皆さん、能登半島を訪れたことはありますか?世界農業遺産に認定された里山里海の絶景、豊かな歴史と文化、絶品グルメ、良質な温泉、温かな人々——そんな魅力がぎゅっと詰まったエリア。今はまだ地震や豪雨被害の爪痕が残っていますが、それでも能登は今も変わらず美しく輝いています。
今回、コロナ禍を機に能登と都心部での二拠点生活をしている筆者のお気に入りスポットや、地元の方に教えてもらった本当に美味しいお店などをご紹介します。
「能登に行くと心がす~っと解放されて、また足が向いてしまう」——私だけでなく、周りにもそんな「能登リピーター」がいます。心を包み込む里山の風景、素朴で温かい本物の食、勤勉ですばらしい職人魂を持ち自然体で優しい人々。
能登は単なる観光地を超えた、日本人の心の底にある原風景が息づく貴重な場所。ありのままの自分を取り戻し、心身がじんわりと浄化されていく感覚——それが能登の魔法なのかもしれません。
アクセスも、羽田空港から能登空港まで約1時間、金沢から車で2時間弱と実はさほど遠くないんです。観光編では、能登ならではの見て感じるスポットをご紹介。この夏、能登で心豊かなひとときを過ごしませんか?
※TOP/写真左:能登半島・内浦にある恋路海岸、右:したひら鮮魚店(宇出津)の刺盛り
※~の所在位置は、本記事のラストに掲載している地図上の番号をご参照ください。
【2025年 夏の能登 観光編】
太古の祈りが宿る、究極のパワースポット真脇遺跡 (能登町真脇)

聖地巡礼に来ていた青年が真ん中で寝転んで空を見ていました
映画化されたアニメ『君は放課後インソムニア』の聖地としても知られる真脇遺跡。縄文人が4000年もの間住み続けた、考古学的にもとても珍しい場所です。復元された木柱の中央に立ってみると、足元から何かじわ~と伝わってきて「ああ、これが本物のパワースポットなんだ」と実感しました。 敷地内にある縄文館では、縄文土器づくり体験も可能(要予約。野焼きは10月に行われます)。敷地内の温泉宿、真脇ポーレポーレで心身ともにリセットしても。

夜には満天の星を見ることができます
能登の海の豊かさとジンベエザメの神秘を感じる、のとじま水族館(七尾市能登島)

時間を忘れて見入ってしまう神秘的なジンベエザメ
震災被害を経て、今年の春、完全復活を遂げた【のとじま水族館】。ゆったりした雰囲気の中で生き物たちとの距離がとても近く、ほっこり癒されるスポット。最大の魅力は、日本でわずか4つの水族館でしか出会えないジンベエザメ!世界最大の魚が優雅に泳ぐ姿は圧巻です。また「のと海遊回廊」では幻想的な水槽に囲まれ、映し出されるプロジェクションマッピングによる光の海の生き物たちと一緒に、まるで海中散歩をしているような臨場感を楽しめます。 そして水族館への道のりも特別な体験。能登島に向かう1,050mの橋から見える海の景色が美しく、特に天気のいい日の朝夕がおすすめです。

海の一部になったような没入感が味わえる ©のとじま水族館
地震で大きく形を変えても不屈の存在感をもつ見附島 (珠洲市宝立町)

地震が起こる前の見附島

被災後もたくさんの鳥たちが拠り所にしている
神秘的な美しさを持つ能登の自然の象徴ともいえる見附島。その威風堂々とした高さ28メートルの岩礁が、海に突き出した特徴的なシルエットは、長崎の端島同様、軍艦に似た外観から「軍艦島」とも呼ばれ、多くの人に愛されてきました。現在は地震によって丸みを帯びた形になり、崩落の痛みを抱えながらも静かに立ち続け、大事なメッセージを送り続けてくれているようなパワーを感じます。公園内にはドッグランやきれいな芝生エリアもあり、筆者の愛犬もお気に入りです。
今、行ける奥能登国際芸術祭・常設展示作品 (珠洲市内各所)
珠洲市の美しい景観を生かし、3年に一度開催される国際芸術祭。世界各国のアーティストが珠洲の自然と文化に向き合い、その地域ならではの作品を展開してきました。そんな暮らしに溶け込む常設展示のうち、今、見られる作品が奥能登国際芸術祭の公式HPで案内されています。能登半島さいはての地で潮風を感じながら、心が静かに解放される芸術体験をしてみませんか。

うねる波のような石彫『風と波』。ぜひ現地で感じてほしい作品

旧鉄道の終着駅跡に置かれた『Something Else is Possible 』。線路の上を歩きながら楽しめるのも魅力 (撮影:共に岡村喜知郎)
能登の海と風を満喫できる キャンピングスポット ハマノ(珠洲市三崎町)
美しい青い海と芝生が織りなす絶景のロケーションを持つプライベート感あふれるキャンプ場。空気が澄んでいると3000m級の立山連峰まで見渡せます。 新築レベルの清潔なトイレ・お風呂・洗い場など、ホスピタリティも素晴らしいので初めてのキャンプにも。潮風と波の音に包まれながらの星空観察や海水浴、BBQなど、自然の中でゆったりと過ごしたい方におすすめです。

今まで行ったキャンプ場の中でNo.1という声も多い

夜には満天の星と潮風と共に焚火を満喫
見て感じる能登のおすすめスポット、いかがでしたか。その他にも、夏から秋にかけて能登各地で行われる伝統のキリコ祭りや花火大会、美しい海での海水浴、温泉、海岸沿いの絶景道路、美しい朝日や夕日が見られるスポットなど見どころがたくさん。
ぜひ今の能登を見て感じていただけたらと思います。宿泊予約もまだ取れるようです。ぜひ下記の情報サイト等でいろいろ調べてみてください。素晴らしい自然と美味しい食が満載の能登で、現地の皆さんが笑顔で待っています!
グルメ編では、本当に美味しいお店とお土産情報をお届けします。
前編でご紹介した場所はコチラ:
【MAP~】
真脇遺跡 縄文館 (能登町真脇)
TEL:0768-62-4800
のとじま水族館(七尾市能登島)
TEL:0767-84-1271
見附島/珠洲市役所観光交流課 (珠洲市宝立町)
TEL:0768-82-7776
奥能登国際芸術祭 実行委員会 (作品は珠洲市各所)
TEL:0768-82-7720
キャンピングスポット ハマノ(珠洲市三崎町)
TEL:0768-82-0526
参考:石川県観光公式サイト:
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「地元民のとっておき!能登のおいしいお店で、食べて飲んでパワーをもらう旅【2025年 夏の能登】」
取材・文/さいとう さくら