現在、先進国の多くは就職難である。 「がんばれば・・・一生懸命がんばれば、ある程度は報われる」という時代ではないことは確かだ。 まさかこんな時代になろうとは誰が想像しただろうか。 「在学中、一生懸命勉強したのに現実はこれかよ」と落ち込むのはつい最近大学を卒業したエマ・クリフォードさん(21)だ。 エマさんはカンタベリー・クライスト・チャーチ大学で英文学を専攻し、成績上位で卒業した才女だ。 将来は出版関係かマーケティングの仕事をしたい、と様々な会社に応募をしたが今のところ連敗中である。 エマさんの歳なら大学に入学する前からこの「ヤバイ就職状況」はわかっていたはずだ。 しかしいざ、自分自身が就職活動をしてみると想像以上の厳しさを肌で感じるものだ。 「状況が厳しいことはわかっていましたよ。でもまさかこんなに厳しいとは・・・。大学でいい成績を取るのはハードでしたよ。勉強をがんばってもどこも就職できないなんて、本当にがっかりです」とエマさんは肩を落とす。 これ、日本でも同じ状況の人がいるのではないか。大学での勉強をがんばっても、企業側はそれを見て加点してくれるとは限らない。むしろ大学教育を信用していない企業では何の役にも立たない。 エマさんは今、ケータリングのアルバイトをして生計を立てているが、そろそろこの状況から抜け出さないと彼女のプライドが許さない。 そしてエマさんは決意した。 「タクシーに自分の履歴書広告を出そう」と。 このまま普通のやり方で就職活動をしてもだめだ、もっと人の注目を集めるやり方をしなければ、と考えたからだ。 タクシードライバーをしている男性と知り合いになり、履歴書広告を出してくれるように頼むと「ぜひ助けになりたい。いいよ!」と快諾。しかも広告料はタダで! とんとん拍子で決まってとうとうタクシーに履歴書広告が出された。 「求職中です! カンタベリー・クライスト・チャーチ大学で英文学を専攻 優秀な成績で卒業! 出版・マーケティング・PR(←いつの間に?)分野での仕事を探しています!」 から始まるシンプルな広告は一見履歴書には見えない。 日本人からすると正直「行方を捜しています」のポスターのように見える。(写真の写り方の問題か?) この広告をタクシーの中で見かけたら笑ってしまうそうだが、本人はいたって真剣だ。 当然だ。なぜ人が思いっきり遊びたい時期に図書館に籠って勉強・論文を書いたのに、それがちっとも報われない?? 全部報われたい、だなんて思ってはいない。ただ一次面接くらいこぎつけたっていいじゃないか。採用担当者の方、ちゃんと私の履歴書を見てくださいよ。 ・・・と、こんな気持ちではないだろうか。 人間、自分の頑張りに対してあまりに評価がなさすぎると、いつかは自暴自棄を起こしてしまうものだ。そうなってしまう前に、エマさんには彼女が希望する仕事に就いてほしいと思う。 ところで。 このタクシードライバーの男友達であるが、なぜ彼は無料で履歴書広告を出させてくれたのだろうか?友情、同情? まさかエマさんに恋心を抱いてるから? 筆者、一体何を心配してるのだ。余計な心配するな、と自分を諌める。(なぜか心拍数が上がる) 若いエマさんよ、タダほど高いものはないのだよ、それは世界共通なのだ。 お金はいくらか払った方がいい! 【執筆者:猫紫】 参照:Daily Mail http://www.dailymail.co.uk/news/article-2390114/Unemployed-English-graduate-takes-advert-black-cab-turned-dozens-jobs.html (※PCサイトです)
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