首都圏の私大生、入学までの費用は過去最高231万円 | NewsCafe

首都圏の私大生、入学までの費用は過去最高231万円

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受験から入学までの費用(住居別)
  • 受験から入学までの費用(住居別)
  • 自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」
  • 「借入れあり」と「借入額」の推移
  • 「受験から入学までの費用」の「負担感」の推移
  • 「受験から入学までの費用」の「負担感」
  • 「奨学金の希望」と「希望者の申請状況」の推移
  • 奨学金希望者の申請状況
  • 奨学金を希望したが申請しなかったおもな理由
 東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)は2025年4月4日、「私立大学新入生の家計負担調査」の結果を公表した。2024年度に首都圏の私立大学へ入学した自宅外通学生の「受験から入学までの費用」は231万4,781円で、過去最高額を更新した。

 「私立大学新入生の家計負担調査2024年度」は、2024年度に1都2県(東京、埼玉、栃木)にある9校の私立大学・短大に入学した新入生の家族(保護者・父母)が対象。2024年5~7月に郵送で実施した。有効回答数は3,910件。

 「受験から入学までの費用」は、自宅外通学者が231万4,781円。過去最高額だった前年度の230万2,181円からさらに1万2,600円(0.5%)増えた。一方、自宅通学者は161万6,981円で、前年度の過去最高額から微減した。

 「受験から入学までの費用」の内訳をみると、自宅外通学者は「受験費用」が前年度より2万円増え、支出増が目立った。「敷金・礼金」は前年度より2,100円増えたが、「家賃」は800円減、「生活用品費」は8,700円減となった。自宅通学者の「受験費用」は前年度より6,200円減少した。

 「入学の年にかかる費用」は、自宅外通学者が前年度比9,200円増の313万6,481円。自宅外通学者世帯の「税込収入に占める『入学の年にかかる費用』」の割合は32.1%。前年度の32.9%から微減したものの、負担の重さに大きな変化はなかった。

 学費などの「入学に必要な費用」を借入れした家庭は、前年度比0.7ポイント増の14.7%。「借入れあり」の割合を住居別でみると、「自宅外通学」18.7%、「自宅通学」12.5%と、自宅外通学者が6.2ポイント上回っている。

 入学費用を借入した家庭の借入額の全体平均は、203万1,000円。前年度より9万円増え、過去最高となった。住居別の借入額の平均は、自宅外通学者247万円、自宅通学者166万9,000円。受験から入学までの費用の「負担感」は、91.8%の家庭が「重い」と回答し、入学費用を借入れした家庭に限ると99.5%が「重い」と感じていた。

 日本学生支援機構などの奨学金は58.1%が「希望する」としたが、実際に「申請した」は53.1%。奨学金を希望したが申請しなかったおもな理由は「申請基準にあわない」が52.1%を占めた。私立大学の授業料を国が直接家庭に補助する「直接助成制度」の必要性については、全体の94.3%が「必要あり」と回答した。

 保護者からの自由記述では、「前期分の授業料は、今までの貯金等でまかなったが、後期分以降は借り入れ先を検討中」「現在の物価高等、すべての出費の額が大きすぎて卒業まで無事にたどり着けるか心配」など、切実な声があった。また、「世帯の子の人数に関係なく学費低減されるべき」「大学等修学支援制度を中間所得層がもっと減免、給付できるよう拡大してほしい」「国公立と比べて授業料が高すぎる。ぜひ私大助成をお願いしたい」などの要望も寄せられた。
《奥山直美》

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