「ホワイトカラーエグゼンプション」…直訳すると「事務所内で働く人は除外」、ということになるのだろうか。これだけでは何だかサッパリわからないので調べてみると「"決められた労働時間を超えて残業した人には残業代を払う"というルールから、事務所内で働く人を除外する」の意味であることがわかる。
しかし、突然そんなことを言われてもデスクワーカーが憤慨するだけだろう。さらに調べて、ようやく"あるレベル以上の役職者"…今回の場合は「年収800万円以上のホワイトカラーの人」が対象であると知る。また、まずは一部企業で実験的に導入する段階であることもわかる。
この、どうにも回りくどい新制度…政府は「労働時間ではなく成果で評価できるようになるため、勤務時間を短くしたり、出勤時間をずらすなど自由にできる」との見方を示しているが、単なる「残業代ゼロ」制度となる懸念もあるようだ。
そこでNewsCafeでも「ホワイトカラーエグゼンプション、どう思う?」というアンケートが実施された。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…887件
【「ホワイトカラーエグゼンプション」に賛成(23.5%)】
■仕事をテキパキして、早く帰ればいいわけでしょう。同じ量の仕事をダラダラして残業している奴は嫌。「残業ゼロ」制度で早く帰れれば有り難い。[男性/50代/会社員]
■会社経営者です。職種によってばらつきはありますが、成果給導入は当然です。時間給では成果は得られません!![男性/50代/会社員]
■労働時間にしばられず、いい収入が得られるのはいいと思います。私は無理ですが、そういう方はその余った時間を利用してもっと自己研鑽に励むのでしょう。うらやましいです。[女性/30代/専門職]
■うちの会社は残業代ないです。[女性/20代/会社員]
■仕事もしない(できない)でダラダラ残業しているよりもましだが、今の日本企業が実績をきちんと見極められるのかが心配。[男性/30代/会社員]
■役職に就くと残業代の発生しない会社は多いので800万以上ならそんなものでは?[女性/40代/会社員]
【「ホワイトカラーエグゼンプション」に反対(49.7%)】
■仕事は個人でするものではなく、組織・チームでするものです。こんな事をしたら、強制的に帰宅させられたりしてバランスがおかしくなる。[男性/40代/会社員]
■残業が必須な仕事です。今でさえ月に何十時間もサービス残業してるのに! 国はサービス残業撲滅に力を入れて下さい。[女性/40代/会社員]
■残業代が生活給になってますから。[男性/50代/会社員]
■政府はどこまで国民を苦しめるつもり? 年収800万以上が条件らしいけどそんな金で寝ずに働けるか![女性/20代/会社員]
■皆さん何かを犠牲にして、ここまでの収入を貰える様になったのでしょ。働く意欲なくすと思いますが。国会議員みたいに居眠りしても、お給料貰えるのとは、訳が違う。[女性/40代/その他]
■そんな職種でもないのに、くくりいれられ、残業代をカットする会社が必ず出てくるはず。一般人から政治家になった奴は、一般人の気持ちなんて忘れるんだね。偉いもんだ。そんな法律を作れるなんて![男性/40代/会社員]
■競争社会なのだから、成果主義なら最後の最後は時間に比例してしまう。ホワイトカラーエグゼンプションはもう過去の考え方で、現在の日本社会では導入に向かないと分かっているはず。[男性/30代/会社員]
■今もサービス残業をさせられているのに。[男性/50代/その他]
【わからない(22.1%)】
■よくわからないが、問題ある職種とない職種があるだろうから、何とも言えないなあ。[男性/30代/会社員]
■部下を正当に評価できる上司が僅少。媚びでのし上がったから媚びの評価しかできないのがイタイ。[男性/40代/会社員]
■基準が年収で、求めるのは成果って、意味がわからない。[女性/30代/主婦]
2割程度の人が制度導入に賛成している一方で、反対派は全体の半数近く。寄せられた声を見る限り、双方ともに「成果主義は結構。しかし企業側が制度を悪用し労働環境が悪化する可能性はある」と踏んだ上で答えている人が多いようだ。また賛成派には「残業代がないからどうでもいい」という回答があり、反対派にも「今もサービス残業中」という悲鳴があった。そもそも目を向けるべきポイントがずれているのではないかという話だ。
政府が選定した一部企業で実験的に導入する分には、優れた制度なのかもしれない。しかしこれを適用する企業が今後増えていけば、職種や業界の常識、企業側の姿勢によって玉虫色の制度になり得る。
[文・能井丸鴻]
《Newscafeアンケート》
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