国立大学への寄付金額ランキング、東大が推定100億円で1位 | NewsCafe

国立大学への寄付金額ランキング、東大が推定100億円で1位

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 国公立大学への寄附金は、東京大学が推定100億円で1位となったことが、Webメディア「大学パワーランキング」の国内の国立大学における寄附金ランキングより明らかになった。

 ポップコーンは、Webメディア「大学パワーランキング」にて、2025年4月から7月にかけて、国立大学86校について各大学の2022年度財務諸表と文科省資料を用いて寄附金受入額を算出し、大学の財務戦略や社会連携の実態を可視化した。ただし、医学部病院収入などは除外している。

 1位の東京大学は、創立150周年キャンペーン「UTokyo NEXT150」を機に寄附募集を加速させ、2022年度の寄附金受入総額は推定100億円に達した。2023年度には東京大学基金への寄附だけで54億円を集め、奨学金の充実や最先端研究・施設整備など、多岐にわたるプロジェクトを後押ししている。

 2位の京都大学は、創立125周年事業「未来基金」の効果で大型寄附が相次ぎ、2022年度も基金への寄附だけで67億円、総額は約95億円規模に到達した。iPS細胞研究など世界的に注目される研究分野や学生支援を重点配分の柱とし、伝統の「自由の学風」を資金面から強力に下支えしている。

 3位の大阪大学は、関西財界との強固なネットワークを背景に、医薬・化学系企業などから豊富な研究寄附を獲得。複数の基金を活用し、直近3年間で累計333億円を調達するなどファンドレイジングの勢いは全国屈指である。2022年度の寄附金収入は91億円にのぼり、奨学金や産学連携拠点の整備を通じて国際研究大学としてのプレゼンスを高めている。

 4位の東京科学大学は、2024年の統合構想に合わせて「東京科学大学基金」を新設し、寄附金が急増した。2022年度の寄附金受入額は89億円で、経常収益に占める寄附金比率は15.3%と国立大学トップクラス。半導体・AIなど理工系最先端分野の寄附講座が拡充され、世界水準の科学技術教育体制を築いている。

 5位の東北大学は、「東北大学基金」と震災復興寄附講座が二本柱となり、2022年度の寄附金受入額は約60億円に達した。2023年には国際卓越研究大学に指定され、さらなる資金調達の追い風が期待される。材料科学やスピントロニクス分野での企業連携が活発で、学生支援やスタートアップ育成にも寄附金が広く活用されている。

 6位の名古屋大学、7位の九州大学、8位の北海道大学、9位の筑波大学、10位の岡山大学は、それぞれ地域産業や卒業生ネットワークと強く結び付きながら、年間20~50億円規模の寄附金を安定的に確保している。名古屋大学はトヨタ系企業との協働、九州大学は地元エネルギー・食品産業との連携、北海道大学は150周年に向けた「北大フロンティア基金」キャンペーンなど、各大学が特色あるファンドレイジングを展開し、教育研究の基盤強化に寄与している。

 ポップコーンは今後も独自調査とオープンデータを組み合わせた学術・教育分野の調査レポートを継続的に発表し、日本国内の研究力可視化を推進していくという。
《風巻塔子》

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