1950年代、戒厳令下の台湾。白色テロにより反政府分子として捕らえられた兄が台北で処刑されたと知った少女・阿月(アグエー)は、故郷の嘉義から、なけなしの金と兄の形見の時計を手に、遺体を引き取るため一人台北へ向かう。しかし遺体を引き取るには高額な手数料が必要。怪しい男に騙され、遊郭に売り飛ばされそうになった彼女を救ったのは人力車の車夫・趙公道(ザオ・ゴンダオ)。
中国・広東出身の公道は、国民党軍の元軍人として台湾に渡って以来、故郷へ帰ることもかなわず、その日暮らしの生活を送っている。白色テロで軍の仲間を喪い、人生に行き場を見いだせずにいた彼は、阿月の想いに心を動かされ、手を差し伸べることを決意する――。
本作は、台湾映画界最高峰の映画賞「第62回金馬奨」で最多11部門ノミネート、最優秀作品賞・最優秀脚本賞・最優秀美術賞・最優秀衣装デザイン賞の4部門を受賞。台湾国内での興行収入は約5億円を突破し、現在も記録を更新中。舞台は、戦後間もない1950年代の台湾。白色テロによって命を奪われた兄の遺体を探す少女と、同じく時代の犠牲となり仲間を喪った広東出身の元軍人の青年が出会い、互いに寄り添い未来へと強く歩み出していく物語。
また、人力車の車夫として働く趙公道と、その背にそっと手を添える阿月の姿が切り取られたポスタービジュアルが到着。深い霧の中、背景に浮かび上がるのは兄の面影。「進む。ただ、未来へ。」というキャッチコピーが、先の見えない時代のなか、それでも前へ進もうとする二人の姿を印象的に浮かび上がらせている。
あわせて公開された予告編は、白色テロの犠牲となり亡くなった兄の遺体を探すため、台北へやってきた阿月の姿から幕を開ける。遺体を引き取る金もなく途方に暮れる彼女は、趙公道と出会い次第に心を通わせていく。しかしある日、趙公道に危険な仕事が持ちかけられる。時代の大きなうねりのなかで翻弄されていく二人の運命が、緊迫感あふれる映像で描き出される。
映像ラストには、兄・阿雲が阿月に語りかける場面が映し出され、その言葉に呼応するように、ある物語が語られていく。「そのお話の名前は?」問いを残したままタイトルが浮かび上がり、深い余韻を残す。
『霧のごとく』は5月8日(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、Strangerほか全国にて順次公開。












