キヤノンマーケティングジャパンの企業内起業「ichikara Lab(イチカララボ)」は、SMBC日興証券が主催する高等専門学校(以下「高専」)の学生向けイノベーションコンテスト「高専インカレチャレンジ第六弾」(以下「同チャレンジ」)にテーマオーナーとして参画した。最終選考会は2025年7月12日に開催され、高専生が企業のリアルな課題解決に挑み、社会実装に向けたアイデアを競った。 同チャレンジはSMBC日興証券が世界に通用するイノベーター人材を創出するエコシステムの構築を目指す取組みとして2021年より開催しており、全国の高専生が学科・学年・高専の垣根を越えてチームを組み、企業が提示するリアルな課題に挑戦する産学連携型のイベントである。2025年4月19日に開幕した同チャレンジは、過去最多となる35名の高専生が参加した。全国の異なる高専生が計11チームに分かれ、起業家を中心とする高専卒業のメンターから助言を受けながらアイデアを競い合った。ichikara Labからは実課題をもとにしたテーマ提示の他、より実践的に課題に取り組めるようキヤノン製ミニフォトプリンター「SELPHY CP1500」を配布し、希望チームにはソフトウェア開発キット(SDK)も提供した。 7月12日に開催された最終審査会では、プロトタイプ制作にも挑戦できる高専生ならではのスキルを活かした実演とプレゼンテーションが行われ、高レベルな提案が披露された。 審査の結果、最優秀賞には、「SELPHY CP1500」で出力した写真を手札にしていつでもどこでも思い出を共有しながら遊べる写真カードゲームのアイデアを提案したチームが選ばれた。水や汚れに強い用紙を使ってオリジナルカードを作成し、学校や家庭でかるたなどのゲームとして楽しめるもので、具体的なサービス内容まで落とし込んだ点が高く評価された。このアイデアは豊田高専、石川高専、沖縄高専の学生で構成されたチームの発案であった。 「SELPHY CP1500」はスマートフォンやパソコンなどから手軽に高画質な写真プリントを楽しむことができるコンパクトフォトプリンターである。Lサイズやポストカードサイズ、8分割シールなど、豊富な用紙サイズでプリントでき、写真の楽しみ方を広げる。高画質で豊かな色あいを再現できるほか、オーバーコート仕上げで水や汚れ、色あせなどから写真を守ることができる。 優秀賞には、カラオケを楽しみながら撮影された写真をプリントし、デコレーションできるサービスを提案した秋田高専、茨城高専、有明高専の学生で構成されたチームが選ばれた。10代の若者たちの推し活を楽しむ一環として、SNSにアップすることで思い出を形に残すことができるアイテムである点など、Z世代ならではの発想が特に評価された。 特別賞には、写真を撮影し線画を抽出して印刷することで、世界に1つだけの塗り絵を作成するサービスを提案した仙台高専、都城高専、沖縄高専の学生で構成されたチームが選ばれた。子供と一緒に塗り絵を楽しみながら思い出を振り返ることで、家族間での会話の創出や感性の育みを促進する独創的なアイデアが評価された。