未就学児の腸内細菌、睡眠や情緒との関連を確認…金沢工業大・三重大 | NewsCafe

未就学児の腸内細菌、睡眠や情緒との関連を確認…金沢工業大・三重大

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腸内細菌と子供の成長・行動特性の関連を調べる研究
 三重大学と金沢工業大学の研究チームは2026年7月21日、日本の未就学児の腸内細菌と成長・行動特性との関係を調べた研究成果を発表した。便に含まれるDNAを解析した結果、睡眠や注意力、情緒などと関連する腸内細菌や代謝機能の候補を確認。腸内細菌と子供のこころの発達をつなぐ仕組みの解明につながる成果として期待される。

 幼児期は、脳や身体、行動、生活リズムが大きく発達する時期であると同時に、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)も形成されていく。近年は、腸内細菌がつくる物質などを介して腸と脳が相互に影響し合う「腸脳相関」が注目されている。一方、日本の一般的な未就学児を対象に、腸内細菌の種類だけでなく代謝機能まで含めて、成長やさまざまな行動特性との関係を調べた研究は少なかった。

 研究では、国内の未就学児36人(平均月齢48.0か月、男児20人、女児16人)が参加した。保護者が自宅で採取した便から腸内細菌のDNA(16S rRNA遺伝子)を解析し、年齢や身長、体重との関係を調査。さらに、保護者回答式の国際的な評価指標「Child Behavior Checklist for Ages 1½–5(CBCL 1½–5)」を用いて、情緒的反応や不安・抑うつ、睡眠の問題などを評価し、腸内細菌との関係を分析した。

 その結果、年齢や体格による腸内細菌の変化が確認されたほか、睡眠、注意、情緒、社会的引きこもり、身体的訴え、攻撃性といった行動特性に関連する腸内細菌や代謝機能の候補が見つかった。たとえば、不安・抑うつでは炎症や腸のバリア機能に関わる可能性のある細菌、睡眠の問題ではメチル基代謝やヘム生合成、注意の問題では糖鎖利用や細菌の細胞表面成分、攻撃的な行動ではヘム生合成やRNA処理に関わる代謝経路との関連が示された。

 研究チームは、今回の成果は今後の大規模研究や長期追跡研究につながる重要な手がかりになるとしている。一方で、今回の研究だけでは腸内細菌が行動特性に影響したのか、それとも行動や生活習慣が腸内細菌に影響したのかは明らかではない。そのため、今後はより多くの子供を対象に、食事や生活環境も含めて長期間調査する必要があるとしている。将来的には、食事や生活習慣によって腸内環境を整えることが、子供の睡眠や情緒、注意力の発達を支える可能性についても検証していくとしている。

 本研究は、松田おやつタウン財団の一部助成を受けて実施。研究成果は科学誌「Scientific Reports」に掲載された。
《吹野准》

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