
こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#26
◀前回の記事◀◀「暴言や愚痴ばかり」で気が滅入る!怒りっぽかった認知症の義母が別人のように毎日ご機嫌になった、意外なきっかけとは
▶友人が「あなた認知症でしょ?」
友人に「あなた、認知症でしょ」と言われたとき、義母は?

3年ほど前、脳神経外科にて「認知症」(軽度~中等度)という診断を受けたお義母さん。現在は、我が家の近くにある<サービス付き高齢者向け住宅>(サ高住/食堂付き)で暮らしています。
ここ数ヶ月の困り事は、日中は眠って夜に行動する「昼夜逆転」生活が続いていること。日中はカーテンを閉め切り、食事以外はほとんど寝ているよう。逆に夜中は元気になるのか、「今日は天気が悪いみたいね~」と電話をかけてきたり、部屋の大掃除や衣替えを始めたり、時には暗がりの中ふらふらと食堂へ行き、施設の夜勤スタッフに連れ戻されたこともありました。
しかし、介護保険のサービスで朝の介助(移動介助・服薬確認介助)を入れるなど、規則正しい生活をすることで徐々に改善! 「ようやく落ち着いた」と安堵したのも束の間、再び “カーテン閉め切り生活”に突入してしまいます。
きっかけは、おそらく友人との電話。お義母さんは定期的に地元の友人(Aさん)に連絡を取っているのですが、つい先日、「もうAちゃんには二度と連絡しない!」と激怒。聞けば、「私に『最近、何を言ってるかよく分からない。あなた、認知症でしょ』って! ホントに失礼な人」とのこと(もちろん、お義母さんは自分が認知症だという自覚はありません)。
それにしても、認知症のお義母さんに、「認知症でしょ」って……(汗)。ということは、そういう配慮が難しいAさんも? いずれにしても、この日を境にお義母さんは日中もカーテンを閉め切り、部屋の電気は暗いまま食事以外は自室に引きこもるようになりました。
週末、夫がお義母さんの様子を見に行くと、状況は一切変わらず。かろうじて起きてはいるものの、ベッドに座ってぼんやりしており、昼夜の区別はつかない様子だったとか。数日後にはデイサービスや通院も控えているため、できればリカバリーしたいところです。
そこで、これらの様子をケアマネさんに相談。すると、「お義母さまは人に迷惑をかけることを嫌がるので、『デイサービスの車が迎えに来ているよ』『病院に行かないと、お医者さんが心配するよ』などと言えば、外出するのでは?」といったアドバイスがありました。
▶認知症でも”負の感情”は忘れない!?
「否定された」「責められた」“負の感情”は忘れないって本当?

デイサービスの日はこの声かけで何とか出かけてくれましたが、案の定、身支度は一向に進まず、動くのは口ばかり。「Aちゃんは本当に酷い人。しかも自慢話が多い」と愚痴が止まりません。ちょっと驚いたのは、Aさんとの電話から数日が過ぎているのに、いまだにその話をしていること。夫の見解は、「すぐに忘れるよ」だったのですが、その読みは完全に外れているようです。
そのとき私はふと、介護ヘルパーの資格を持つ叔母に聞いた「記憶」にまつわる話を思い出します。「認知症になると、物忘れなどの記憶障害が起こることがある。ただ、知識や情報は忘れてしまっても、感情は記憶に残りやすい」というもので、特に否定されたり責められたりといった負の感情は、時間が経過しても覚えていることが多いという内容でした。
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