
こんにちは、心理学者の内藤誼人です。私たちの生きる社会とは私たち個々人の主観で構成されており、心の動きと社会は切り離して考えることのできない表裏一体の存在です。働く女性の皆さんに、仕事、家庭、自分時間の3つの視点から、「知っておくと人生がスムーズに動き出す」心理学の知恵をお伝えします。
1回目の連載では心理学の面から、論文も引用しながら「更年期世代がダイエットに失敗する理由と成功するたった一つの心得」を解説したところ、とても好評だったと教えていただきました。
続いて編集部からいただいた悩みは「やらないとならないことは山積みなのに、どうしてもやる気が出ない」。わかります、これも私が普段からとってもよく相談を受けるお悩みです。
【心理学者が教える「8割がんばらない」生き方】#2
「仕事でクタクタだけど、家事もせねば」…そんなときにやるべきことは「さらにウォーキング!?」
クローゼットのお片付けをするつもりだったのに、昼間の仕事で疲れきってしまい、何もする気が起きないということはよくあります。お風呂掃除をするつもりだったのに、予想以上に仕事が忙しく、もうクタクタで何もしたくないと感じることもあるでしょう。
こういう状態のときに、どうすればやる気を回復できるのでしょうか。もし私がこういう相談を受けたとしたら、次のようなアドバイスをするでしょう。
「そうですね、では自宅に戻った早々で申しわけないのですが、今から2キロくらいウォーキングしてきてください。そうすればやる気が戻りますよ」。
「えっ!?」と目をぱちくりさせてしまうかもしれませんが、アドバイス自体は間違いではありません。ヘロヘロの状態でようやく自宅にたどり着いたというのに、どうしてさらに苦しいことをしなければならないのか、と思うかもしれませんね。しかし、その発想がすでに間違えているのです。
「疲れているので、自宅に着いた瞬間にソファやベッドに倒れ込む」のはダメなのです。「疲れているときこそ、逆に運動しなければならない」のが正解なのです。
私たちの感じる疲れというものは、何もせずに横になっていても回復しません。むしろ身体を動かしたほうが早く回復するのです。
「疲れたからソファに横になる」ことが「間違い」と断言できるこれだけの理由
英国サリー大学のジョン・ルークは、石油会社やIT企業の社員46名(平均35歳)にお願いして、7日間、毎晩どれくらい疲労を感じるのか、またどんなことをするとやる気が復活するのかの記録をとってもらいました。
その結果、仕事が終わった後に自分の好きなスポーツなどをした日のほうが、気分がスッキリし、活力ややる気も元通りになることがわかったのです。
自宅でソファに横になっていても、疲れはとれません。「疲れたな」と思うのなら、まずは近くの公園までお散歩に行きましょう。仕事が終わっている時間帯ということで考えるともうすでに夕方以降でしょうから、そんなに日焼けの心配もせずにすみます。
公園のウォーキングコースをしばらくトコトコと歩いていると、あら不思議、先ほどまでの疲れはいつの間にか消えていることを実感できますよ。
プロのスポーツ選手は、激しい練習をした後、必ずクールダウンとして、さらに身体を動かします。練習が終わったからと言ってその場で倒れ込んだりしません。軽くジョギングしたり、ストレッチをしたりしたほうが、疲れも抜けるのが早いからです。
疲れたときには、ちょっとだけ身体を動かしましょう。ウォーキングでもいいですし、水泳でも、ジョギングでもかまいません。「アクティブレスト」(積極的休憩)という言葉があり、軽い運動をしたほうが気分も爽快になり、疲労回復も早くできるものなのです。
つづき>>>「本当にそれでやる気が出るの?」確実かつ手っ取り早い2つの方法があまりに簡単すぎて「本当かよ」と思ってしまう件




