インディーズ候補の都知事選公開討論会 | NewsCafe

インディーズ候補の都知事選公開討論会

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ドワンゴの「ニコニコ生放送」で11月27日夜、フリーランスライター・畠山理仁さんのチャンネル放送が主催する「東京都知事選公開討論会2.0」が生放送されました。この番組は東京青年会議所が主催する「東京都知事選公開討論会」に続いて、有権者らが番組を見ることができました。畠山さんは「新聞やテレビが、なぜ候補者全員を取り上げないのかが不思議」と感じ、今回の討論会を企画したといいます。畠山さんが「インディーズ候補」を取材し続けてきたのを知っている私としては、とても興味深い企画でした。

12月16日は、総選挙と都知事選挙のダブル選挙です。選挙は、メディアが候補者を公平に取り上げるのが前提になっています。しかし、現実には、取り上げる候補と取り上げない候補がいます。私も新聞記者をしていたときがありますが、主要政党が推薦や支持をした候補を中心に、著名人や当選可能生が高い候補者を中心に取り上げることが多くなっています。そのため、取り上げられない候補者もいます。そうした候補を畠山さんは「インディーズ候補」と呼んでいます。

畠山さんの「インディーズ候補」への関心は1998年にライターを始めたころにさかのぼります。雑誌『週刊プレイボーイ』で、大川興業の大川総裁の連載を担当していたときに、そうした候補を取り上げたといいます。このころから、選挙となれば、候補者全員にあたるのが、畠山さんの選挙取材のスタイルになったのです。

「インディーズ候補の情報は少なく、新聞を読むと、『独自の戦いをしている』などと書かれていて、政策などはわからないのです。そのため、候補者全員に会いたいと思っています。私は選挙に出る人を尊敬しているんです。なかには出馬するのにあたり、配偶者と離婚する候補者もいたりする。そこまでして選挙に出るという候補者の人間的な興味があるのです」

今回の「討論会2.0」の参加者は、出馬表明順に、マック赤坂(スマイル党、スマイルセラビー協会会長)、トクマ(幸福実現党、ミュージシャン)、五十嵐政一(無所属、社団法人セリーマレーシア協会副会長)、中松義郎(無所属、発明家)でした。

「討論会2.0」の前には、東京青年会議所主催の「都知事選挙公開討論会」が六本木のニコファーレで行なわれました。ここでは、新聞やテレビが取り上げる候補者(畠山さんは「メジャー候補」と呼んでいます)が参加し、ニコニコ生放送の公式チャンネルで中継されました。「2.0」は、その番組に続いて中継されたのです。そのため、関心のある有権者は一挙に候補者を政策や人柄を知ることができました。

「東京青年会議所が討論会をし、ニコニコ生放送が中継するという話があったので、(『討論会2.0』も)有権者が見やすいようにと企画し、ドワンゴに話を持って行きました。週刊誌の企画で発表することはありましたが、討論会を企画し、司会を務めるのは初めてです。本当は、候補者全員が参加した討論会があればいい。これをきっかけに全員が参加しない討論会はおかしいとなればいいですね」

「インディーズ候補」も「メジャー候補」と同じように供託金を支払い、正当に政策を訴える権利があります。昨今は、メディアの前でプレゼンができる候補者が日の目を見ることが多いと思います。もちろん、プレゼン能力も必要です。しかし、政策立案能力、政策実行能力はそれだけで計れません。「偶然かもしれませんが、インディーズ候補の政策をメジャー候補がパクることもある」と畠山さんはいいます。その意味では政策立案能力がある候補者もいるのです。

まだ番組を見ていない方は、niconicoの会員登録をすれば、「タイムシフト」で見ることができます。メジャー候補ばかりが目立つ都知事選や総選挙。この機会に「インディーズ候補」にも耳を傾けてはいかがですか?

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
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