
閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。
※ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです
※写真はイメージです
【100人の更年期#145】
◆ハルミさん 52歳 夫と2人の娘との4人暮らし。福祉関係の職場に勤務して30年。40代後半から動悸や発汗が始まり、現在は頭皮のかゆみや手首・足首のこわばりなどにも悩む日々
母の更年期を見て「自分はどうなってしまうんだろう」と不安に
現在52歳のハルミさんが初めて更年期を強く意識したのは、30代後半のことでした。もうすぐ40代になる現実を前に、「これから自分の体はどうなってしまうのだろう」という漠然とした不安に襲われ、更年期に関する本を読み漁るようになりました。その不安の背景には、母の記憶がありました。
「私が19〜20歳のころ、母は精神的にひどく荒れていました。昼夜問わず、突然ヒステリックに怒り出すんです。子ども心になぜ怒っているのか分からず『お母さんは、ちょっとおかしい』と思っていました」
数年後、落ち着きを取り戻した母から聞いたのは「あの時のイライラは更年期の影響だった」という事実。ハルミさんは、このとき初めて更年期の存在を知りました。
「更年期の頃の母は、冬でも暑がっていたのに足は氷のように冷え切っていて、こたつの中で私の足に自分の足を絡めて温めていました。実は、婦人科へ通院して治療していたことを後で知りました。血のつながった母がそれほど苦しんだのなら、私も同じようになるのではないかと、ずっと不安を抱えていました」
40歳。昇進と同時に子宮頸がんの疑いが!
不安を抱えながら迎えた40歳のある日。ハルミさんは、職場で昇進が決まりました。これまで以上に気合を入れて頑張る気持ちを新たにした矢先、人間ドックで子宮頸(けい)がんと大腸がんの疑いが出てしまいました。
「若い頃から生理痛は重かったですが、周期は一定でしたし、これまで婦人科系の病気になったことはなかったので、本当に驚きました。すぐに精密検査をした結果、大腸は内痔(肛門の内側にできる痔)による出血と分かり、肛門科で薬を処方してもらうことで事なきを得ました。子宮頸がんは、ウイルスを保菌していて症状が出ていない状態だったので、それから毎年定期検診を受けています。今のところ発症はしていません」
その後、42歳の年から順調だった生理周期が不順になり始め、ときには数カ月来ないこともありましたが、それを除けば更年期と思えるような病気に悩まされることはなく、日々を過ごしていました。
48歳。会議中に襲った「心臓が口から出そう」な動悸
「このまま、更年期障害とは無縁でいられるかもしれない」
そう思っていたハルミさん。ところが、48歳を境に、さまざまな症状に襲われるようになりました。最初の異変は、会議中に始まった動悸でした。
「突然、心臓が口から飛び出しそうなくらいの勢いで激しく打ち始め、同時に気持ち悪くなってしまいました。会議で発表する立場だったので緊張のせいかと思いましたが、なんか違う。しばらくすると治まったものの、いつどこで再発するか分からない怖さが、このときから始まりました。同時に、甲状腺の病気か心臓の疾患かもしれないと不安になりました」
ハルミさんは福祉関係の職場で働いていることから、職場には医療の知識を持った人がたくさんいます。職場で相談したところ「自律神経の乱れでは?」とアドバイスを受け、内科を受診。医師から「自律神経失調症」と診断されました。
「医師からは、とにかく寝るように言われ、軽い睡眠導入剤を処方してもらいました。それを飲んでしっかり睡眠をとると、しばらくは動悸を感じることがなくなりました」
しかし、動悸が落ち着いたのも束の間、翌年の49歳には、再び会議中に新たな症状が始まります。
「冬の寒い時期であるにもかかわらず、自分だけが猛烈に暑くなり、頭皮に汗をかき始め、こめかみのあたりからじわじわと大量の汗が噴き出しました」
そうです。更年期の症状とされるホットフラッシュが始まったのです。
本編では、更年期で苦しんだ母の姿を見て育ったハルミさんが、48歳を境に動悸などの症状に見舞われ、更年期を強く意識するようになった体験をお伝えしました。
▶▶味覚も皮膚も変わってしまった…。何を食べても苦い、頭皮も猛烈にかゆい。そんな私が始めた職場での「更年期宣言」とは
では、50代に入って次々と現れた症状と、それでも前向きに仕事を続けるために始めたセルフケアや周囲との向き合い方についてお届けします。




