宿題以外の家庭学習をしない子供が、この11年で10ポイント前後増え、全体の半数ほどを占めていることが、ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査2025」からわかった。宿題以外の学習時間は、家庭の社会経済的地位(SES)による差が大きく、この11年でその差は拡大しているという。 ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所が、2014年に立ちあげた共同研究プロジェクト「子どもの生活と学び」の一環として実施。「子どもの生活と学びに関する親子調査2025」は2025年7月~9月、全国の小学1年生~高校3年生とその保護者(小学1~3年生は保護者のみ回答)を対象にWeb調査で実施した。 宿題以外の学習をしない「家庭学習0分層」は、小学1~3年生42.4%、小学4~6年生42.7%、中学生40.9%、高校生51.4%。2015年と比較すると、この11年で小学1~3年生は6.0ポイント、小学4~6年生は10.8ポイント、中学生は12.0ポイント、高校生は11.9ポイント増加。全体の4~5割を占める状況となっている。 今回の調査では、家庭の社会的・経済的・文化的な豊かさを表す指標「社会経済的地位(SES:Socio-Economic Status)」として、保護者の学歴・職業・世帯年収をもとにSESを作成。各層が25%ずつになるように、L層(Lowest層)、LM層(Lower Middle層)、UM層(Upper Middle層)、H層(Highest層)の4つに分類した。 このSES別に学校外の学習時間の違いをみると、宿題以外の家庭学習時間は特にSESがもっとも低いL層ともっとも高いH層で大きな差があった。さらにこの11年でその差は拡大していた。 また、宿題以外の学習をしない「家庭学習0分層」は、成績が低いほど、また、SESが低い層ほど多く出現していた。さらに勉強が好きかどうか、学ぶ目的が明確かどうか、学習の自己調整をするかどうかとも「家庭学習0分層」の割合は関連していることも明らかになった。「勉強が嫌い」「学習目的がわからない」「学習の自己調整をしない」という子供に「家庭学習0分層」は多く出現していた。 調査結果を受けて、ベネッセ教育総合研究所は「家庭学習0分層は一部の子供に限られた存在ではなく、学校外の学びのあり方を考えるうえで無視できない層となっている」と指摘。「宿題以外の家庭学習をまったく行わない子供が増えていることは、子供たちが自ら学ぶ経験を通して、意欲や目的意識、学びを調整する力を育む機会が十分に得られていない可能性を示している」と解説している。