
元衆議院議員で現在はコメンテーターとして活躍中の金子恵美さんは現在47歳。10歳になる男の子を育てながら働く女性の一人として、リアルボイスを取材しました。
日本初の女性総理大臣の誕生について、などかためな話題から、育児や家族などプライベートなこと、さらに年齢とともに感じ始めたご自身の不調に至るまで、40代女性のリアルを包み隠さず話してくれました。短期集中連載でお届けします。
結婚し、翌年出産したその日に夫の女性問題が発覚
腹立たしさを感じた時ほど、私は冷静になろうと心がけるようにしています。とはいえ、さすがにタイミング的にちょっと…。臨月の頃に夫が女性と会っていたことを週刊誌にすっぱ抜かれると出産当日の深夜打ち明けられました。女性として裏切られたショックももちろんありましたが、それ以上に腹立たしかったのは、当時夫は男性国会議員初の「育休」宣言で注目を集めていたので。
――当時離婚を選択せず、許せた理由はなんだと思いますか?
「人は誰しもが完璧じゃない」というのが私はベースにあるので、ルーズな面があってそれによって失敗することだってあるだろう。ただダメな面ばかりじゃなくて宮崎に対しては元々政治家としてのリスペクトの気持ちがあったのと、それまでに宮崎が私にしてくれた数々のこと、幸せな思い出を天秤にかけたらそのこと自体は私にとっては「許されること」でした。
--日々の暮らしの中で、簡単には許しがたいほどに腹立たしいことが起こった際に、どのようにご自身の中で消化していらっしゃるのか、「気持ちの折り合いのつけ方」についておしえてください。
怒りに怒りで返すのではなく、まずは相手の話を聞くことが大事。相手が私に対して怒っているときもそうですね。相手の怒りに対して、怒りで返すのは逆効果なので、そういうときほど相手の話をよく聞くようにします。
あと、テクニカルな話だと、相手が怒っているときは、自分は声のトーンを下げるようにします。政治家時代に「女性=キャンキャンいうもの」という扱いをされていたからこそ、できるだけ冷静に声のトーンを下げて対応するようにしていますね。
言いたいことがあっても、まずは相手の言い分を聞く。感情的にならず、できるだけ穏やかに対応する。夫婦関係の場合は、そこに「ケンカは絶対に日をまたがない」というルールも追加されます。気分が悪いまま朝起きるのってイヤじゃないですか。
――ご主人への不満が出たときはどうしていますか?
まずは、なるべく早く伝えることが大切。怒りって、時間が経てば経つほど増長されるんです。なので、怒りの芽はなるべく早くつんだ方がいい。メールでもいいので、思ったことをすぐに送るようにしています。溜め込むと爆発したとき大きくなりますから。私は言葉より、文章にして伝える派ですね。
▶夫の深酒をとがめない「放牧スタイル」とは?
自由を愛する夫のことは「柵の中で放牧」しています

――金子さんと夫の宮崎謙介さんは、おしどり夫婦としても有名です。夫婦仲を保つコツはありますか?
我が家の場合、どんなに忙しくても朝ごはんは家族でとるようにしています。夫が料理担当なのですが、飲みに行って帰宅が午前2時になっても、必ず朝は起きてごはんを作り、息子と3人で一緒に食べます。
――深酒をとがめたりはしないんですか?
あまりしませんね。基本は自由にさせています。ただ手綱はつけていますが(笑)。「ある程度広さのある柵の中で放牧させている」状態ですかね。柵の中では自由だけれど、柵を越えようとするとグイッと引っ張るっていう。あんまり束縛されると人は逃げ出したくなってしまうじゃないですか(笑)
――うっかり柵を越えそうになるのを防止する策があったりするんですか?
これはもはやネタですが、夫が泊まりで出張に行く時に持っていく下着は、私の写真がプリントされたものを持たせているんです。1枚は私の顔がいっぱい、もう1枚は私たちの結婚式の写真がプリントされているもの。出張先でそんなパンツが出てきたら何もできないですよね(笑)。
――金子さんご夫婦のお話は、楽しそうにすら聞こえます。
夫婦関係については、心の中でウジウジ思っているよりは、やり合ったほうが気持ちいいですよね。私は思うことがあればストレートに言うようにしています。それもできるだけカラッと伝える。もちろん、それぞれの夫婦の関係にもよると思いますが。
夫婦といっても元は他人。育ってきた環境も違う別人格です。違っていて当然だし、言わないと伝わりませんから。
【PROFILE】
金子恵美
1978年生まれ。新潟県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、新潟放送勤務を経て、政治の道へ。村長だった父に憧れ、2007年に新潟市議会議員選挙に立候補し当選。その後、新潟県議会議員を経て2012年に衆議院議員に初当選。2015年に同じく衆議院議員だった宮崎謙介さんと結婚を発表し、翌年男児を出産。2016年には総務大臣政務官に就任。10年間の議員生活を経て、現在は政治評論家、コメンテーター、企業顧問を中心に活躍中。
撮影/中村彰男




