高校生の進路決定において、もっとも影響力のある存在は「母親」であることが、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同調査で明らかになった。2018年から2024年まで3回の調査を通じて、約8割の生徒が母親の意見やアドバイスが進路決定に影響したと回答している。 同調査は「子どもの生活と学び」研究プロジェクトの一環として、2024年3~4月上旬に高校3年生(2024年3月時点)の調査モニターを対象に実施。Webでの回答方式で、717名から回答を得た(回収率52.3%)。2018年調査、2021年調査と比較して経年変化を分析している。 調査結果によると、人的影響力の順位は以下の通りである。進路決定に影響した人・情報(調査対象者全体)人の意見やアドバイス影響した人2018年2021年2024年母親77.076.679.3高校の先生68.768.869.1友だちや先輩50.850.551.9父親53.448.951.2塾や予備校の先生36.532.334.2きょうだい25.125.028.0進路に関する資料や情報の収集情報源2018年2021年2024年学校の情報(ホームページ・SNSなど)66.172.667.5学校のオープンキャンパス(オンラインを含む)62.857.365.4就職ガイドブック24.126.431.3会社説明会や職場の見学会(オンライン含む)21.824.328.1高校に来た求人票17.017.819.6注1 「とても影響した」+「まあ影響した」の%。 注2 項目は2024年の数値( 「とても影響した」+「まあ影響した」 )の降順に示した。 情報源としては、「学校のオープンキャンパス」の影響力が新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、65%以上の生徒が参考にしたと回答し、「就職ガイドブック」や「会社説明会・職場見学会」の影響力も増加傾向にあることが判明した。