報を提供し、児童生徒の動向を注視していくとした。また、都内公立学校以外に関する相談は、適宜、関係機関に情報提供するなどして対応を依頼するとしている。