貧乏役者と記憶を失った殺し屋…ふたりの人生が入れ替わったら!? | NewsCafe

貧乏役者と記憶を失った殺し屋…ふたりの人生が入れ替わったら!?

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自殺願望のある売れない貧乏役者と記憶を失った殺し屋。ふたりの人生が入れ替わり、"喜劇"が幕を開ける──。

笑いとハラハラ・ドキドキのサスペンス、そしてトキメキまで盛り込んだ、映画の楽しさが200パーセント詰まったエンターテインメント・ムービー『鍵泥棒のメソッド』。『運命じゃない人』『アフタースクール』の内田けんじ監督の最新作が9月15日より全国で公開される。主演は堺雅人、共演は香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子ら演技派の俳優陣が集結。

失われた記憶、大金の在りか、そして結婚の行方…複雑に絡み合った事態の行く末には、なんと、映画史上に残る爽快でときめくラストが待っている!?

今回、NewsCafeでは、出演者の堺雅人・香川照之・広末涼子のインタビューをご紹介! 映画『鍵泥棒のメソッド』の魅力に迫る!!

(以下、インタビュー)

◆内田監督との仕事の感想は?

堺「ちょっとおかしな言い方ですが、内田監督の現場って本当に楽なんです。監督の頭の中に完成された間とお芝居がある。本当に的確に指示をしてくださるし、その指示に精一杯答えていけば内面もそこに近づいていける。本当に楽だな~と毎シーンつぶやきながら演じてましたし、そういえば三年前もそうだったな~というのをだんだん思い出しました。ただ前作の『アフタースクール』は作品の性質上、すごくたくさんルールがありましたけど、今回はそのルールが少し減って、香川さん、広末さんをはじめとする共演者の方々との芝居のハーモニーとか、その場でしか起きないブレが生かされている、そういう性質の作品じゃないかと思います」

香川「強したっていう気分です。脚本を読みこめてなかったと。もっと細かくひだを読み取らなくてはいけないのに、気分で押し切って、読めているつもりでも読めてなかったと思い知りました。内田監督から形を与えてもらうことで、自分では感情で、右脳で演技しているつもりだったのに、実は形でやっていることに気づかされる。形を与えられているのに、それによって感情を作ってもらえる。形によって、形から脱せられるというんですかね。不思議な二重構造、三重構造というのが毎日起こっていました。僕みたいに右脳と左脳が離れて旅をしているタイプの俳優にとっては非常に面白い、初めての体験でした。あの脚本でこの演出、内田さんにしかできないだろうなと思いました。若い頃のキャリアに戻ったような新鮮さがありましたし、久しぶりに離れがたい作品になりました」

広末「ドキドキしました(笑)。香川さんもおっしゃっていましたが、最近は年齢もキャリアも重ねてきたからか、『お任せします』と渡されて、役者陣で練ってこねて熱くして、お芝居を作っていくような現場が多かったんです。今回は自分の意思や想いに勝る、熱い監督の完全なお芝居の構成があったので、そこにどう近づくかという芝居作りがすごく新鮮でした。毎回OKをもらえるかドキドキしながら本番を重ねて。『OK!』って言われた時にすごく嬉しくてほっとする。こういう緊張感って大切だなと改めて感じました」

◆共演の方々の印象をお聞かせください。

堺「広末さんは、今までご一緒した作品で見てきた、どれでもないお顔をされていました。ぜひ映画館でちゃんと観てみたいです。香川さんについては…僕は香川さんが何をしてもびっくりしないので(笑)。あれだけのポテンシャルと引き出しを持っていらっしゃる方だから。ご一緒できたってだけで非常に嬉しかったですね。香川さん、僕、広末さんという三人の和音は、相当バラバラだと思うんです。こんなに違うのにそれでも響きあうというのが逆に面白いなと。似通った音の和音じゃなくて、ちょっと複雑な和音、時には不協和音で。不協和音が面白いというのは内田さんもおっしゃってましたね。三人が均一になるのではなく、しらけた人が一人いたり。その空気がなんだか心地よかったですね」

香川「堺さんとは共演する機会がとても多くて、脚本を読んだら『堺さん、こんな感じだろうな』堺さんは『香川さん、こういう感じだろうな』とある程度予想はできるんです。もちろん作品によって役が違うわけだから、常に演技のニュアンスは変わるんですけど、お互いその違いを微妙に感じながら演技するタイプなので。でも今回、その予想以上の不思議な違いがありました。予想通りでも演じた体感が違うというか。理由はわからないけれど。科学反応が起こるような初顔合わせではないのに、起きていたんですね。それは広末さんにしても同じことで。何度も共演して演技を観てきているのに、やっぱり違う、新しい広末さんが目の前にいる。最初の3日間くらいはずっと感じていたんですが、途中から皆が思っている、僕が知っている広末さんを全部忘れて、香苗にしか見えなくなっていました。この不思議な科学反応は、内田監督のマジックなのかもしれませんね」

広末「堺さんは、面白かったですね(笑)。役者の役は初めてとおっしゃっていましたけど、お芝居が下手な役者のお芝居なのか、堺さんのお芝居が下手なのかわからなくなるくらいおかしくって(笑)。それはつまり巧いってことなんですけど。それくらいこれまで見たことない、堺さんのお芝居でした。香川さんは、記憶を失っている時、つまり桜井であるコンドウのおぼつかなさと、記憶を取り戻したコンドウの怖さが本当に対称的で。見せつけられました。さすがだなって」

◆作品の見どころは?

堺「最後まで目が離せないハラハラドキドキの展開になっています。それでいて観終わった後には、恋をしたくなるようなラブストーリーにもなっており、いろんなエンターメインメント要素が詰まった作品です」

香川「内田監督作品というとストーリーが入り組んでいて、その入り組んでいるのが解れていくところに快感があるというのが今までの持ち味だと思いますが、今回のストーリーは一本の道をただ走ります。ただその中に登場する人物が複雑な人生を背負っていて、その関係性が非常に入り組んでいるという、これまでとはアングルを変えた作品になっています。いずれにしても大変上質な喜劇に仕上がっている作品です」

広末「本当に楽しい大人のシュールなラブコメディだと思います。お芝居をこんなに楽しませて頂いた映画は初めてかもしれません。私自身、演じるのを忘れて、お客さんとしてその場で見たくなってしまうくらい堺さんや香川さん、他のキャストの皆さんの素敵なお芝居がたくさん見られる映画です」


『鍵泥棒のメソッド』
9月15日よりシネクイント他全国ロードショー
(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
《NewsCafe》
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