東京工科大のスパコン「青嵐」世界ランキング入り…AI人材育成を加速 | NewsCafe

東京工科大のスパコン「青嵐」世界ランキング入り…AI人材育成を加速

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スーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」
  • スーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」
  • 世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」
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 東京工科大学は2025年11月19日、同大が保有するスーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」が、世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500(2025年11月版)」で世界第374位にランクインしたと発表した。国内の私立大学として唯一のランクインとなる。

 「青嵐」は同ランキングで世界第374位、国内では38位を獲得。さらに、実際のアプリケーション性能を評価するHPCGランキングでは世界第83位(国内22位)に入り、その計算能力が高く評価された。

 この「青嵐」は、NVIDIA社の最新GPU「DGX B200」を12ノードで構成した高性能GPUスーパーコンピュータで、実測値として3.3ペタフロップス(PFLOPS)の計算性能を達成している。1ペタフロップスは1秒間に1,000兆回の計算を行う能力を示すため、「青嵐」は1秒間に3,300兆回もの計算を実行できることになる。この性能により、AIモデルの学習、シミュレーション、画像解析、流体解析、生成AIなど、大規模なデータ処理を要する研究分野を強力に支援するという。

 東京工科大学は、AI研究・教育・社会実装を統合的に推進する基盤として2025年に「青嵐」を導入。運用を担うAIテクノロジーセンターでは、ICT部門長の生野壮一郎教授(コンピュータサイエンス学部)を中心に開発・管理が進められている。

 大学では「青嵐」を活用し、(1)生成AI・AI倫理・Explainable AI(XAI)の研究、(2)デジタルツインによる都市・産業シミュレーション、(3)高等学校や企業向けのAI教育・人材育成プログラム、(4)医療・工学・デザイン分野におけるAI応用研究など、多様な取組みを展開していく。

 また、米国フロリダ大学のAI Academic Initiative Center(UF AI² Center)との学術協定(MoU)や企業との連携も進み、AIとHPC(高性能計算)の融合領域で発展を続けている。今後は、AIとスーパーコンピューティングを組み合わせた新たな科学的発見の創出と、全国的なAI人材育成モデル大学の実現を目指すとしている。

 さらに、「青嵐」の運用開始を記念し、12月11日には八王子キャンパスで記念シンポジウムを開催予定で、ソニーグループのチーフテクノロジーフェローである北野宏明氏らを招く計画だ。

◆スーパーコンピュータ「青嵐」運用開始記念シンポジウム
日時:2025年12月11日(木) 14:00~16:30
会場:東京工科大学 八王子キャンパス 片柳研究所棟
参加費:無料
アクセス:八王子駅からスクールバス 約10分/八王子みなみ野駅からスクールバス 約5分
申込締切:2025年12月8日(月)
申込方法:Webフォームより申し込む
《吹野准》

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