日々が飛ぶように過ぎていくなか、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのように横たわる五里霧中ですが、そんななか「ほんのちょっとしたトライ」で自分のあり方を捉えなおすには、「最初の一歩」に何をしてみればいいのでしょうか。
ライター野添ちかこがオトナサローネ読者にインタビューを行い、リアルな女性の人生をお届けする本シリーズ。今回は、中学校教師のイトナさんが、キャリアチェンジを果たすため、資格取得に動き始めたお話をご紹介します。
◾️イトナさん
47歳の中学校教師、東京都在住。中学3年、小学2年、幼稚園年長の男の子3人の子育て中。夫は40歳。
【私を変える小さなトライ】
35歳で始めたホットヨガ、気づけば12年続いていた
私は中学校の教師をしています。現在47歳で、3人の息子の母でもあります(中3・小2・年長)。毎日、朝から晩までフル稼働。平日は夕方5時半〜6時ごろに退勤し、そのまま夕食作り、そして夜9時前には末っ子の寝かしつけ。とにかく、息つく間もない日々です。
40代後半ともなると、子育てがひと段落してキャリアに打ち込む年代……のはずですが、私は41歳で三男を出産したため、まだまだ真っ只中。「もうちょっと、自分の時間がほしいな」と、ないものねだりを感じる毎日です。
そんな私の“逃げ場”になっているのが、ホットヨガ。長男が3歳のとき、妊活の一環で始めてから、もう12年になります。始めた当初は2人目がなかなか授からず、気分転換になればと思っていたのですが、想像以上に楽しく、長く続けることになりました。
ヨガは、頭の先から足の甲まで汗をかくリセットタイム
ホットヨガとは、室温35〜39ほどの暖かい室内で行うヨガで、ふつうのヨガよりもたっぷり汗がかけるのが特徴です。行くまでは「疲れてるし今日はやめようかな」と迷っても、終わったあとは毎回「行ってよかった!」と実感します。汗をかくので全身がスッキリして、心まで軽くなる。私にとって、なくてはならない時間です。
教員の仕事は体力勝負。若い頃は運動部の顧問も担当していましたが、結婚・出産を経て、土日の部活に割く余裕はなくなりました。今は文化部を週2回ほど担当するのみ。それでも毎日ヘトヘトで、休日はヨガに行く気力すらないこともあります。
家事の時短にもいろいろトライしました。「レンチンするだけの作り置き定期便」なども試しましたが、子どもの口に合わなかったり、好みじゃなかったり……。結局、男の子3人の食欲に応えるには「味付け肉を焼く」のが一番手っ取り早い(笑)。時間があれば魚も焼き、サラダも超時短で準備。平日の料理時間はおおよそ20分。疲れすぎた日は、出前を頼むこともあります。
40代に入り、「このままでいいのか」と自問するように
40代前半を過ぎた頃から、「この先どうしよう」と漠然とした不安を抱くようになりました。教師として真面目にやってきたけれど、「この仕事を定年まで続けるのか?」と自問する日々。どこかに「やりきった感」もあり、50代、60代を見据えたとき、「違う働き方もあるんじゃないか」と考え始めたのです。
そうして46歳のとき、私は一つの行動を起こしました。それは「小学校教諭免許」の取得に挑戦すること。今は小学校でも英語の授業があるので、これまで(中学校教師)の経験を生かせるし、通信制なら半年ほどで取得可能。3年以上の教職経験があれば、単位の一部が免除されるのも魅力でした。
そして、もう一つ心に浮かんだのが……。
これまでの教師人生とはまったく違う分野、ヨガの資格でした。
本編では、3児の母でありながら多忙な教師生活を送るイトナさんが、人生の選択肢を広げようと資格取得に向けて動き始めたお話をお届けしました。
▶▶子育てと仕事を両立するママの気持ちに寄り添うヨガインストラクターをめざしたい
では、オンライン講座を受講しながら少しずつ夢に近づいていく姿をお届けします。