「めおと日和」衣裳担当に聞いた裏設定「瀧昌(本田響矢)に少しでもかわいく見えたい」なつ美(芳根京子)の隠された恋心・原作リスペクトのこだわり【インタビュー】 | NewsCafe

「めおと日和」衣裳担当に聞いた裏設定「瀧昌(本田響矢)に少しでもかわいく見えたい」なつ美(芳根京子)の隠された恋心・原作リスペクトのこだわり【インタビュー】

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
芳根京子、本田響矢「波うららかに、めおと日和」(C)フジテレビ
【モデルプレス=2025/06/04】女優の芳根京子が主演を務め、俳優の本田響矢が共演するフジテレビ系木曜劇場「波うららかに、めおと日和」(毎週木曜よる10時~)。今回モデルプレスでは、劇中の衣裳を担当する酒見紗佳氏にインタビューし、ファッションのポイントやこだわり、衣裳に込められた想いを語ってもらった。

【写真】芳根京子&本田響矢の手繋ぎショット

◆芳根京子主演「波うららかに、めおと日和」

昭和11年を舞台に、交際ゼロ日婚からスタートする新婚夫婦を描いた同作は、漫画アプリ「コミックDAYS」にて連載中の西香はち氏による同名コミック(講談社刊)が原作。主人公・江端なつ美を芳根、なつ美の夫で帝国海軍に勤める瀧昌を本田が演じる。

まるで昭和にタイムスリップしたかのようなリアルな衣裳や装具はもちろん、原作そのままのファッションに「リアリティがすごい」「再現度高すぎる」と注目が集まっており、視聴者の楽しみの1つとなっている。今回はそんなスタイリングのこだわりや衣裳に込められた想いを聞いた。

◆「めおと日和」原作リスペクトのこだわり

― 昭和のファッションが新鮮で素敵です。衣裳を用意するにあたり、事前に勉強されたことや準備されたことがありましたら教えてください。

酒見:当時の歴史の本は何冊も読んで勉強しましたが、原作がある作品なので、できるだけ原作に寄せることを意識しました。コミックスの表紙以外は基本白黒なので、原作者である西香はち先生のSNSにアップされているカラーの画像などを参考にさせていただきました。

花柄模様の場合、現代には存在しているお花でも当時(昭和初期)は存在しないお花があったり、百合の花も冬の百合、夏の百合、と季節によって違うので、季節の移り変わりとともに、衣裳も変えていく必要があったので、昭和初期に関する情報は調べるようにしました。

― 海軍の制服には夏服と冬服がありますが、具体的にどんなところが違うのでしょうか?

酒見:冬は紺、夏は白の色違いもですが、生地の厚さやついている階級(襟章)が違います。冬は襟章と袖章で、夏は肩章です。また、ボタンも夏は金のボタンなのですが、冬はフックになっています。

― ストーリーはもちろん、衣裳や小物など細部からも原作へのリスペクトを感じられます。原作を意識した点、ドラマならではのこだわりはありますか?

酒見:この時代は、大柄模様や原色のものが多かったのですが、原作コミックスの表紙などを見ると、淡い色が多いと思いました。なので、昭和初期の時代を感じられる要素を入れつつも原作のなつ美のイメージに近い淡い色を多めに取り入れました。特にピンクやオレンジ系が多く、なるべく暖色系を取り入れるようにしています。

◆なつ美(芳根京子)の心情とリンクした色使い

― なつ美の着物の色味は、なつ美の心情がリンクしていることもあるのでしょうか?暖色系の衣裳が多い中で、第3話の写真館での青色の着物も雰囲気が違って素敵でした。

酒見:着物の色はなつ美の心情の変化に合わせて、徐々に変えています。モノローグが多い作品でもあるので、なつ美の気持ちに合わせて、分かりやすくするため、嬉しい時や楽しいときは明るい色にして、逆にさみしい時やつらい時は落ち着いた色にしたり、あとは瀧昌のことを考えている時は海軍や海をイメージして青系の色にしていることが多いです。徐々に瀧昌に惹かれていくなつ美…気がついたら瀧昌のことばかり考えていて、瀧昌が喜んでくれそうな服を選んでいる、なつ美本人も無意識で選んでいる、という設定で衣裳も選んでいます。

第3話の写真館での着物については、郁子さんが選んでくれた着物なので、普段なつ美があまり着ることのない色を取り入れて、印象をガラッと変えたかったので、黄色(羽織)を取り入れました。着物の柄も当時の時代背景を意識した大柄のものを選んでいます。

― 第2話でピンクのワンピースを着たなつ美のモガファッションや、第3話の瀧昌のサスペンダー姿など、普段と異なるスタイリングでのこだわりは?

酒見:2話のなつ美のワンピースは、原作を忠実に再現したかったので、原作を読み込んで、一度デザイン画を起こして、それをもとに一から作ってもらいました。また、台本に「なつ美のスカートが風でふわりとひらめく」と書かれていたので、実際に撮影した時のふんわり具合を意識して、生地選びからこだわりました。瀧昌がスカートの丈を見て、ドキッとするように…実際に芳根さんの脚の長さに合わせて、短すぎず、長すぎずのギリギリの丈感に調整しました。そして、ワンピースの生地を帽子のリボンにも取り入れることで、おそろいに見えるようにしているのでそこもポイントです。

3話の瀧昌のサスペンダーの衣裳では、シャツは白シャツの開襟のものを、色はアースカラーを選びました。普段、軍服を着用していることが多く、首もとが詰まっているので、普段着はできるだけ開いているタイプのシャツにすることで、キッチリ感を無くし、オフ感を出したいと思いました。また、サスペンダーは目立つように敢えても太めのものを選び、半袖も少し長めの袖にすることで大人っぽさを出すことができればと思っていましたが、本田さんがすごく素敵に着こなしてくれたので良かったです。

― キャスト陣との衣裳合わせ時の裏話があれば教えてください。

酒見:芳根さんは着物や洋装などいろいろなパターンがあったのですが、どの衣裳を着ても全部いいね、となって…どの衣裳にしようか迷うくらいどれもよかったです。その中でも特にピンクや暖色系のご衣裳が似合っていたので、結果的に原作とマッチしました。

― これまでの放送で芳根さん、本田さんが特に気に入っていた、あるいはスタッフチームから好評のスタイリングはありますか?

酒見:芳根さんは、1話の黄色・トンボ柄の着物です(※クランクインの衣裳でなつ美が瀧昌の職場へ訪れるシーンで着用していた衣裳)。本田さんは、3話の白半袖シャツに青パンツ・サスペンダーです。また、7話で着用するスーツ(※3話で描かれた「テーラークサカベ」でオーダーメイドしたスーツ)はご本人も気に入られていました。

◆「瀧昌(本田響矢)に少しでもかわいく見えたい」なつ美(芳根京子)の恋心が隠された衣裳の変化

― 第5話~第6話内でのファッションポイントや衣裳にまつわるエピソードをお聞かせください。

酒見:今までのなつ美は自分の心情(=趣味)を意識してコーディネートしてきたのですが、5、6話の台本を読んで、最初は結婚に不安しかない、自分のことで手一杯だったなつ美の心情が瀧昌と出会って、華やかな感情がひしひしと伝わり、瀧昌のことを一番に想っている心情に変化したのかなと思いました。なので、今までは自分の趣味で着ていた着物が多かったのですが、この時代の主流である、今まで着たこと無いようなハッキリとした色の着物(※5話:瀧昌と仲直りした後に着ている衣裳/新婚生活にウキウキしているなつ美)や大柄の着物(※6話:関谷家に訪れた際に着用している衣裳)をさりげなく着ております。時代の流行を捉えようとしていることで、瀧昌に少しでもかわいく見えたい、瀧昌と一緒にいる自分を大切にしたい、と無意識に瀧昌のことを想っているなつ美を意識して衣裳を考えました。

― 最後に視聴者に注目してほしいポイントを教えてください。

酒見:なつ美の着物の柄がトンボだったり、夫婦円満の意味を持つ波千鳥(カモメ)の帯を使っていたり、ドラマの内容にリンクする柄をさりげなく使っているので、ぜひ探してみて下さい。7話の瀧昌は今までに着たことのない系統の服を着ているので、新鮮な瀧昌が見られると思います。

― 貴重なお話をありがとうございました!

(modelpress編集部)

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《モデルプレス》

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