現在公開中の映画『か「」く「」し「」ご「」と「』で、出口夏希とダブル主演を務めている奥平大兼。2020年の映画『MOTHER マザー』での鮮烈なデビュー以来、着実にキャリアを積み重ねてきた奥平だが、今作ではダブル主演という立ち位置でどのような存在感を見せたのか。本記事では、『か「」く「」し「」ご「」と「』での演技を軸に、彼の現在とこれからを考えてみたい。
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映画『か「」く「」し「」ご「」と「』は、“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”高校生の男女5人の純度100%の尊い日々を描く青春ラブストーリー。奥平が演じたのは、引っ込み思案で自分に自信の持てない主人公・大塚京。彼は、ヒロインではなくヒーローになりたいクラスの人気者の三木直子・通称ミッキー(出口)に思いを寄せ、彼女を遠くから見つめているという役どころだ。奥平は公式コメントの中で、撮影を通じて、「学生ならではの悩みもあれば人間関係の悩みなど、それぞれが普段僕たちが感じることがあるような、いろんなリアルな悩みを持っている5人のお話ですが、改めて言葉にしたり、行動で示したりする大切さを知ることができました」と語っている。
5月14日には、同作の完成披露イベントが行われ、奥平は撮影を振り返って、「自由に気楽にやっていたのが記憶に残っています。ミッキー(出口)の前だと自信がなくなっていくという部分は、自分も学生時代に特定の人に対して消極的になる経験があったので、その時を想像して演じました」と明かしている。同作を観たSNSユーザーからは、「奥平大兼くんは不器用で繊細な男性をやらせたらあの世代では右に出る者はいない」「ほんとに奥平さんの演技はすごかった!」「やっぱり奥平くん天才だわ大好き!心拍と表情の連動具合も話しかけられた時のちょっとした動揺まで天才」といった絶賛の声があがっており、奥平自身の経験を活かした自然体な演技が観る者の心に残ったことがうかがえる。
なお、奥平は5月30日に放送されたTBS系『A-Studio+』に出演した際に、『か「」く「」し「」ご「」と「』で共演したAぇ!group・佐野晶哉とのエピソードを明かしており、クランクインの日に意気投合したことで急速に親しくなり、毎日のように食事に行ったり、2人でドライブしたりしたことを明かしている。佐野は、奥平演じる京の親友の高崎博文・通称ヅカを演じたが、奥平と佐野の絆が作品にも落とし込まれたことで、よりリアリティのある演技を生み出したと言えそうだ。
繊細な演技を武器に、俳優として着実に表現の幅を広げている奥平。『か「」く「」し「」ご「」と「』はその現在地を映し出すと同時に、彼がこれから歩む未来の可能性を示唆する作品になったのではないだろうか。今後は、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を背景に、懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を壮大なスケールで描く映画『雪風 YUKIKAZE』(8月15日公開予定)への出演も決まっており、その活躍に注目だ。