なかなか進路が決まらないと焦る10代へ…公認心理師が教える“3つの考え方” | NewsCafe

なかなか進路が決まらないと焦る10代へ…公認心理師が教える“3つの考え方”

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 そろそろ進路を決める時期なのにやりたいことがハッキリ決まっておらず、「将来の夢がないのは自分だけ?」と焦っている受験生もいるのではないだろうか。公認心理師の栗本顕氏は、「“決まっていない”ということは、無限の可能性が開かれているということ。正解を出そうと焦る必要はありません」という。

 進路に悩んだときに試したい「3つの考え方」や、日常でできる選択の練習法について栗本氏の著書『10代のうちに知っておきたい心の守り方』(かんき出版)より紹介する。※本稿は、『10代のうちに知っておきたい心の守り方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

将来の夢が見つからないのは私だけ?

実際にカウンセリングで聞いたエピソード
 昼休みの教室は、とある話題でもちきりだった。それは―、「将来の夢」。4時間目の授業の最後に、担任の先生から進路アンケートが配られたからだ。



「私、将来は先生になりたいんだよね」

「いいね! 私はデザイナーかな」

「私はね~、化粧品メーカーで化粧品の研究をするのが夢なの」

「え、すご! じゃあ理系? ってこと?」



 突如クラスメイトの「夢」が明かされる。

 みんな当たり前みたいに、将来の話をしているけれど―。

 私は、配られた白紙のアンケート用紙を見下ろした。夢なんて、ない。やりたいことも、特別好きなことも、思いつかない。

 小学生のときは「アイドルになりたい」って密かに考えていたりもしたけど、推していたアイドルグループが解散してからはすっかり熱が冷めてしまった。ただ憧れていただけで、先生の言う「将来の夢」とはちょっとちがったんだと思う。興味があるものが変わっていくから、やりたいことだってその時々で変わっていく。

 それが普通だと思っていたのに、みんなが意外と将来のことを考えてるってわかって、勝手にちょっと裏切られた気持ちになる。



「マオは何になりたいの?」



 軽い声で聞かれて、言葉に詰まる。



「え? あ~……どうなんだろうね」



 自分のことなのに、あいまいな返事しかできなかった。

 新学期の始めに、先生から「進路」という言葉が出たときにもっと真剣に考えておくべきだったのかもしれない。でも、選ぶ材料が何もない。将来の自分を想像しようとしても、靄がかかったみたいにぼんやりしている。みんなみたいに、キラキラした夢を描けない。

 大人になってもやりたいことって、何?やりたいことがないって、おかしいのかな?



進路に悩むのは当たり前
 進路、悩みますよね。

 「このままで良いのか」
 「自分の進路は間違っていないだろうか」
 「将来に希望はあるのか」

 こうした問いは、あなたが大人に近づいているからこそ、繰り返し心に浮かんでくるものです。

 思春期は、「自分はどんな人間なのか」「どんな生き方をしたいのか」を考えることが増える一方で、まだそれほど人生の経験がありません。経験値が少なければ、答えが見つからないのも当たり前のことです。

 たとえば、「一生に一度しか頼めない料理を、今すぐ選んでください」と言われて答えられるでしょうか? 少なくとも、私は答えられないと思います。なぜなら、まだ世の中には知らない料理がたくさんあるから。どんな味なのか、どうやって作るのか、どこへ行けば食べられるのかも、知らなければ選べません。

 あなたの状況も、まさにこれと同じ状態です。今のあなたは、まだ世の中にどんな職業や生き方があるのかを知りません。気になる職業があっても、どうすればなれるのか具体的なルートがわかりません。そもそも、聞いたこともないような仕事が世界にはたくさんあったりします。知らないから、選べない。ただそれだけのことです。

 でも、まわりから「進路のことちゃんと考えてるの?」「将来の夢はあるの?」と言われると、不安が大きくなり、ぐるぐると考えてしまいます。

進路が決まらないときの3つの考え方
 「決まっていない」ということは、無限の可能性が開かれているとも言えます。あなたの将来は、あなたのこれからの選択によって常に、そして何度でも変わっていきます。答えが出ないときは「まだそのときじゃない」と思っておけばOK。

 進路希望調査は、いちど出したら人生が決まる“契約書”ではありません。

 私の友人にも、中学生時代はイラストレーターを目指していたけれど、大学時代に福祉に興味を持ったことをきっかけに、今は介護の現場で活躍している人がいます。

 人生は何が起こるか本当にわかりません。

 進路がまだ決まっていないときは、次の考え方で乗り切ってみましょう。

1.「仮決め」と割り切る
 今の時点で「少し興味がある」程度のものを、仮の目的地として書けばじゅうぶんです。

2.「消去法」で選ぶ
 「これだけはイヤだ」というものを除き、残った中から選ぶのも立派な決め方です。

3.「迷っている」とそのまま書く
 正直に「迷っている」と書くことで、新しい選択肢を教えてもらえることもあります。



 進路の悩みは、すぐに答えが出るものではありません。正解を書こうと焦らなくて大丈夫。というか、正解なんてないのです。考えることが苦しくなったら、「期限をつける」こともおすすめです。

 「このテーマについて考えるのは今日の30分だけ」
 「次に考えるのは来週の土曜日」

 など、時間を区切ることで頭の中がずっと進路のことでいっぱいになるのを防げます。

自分で決める練習をする
 進路選択はとても大きな決断です。いきなり「今あなたの人生を選べ」と言われているようなもの。正直、急にそんなこと言われても、自信をもって判断するのは難しいですよね。

 では、こんな選択だったらどうでしょうか?

今日の勉強は英語から始めるか、数学から始めるか
今日は何を着ていくか
部活のあと、先に宿題をするか、休憩してからやるか
休み時間にだれと過ごすか
どのタイミングでお風呂に入るか
何時に寝るか

 人間は、1日に2~3万回以上も「決断」しているそうです。ひとつひとつは小さいですが、ぜんぶ立派な「決断」です。でも、その小さな決断をだれかに任せていませんか? なんとなくで決めていませんか?

 日常のちょっとした選択を、自分で決める練習をしておきましょう。日ごろから自分で決める練習をしておくと、その積み重ねが大きな決断をするときの自信になります。


<著者プロフィール>
栗本顕(くりもとあきら)
 1991年千葉県生まれ。 公認心理師、いじめ撲滅委員会代表。いじめ不登校自殺防止コンサルタント会代表。メンタルヘルス総合サポート株式会社代表取締役。大学院在学中からいじめ支援活動を開始。小中学生~社会人までを対象に、これまで5万件以上のカウンセリングを行う。学校や企業へのカウンセラーの派遣、サポート、指導も行い、秀明大学や大竹栄養専門学校などで非常勤講師を務めるほか、教育現場での講演、SNS相談、コンサルテーション、執筆など多方面に活動。実践と理論を融合したアプローチで、多くの子どもや教育関係者を支援している。2026年度よりメンタルヘルス総合サポート株式会社を設立し、代表取締役として教育や産業の現場で心理支援を行っている。本書がはじめての著作となる。
《編集部》

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