さんきゅう倉田です。東京大学の3年生です。
ぼくの周りで期待以上のパフォーマンスを見せるのは芸人だけである。
そして、遅滞なく瑕疵なく高い品質で仕事をしてくれそうなのが東大生だ。
東大生の記憶力と論理的思考力と情報処理能力があれば大抵の業務を効率的に素早く、高品質で実行できる。
それは大学のカリキュラム、グループワーク、試験の構造、日々のコミュニケーションから推定できるが、外部の人間が東大生の能力を知ることは難しい。
なんとなく「賢いな、すごいな」と思ってはいても、自分とどのくらい差があるのかは分からない。
東大生は常に過小評価に晒されているのだ。実際に軽んじられている友人に話を聞いた。
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過小評価された東大生の嘆き
友人のボヤキは止まらない。
「だから、書けって言ったんだ。就職のメリット・デメリット、大学院のメリット・デメリットを書いて、課題を細分化して一つずつ評価するなり解決するなりしろって。
何も調べずに適当に悩むなって。そもそも悩むなって言ったんだよ。
たいして情報を持っていない状態で悩んだって間違うだけだ。そもそも未熟な20代が考えることなんてほとんどすべて間違ってる。だから考えるな。悩むな。
どれだけ論理的思考力があっても情報を持っていなければ正解に辿りつけない。
考える前に調べろ。
『思ったんだけど、留学生は知らない人がきて喜ぶのかな』と言っていたが、思うな。
お前はその留学生の専門家か?俺よりそいつの情報を持ってて、なおかつ俺より考える力があるのか?ないなら、余計なことを考えるな。
お前のお母さんの送別会じゃないんだぞ。お母さんの送別会だったらお前に専門家としての意見を求めるだろう。でもそうじゃない。自分にできることだけをやればいいんだよ。
俺に意見する必要なんてないんだ。お前の考える力が野球を始めたばかりの5歳の少年だとしたら俺は大谷だ。5歳の少年が大谷に野球のアドバイスするか?お前がやっているのはそういうことなんだよ」
友人は悪気なく無意識に過小評価されていることに苛立っているようだった。
一般に、「東大生は(なんとなく)すごい」と思われていても、ステレオタイプや偏見によって揶揄されたり軽んじられたりしている。
さらに、そもそも能力を正当に評価されていない。正当に評価しているのは、東大受験をした人間と東大卒を多く採用している一部の企業だけである。
人の能力を測るというのはそれほどに難しいのだ。
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