千葉工業大学は、Microsoftが開発中の戦略思考型AIシステム「Amplifier」を国内大学として初めて教育カリキュラムに導入し、2026年4月より総合科学特論「web3/AI概論」第4期を開講する。AIが自律的にタスクを遂行する「AIエージェント」との協働を中核テーマに据え、学生と社会人の混合チームで社会課題解決に取り組む次世代人材を育成する。 第4期目の「web3/AI概論」は、AIエージェントとの協働を中心に据えた新たなカリキュラムとなる。本講座の科目責任者は学長でもあり変革センターの所長でもある伊藤穰一氏が務める。開講は2026年4月16日、募集は1月30日より開始している。 2026年はAIエージェントが本格実装される年と言われている。ChatGPTやClaudeなどの生成AIが広く普及した今、次の段階として、AIが自律的にタスクを遂行し、複雑な問題解決を支援する「AIエージェント」の実装が本格化している。AIエージェントの普及が進めば、インフラの整備はもちろん、音楽・画像・動画などクリエイティブのあり方、Webとの接し方、専門職をはじめとした仕事のあり方、そして教育のあり方が根底から変わると予測されている。 こうした時代の変化を見据え、4年間の実績をもつ講座「web3/AI概論」は、新たなフェーズへと進化する。受講生は、AIエージェントのメカニズムを深く理解したうえで、自分専用のAIエージェントを開発することも視野に入れながら、4月から7月まで毎週2時間、計13回の講義に取り組む。 第4期の最大の特徴は、「AIエージェント」を講座の中核テーマに初めて据えたこと。生成AIが「質問に答える」存在だとすれば、AIエージェントは「自律的にタスクを遂行する」存在だ。情報収集、分析、企画立案、コード生成、検証といった一連のプロセスを、人間と協働しながら進めることができる。 これまでの3年間で培ってきたプロジェクトベース学習のノウハウを生かしながら、AIエージェントを「使われる側」ではなく「使いこなす側」の人材を育成する。AIエージェントを単なるツールとしてではなく、企画・設計・分析の各段階における「協働するパートナー」として位置づけ、共に思考し、創造する開発スタイルを身に付けることを目指す。 講座で使用する技術・ツールは、Microsoftが開発中の実験的メタ認知AI開発システム「Amplifier」。Amplifierは、知識生成や並列探索を支援し、AIエージェントがより高度な思考プロセスを実行できるようにするための基盤技術だ。本講座では、このAmplifierを国内の大学として初めて教育カリキュラムに導入し、受講生がAIエージェントのメカニズムを理解し、自ら設計・活用できるスキルを習得する。 また、「バイブコーディング」の実践を通じて、AIエージェントと共にプロセスを進めながら協働する開発スタイルを身に付ける。さらに、Claude Code、ChatGPT、Geminiなどの生成AIを組み合わせ、企画から検証までを効率的に推進する。これまでの講座で培ったノウハウを生かし、生成AIとAIエージェントを適切に使い分けるスキルを養う。 バイブコーディングとは、専門的な記述をAIに委ね、人間は「本質的な問い」に集中する開発手法だ。千葉工大では2025年度にいち早く導入し、初心者がわずか3か月でプロダクトを完成させる教育モデルを確立している。 バイブコーディングの導入により、開講時に17.6%だったプロダクト作成経験者は、わずか3か月で45.6%へと約2.6倍に急増。「言葉がそのまま形になる」体験が技術の壁を取り払い、未経験者の6割以上を「作り手」へと変貌させた。また、一過性の課題制作にとどまらず「継続的に複数回プロダクトを作成した」受講生が3倍以上(5.9%から18.4%)に増加。バイブコーディングが単なるツールを超え、日常的な「開発習慣」を形成したことが示唆された。さらに、技術力への自信が46.3%、Web3/AIへの理解が44.5%向上しており、受講生の大半が「自信がない」状態から、自律的に技術を操れる中級者レベルへと飛躍的な成長を遂げたという。 このようにバイブコーディングによって思考のスピードを落とさずに実装できるようになった結果、2025年度の1講座だけで75種類ものプロダクトが誕生。講座内で開発したサービスで実際に資金を調達する受講生を輩出したほか、東京都主催のハッカソンではファイナリストに選出。さらに学内向けアプリケーションをローンチし、実際に利用される事例も誕生するなど、実社会での成果にも直結している。 2026年度は、この「バイブコーディング」が生み出した爆発的な創造力を、AIエージェントという新たな翼でさらに加速させ、AIエージェントと共に、より複雑で大規模な社会課題の解決に挑む。講座は、従来型の一方向的な講義形式ではなく、「反転授業」と「プロジェクトベース学習(PBL)」を組み合わせた先進的な教育手法を採用している。基礎となる講義内容はUdacityやASU(アリゾナ州立大学)の教材を活用し、自宅で事前学習を行う。授業時間は、インタビュー結果の共有、アイデア検討、プロトタイプ改善、プレゼンテーションなど、実践的なアウトプットを中心に進め、限られた対面時間を最大限に活用し、深い学びを実現する。 受講生は、社会人と在学生が混在するチームを組成し、実際の社会課題に向き合う。課題の発見から分析、設計、開発、検証までを協働して進め、最終的には発表可能な水準のプロトタイプを完成させる。多様なバックグラウンドをもつメンバーとの協働は、実社会で求められるチームワークスキルの獲得にも直結する。また、ブロックチェーンやNFT、スマートコントラクトなどのweb3技術を活用したコミュニティ活動とゲーミフィケーションを導入しており、受講生は先端技術の活用シーンを体感しながら学習を進めることができる。 本講座は、「理解」→「実践」→「発表」の3フェーズで構成されている。前半の第1~4回では、AIエージェント時代の開発プロセスとして、AIエージェント活用の全体像、課題発見と問いの深掘り、価値仮説づくり、GitHub協働基礎を学ぶ。中盤の第5~10回では、ユースケース分析とイテレーションとして、創造性と学び方、ユースケース事例研究(4回)、中間発表、インタビュー準備・実践を行う。後半の第11~13回では、仕上げと最終プレゼンテーションとして、ピッチデッキ作成、プロトタイプ・スライド仕上げ、最終発表会を実施する。 受講期間は2026年4月16日から7月16日まで、毎週木曜日午後3時~5時(2時間)、計13回開講される。形式はオンライン(反転授業形式)で、一部対面セッションあり。単位は取得可能(2単位)で、定員は300名。 受講対象は、AIやweb3に興味のある千葉工業大学の学部生・大学院生、他大学の学生、社会人(出願資格に該当する人に限る)。出願資格は、2026年3月31日までに18歳に達する人で、高校(中等教育学校を含む)を卒業した人または2026年3月卒業見込みの人、または同大において、高校卒業者と同等以上の学力があると認められた人。 必要な環境として、PC・Macなどを有すること(iPadやタブレットのみは不可)。また各種ツール(discord、metamask、manaba、google drive、ChatGPT、webexなど)にアクセスができることが条件となる。 受講申込みは、3月25日まで。ID登録(出願予約)後、3月26日以降にメールで出願手続きの詳細が案内される。出願情報送付は4月3日まで。選考・選考結果発表は4月3日~14日、受講手続きは4月6日~14日、授業開始は4月16日からとなっている。◆総合科学特論「web3/AI概論」開講時期:2026年4月16日(木)~7月16日(木)全13回曜日・時間:毎週木曜日15:00~17:00(2時間)形式:オンライン(反転授業形式)※一部対面セッションあり単位:取得可能(2単位)定員:300名おもな学習内容:AIエージェント活用、バイブコーディング、プロジェクト開発、web3技術使用ツール:Amplifier、Cursor、Replit、v0、Discord、GitHubなど受講対象:AIやweb3に興味のある以下の人・千葉工業大学の学部生・大学院生・他大学の学生・社会人(出願資格に該当する人に限る)出願資格:2026年3月31日までに18歳に達する人で、次のいずれかに該当すること・高校(中等教育学校を含む)卒業者または2026年3月卒業見込みの人・同大において、高校を卒業した者と同等以上の学力があると認められた人必要な環境:・各種ツール(discord、metamask、manaba、google drive、ChatGPT、webexなど)にアクセスができること・PCやMacなどを有する人(ipadやタブレットのみは不可)