全裸講師と女子学生のケアは? | NewsCafe

全裸講師と女子学生のケアは?

社会 ニュース
大正大学の非常勤講師が巣鴨キャンパス内を全裸で歩いている、との写真がツイッターなどで話題となりました。いったい何があったのかと思っていると、大正大学が公式サイトで報告をしていました。 サイト内の「本学非常勤講師による不適切な行動について(報告)」によりますと、全裸になっていた男性を「本学非常勤講師(男性・55歳)」と認めた上で、保護し、事情を聴取したとあります。 講師の説明では、女子学生(21歳)と学内で出会い、話をしているうちに口論になったようです。一部では、何かの罰ゲームではないかとのネット上の噂もありましたが、ゲームのようなものではなく、女子学生から「私に信じてほしいならば、ここで裸になってくれ」と要求されたといいます。事実関係は女子学生も、認めているということです。 これだけ聞けば、何かのトラブルがあった上での逆セクハラか?と思いがちです。ですが、そんな単純な事情ではないようです。女子学生は「日頃から情緒不安定な面があり、感情が高まると突発的にどんな行動をとるかわからず、彼女の言う通りにしないと収まらない」(講師の説明)ようです。そのために、その言葉に従ったとのことです。 女子学生になんらかの精神疾患やパーソナリティ障害があった可能性もありますが、大学側の説明ではそこはわかりません。いずれにせよ、情緒不安定さを収めるために取った行動が講師が全裸になるということでした。講師の側からすれば、精一杯の誠意だったのでしょう。 なぜ、全裸かはわかりませんが、全裸になる行為は2人にとっては「平穏になる」ことだったとしても、場所は真昼間のキャンパスで、多くの第三者がいるところのため、騒ぎとなるのは必須です。大学側は「どんな事情であれ、当該講師の行為は公序良俗に反するもの」と認定しています。公然わいせつ罪にもなりかねない事態でもありました。 サイトには講師のコメントも掲載されています。 「このたび、皆さんに多大な迷惑、ご心配をおかけしたことを深くお詫びいたします。今回、私事ではありますが、自分の大事な人を守るために行ったことが、結果としてこのような事態に至ったこと、重ねてお詫びいたします。皆さんには、自分の信頼すること、信じることを貫き通して欲しいと思います。そのとき少しの冷静さも忘れないようにしてください」 このような騒動になってしまったわけですが、騒動で終わって欲しくない面もあります。大正大学は、大学院で臨床心理士の受験資格が取れるコースがあります。この当事者二人に、心理的なカウンセリングなどで、人間関係を調整する必要があるのではないかと思っています。 講師は女子学生と親の同意の上で生活を共にしていました。情緒不安定な女子学生をなんとかしたいと思っての生活だったことでしょう。恋愛関係にあったのかどうかは明確ではありませんが、コメントの中で「自分も大事な人」との表現があることから、恋人か、それに近い関係にあったことが類推できます。 ただ、そもそも、女子学生の情緒不安定がどこから起因するのか、また、なぜ、相手を傷つけてような要求をしたのか、というところは、その内面をケアする必要があると思います。ましては新聞やネットで話題になってしまったことへのフォローも必要だと思います。女子学生には講師の気持ちを試すかのような行動だったかもしれませんが、現在、お互いに傷ついているとは思います。 一方で、講師の方も、ケアすべきだと思います。指導者が指導される側に感情移入してしまうことはよく起きることです。しかし、そもそも、親と同意とはいえ、二人で生活をするという判断がよかったのかどうかは疑問が残るところです。情緒不安定な女子学生と支える講師の二人で生活することで、内向きのルールができあがり、かえって視野狭窄になってしまうのではないかと思うのです。そうした場面を私はよく見てきました。 こうしたことが、臨床心理を学ぶ学生がいる大学で起きました。この事例は教訓になる臨床心理の事例でもあるため、ケアやサポートの対象とすべきではないかと思います。私は「生きづらさ」をテーマに取材をしているため、情緒不安定な学生によく出会います。ここまで極端なケースではないとしても、学内で支える体制があったらいいのに、と思うことはよくあります。このことがバッシングではなく、学生の心理的なサポートを充実していくきっかけになればよいと思います。[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
《NewsCafeコラム》
page top