大阪大学は2025年5月28日、米国大学の留学生・研究者の学修・研究の継続を支援する方針を発表した。医学系研究科では6億円以上の自己財源により100名程度の研究員受入れ体制を構築するという。 大阪大学は、アメリカ政府による留学生受入れ停止措置等の急速な政策変更等により、米国大学における学修あるいは研究活動の継続が難しくなった留学生・研究者を一時的に受け入れ、学修・研究が継続できる場を提供する方針で、支援内容の具体化を進めているという。 具体的な支援内容としては、困難に直面する米国大学関係者や留学生・研究者の意見を聞き、アメリカ政府等の動きも注視しながら、大阪大学全体として大阪大学所属の留学生・研究者としての身分の保証(受入れ)を可能な範囲で実施できるよう検討している。 受入れにあたり、渡航に必要な手続き等サポートや、学費の免除(学生のみ)、その他、学修・研究を維持するために必要なサポートも行う。 全学的な支援の動きとあわせて、大阪大学院医学系研究科では独自に、アメリカに滞在することが難しくなった研究者を対象に、国籍を問わず、最大100名程度の博士研究員受入れ体制を構築する。博士研究員の受入れにあたり、国際公募を実施予定。自己財源の準備は、約6~10億円にのぼる。 石井優医学系研究科長は、「世界中から優れた頭脳が集まるアメリカでいま大変なことが起きています。素晴らしい研究が継続されないことは人類全体の損失と言えます。この世界的な科学の危機に対して、大阪大学大学院医学系研究科では、最大100人程度の研究者をお招きする自己財源を確保しました。これは、未来の学術的・国際的発展のために大切なことと考えています。アメリカの研究者の皆さん、安心して最先端研究に取り組める環境を提供します。私たちとともに、ここ大阪大学で共に科学の未来を切り拓きましょう。」とコメントしている。 米国大学に所属する留学生・研究者自身の学修・研究の実際の状況を大学として把握しながら、可能なかぎり個別の事情を勘案したていねいな支援対応を進めていくという。