「何人殺した?」加害とPTSDに迫る本編映像『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』 | NewsCafe

「何人殺した?」加害とPTSDに迫る本編映像『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』

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『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
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第83回ヴェネチア国際映画祭では約8分間にわたるスタンディングオベーションを巻き起こし、日本映画初の「レオンチーノ・ドーロ賞(Leoncino d’Oro/金の小獅子賞)」を受賞した塚本晋也監督の最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』。この度、主人公のアレン・ネルソンが戦場について語った本編映像が解禁となった。

ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソンが、自らの戦争体験と帰還後の葛藤を綴ったノンフィクションを原作にした本作。

9月11日(金)より日本公開を迎えると、映画レビューサービスFilmarksでは4.3の高評価を記録。「凄まじく素晴らしい。塚本晋也監督の一世一代の映画」「震えた。何度も目を背けたくなった。だがこの映画はそれを許さない」「世界各地で戦争が起きる現代。今観るべき作品」など、作品の圧倒的な力と、いまこの時代に観る意味を訴える声が相次ぎ、日本でも“いま観るべき一本”として熱い反響が広がっている。

解禁されたのは壮年期のアレン・ネルソンが、自らが戦場で奪った命の数について語る衝撃的の本編映像。ニール・ダニエルズ医師とのカウンセリングを通して、アレンが長年封じ込めてきた戦争の記憶と“加害”に向き合う姿が映し出される。

「何人殺した?」「数が多くなりすぎた」
18歳でベトナム戦争の最前線へ送られ、多くの命を奪ったアレン。塚本監督のカメラが映し出すのは、恐怖と混乱が支配する戦場で、人が人を殺すことに次第に慣らされていく現実。燃え上がる村を前に、「何人殺した?」と問われたアレンは、静かにこう答える。「最初は数えていましたが……やめました。数が多くなりすぎた」。

1人ひとりに名前があり、人生があるはずの命が、いつしかただの“数”へと変わっていく――。その短い言葉からは、戦争によって人間性が失われていく恐ろしさが浮かび上がる。同時にそれは、アレンが帰還後も長年苦しみ、生涯をかけて向き合うことになる“加害”の記憶でもあった。

戦争から帰っても、戦争は終わらない
そして映像は一転、静かなカウンセリングルームへ。戦場から帰還し、長年PTSDに苦しみ続ける壮年期のアレンを演じるのは、「RENT」オリジナルキャストとして知られるロドニー・ヒックス。その向かいに座るのは、アカデミー賞俳優ジェフリー・ラッシュ演じる心理学者ニール・ダニエルズ医師。「なぜ人を殺した?」何度も繰り返されてきたダニエルズ医師の問いに、アレンは苛立ちを見せながら「戦争で兵士だったんです。殺すか殺されるか、2つに1つでした」と答える。

ダニエルズ医師はそれ以上追及することなく、「分かった。来週また会おう」と告げる。しかし部屋を去ろうとするアレンの背中に、再び同じ問いが突きつけられる。「なぜ人を殺した?」。

戦争だったから。兵士だったから。殺さなければ殺されていたから――。それでもなお問い続ける医師と、答えることのできないアレン。この長年にわたる対話こそが、彼が封じ込めてきた記憶と、自らが行った“加害”に向き合っていくための道のりとなっていく。

戦場の“その後”まで描く、塚本晋也の戦争映画
塚本監督が本作で描こうとしたのは、戦場で起こる殺戮だけではない。戦争が終わり、兵士が故郷へ戻った後にも、その身体と精神の中で戦争が続いていくこと。そして「命令されたから」「戦争だったから」という言葉の奥にある、自らの加害と向き合わなければならない苦しみだ。

塚本監督はこれまで、「戦争に行くとこんなことになる。本当に嫌でしょう」と、戦争を国家や英雄の物語ではなく、そこへ送り込まれた“一人の人間”の身体と精神から描くことの重要性を語ってきた。

今回の本編映像は、『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』というタイトルに込められた“問い”そのものを観客へと突きつける映像となっている。

『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』はkino cinéma新宿ほか全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》

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