4月24日の北米公開を目前に控え、本作の世界初上映の地に選ばれたのは、マイケルにとって特別な意味を持つ街・ベルリン。
東西冷戦下の1988年、西ベルリンの壁近くで「バッド・ワールド・ツアー」の西ベルリン公演を開催。壁の向こう側にいた東ベルリンの市民までもが“音”を求めて集まり、その光景は音楽が国境を越える力を持つことを象徴したといわれ、翌年のベルリンの壁崩壊の兆しとなる歴史的な瞬間として語り継がれている。
そんな歴史と記憶が刻まれたベルリンで開催された今回のワールドプレミアには、60か国以上から数千人のファンが集結。世界中のメディアとファンの視線を一身に集める、まさに歴史的な一夜となった。会場周辺にはマイケルのTシャツや衣装をまとったファンが大集結。装飾の前で写真を撮るファンの姿や音楽にのせてダンスをするファンであふれ、会場一帯は圧倒的な高揚感にあふれる。
レッドカーペットには、マイケルを演じたマイケル・ジャクソンの実の甥でもあるジャファー・ジャクソンがシックなブラックスーツで登場。幼少期のマイケルを演じたジュリアーノ・クルー・ヴァルディも赤のスーツにサングラスというスタイリッシュな装いで笑顔を見せた。さらにマイケルの母・キャサリンを演じたニア・ロング、マイケルの長年の弁護士ジョン・ブランカを演じたマイルズ・テラー、さらにアントワーン・フークア監督、プロデューサーのグレアム・キングが姿を見せ、豪華キャストと制作陣の集結に会場のボルテージは最高潮に。
さらに、日本からはマイケルのファンとして知られる米倉がゲストとして参加を果たした。
「まるで夢のよう」ジャファー・ジャクソンが語る確かな手応え世界初上映を前にジャファー・ジャクソンは「ここまでは長い道のりでした。だから、本当にここまで来られたなんて信じられない気持ちで、胸がいっぱいになるほどワクワクしていると同時にほっとした気持ちもあります」と素直に明かした後、「まるで夢のようで、皆さんからの愛とエネルギーを感じています。早く皆さんにこれを見てほしいです」と手応えを見せる。
劇中で数々のパフォーマンスも披露しているが最も印象に残ったのが「スリラー」MV撮影だったそうで「東ロサンゼルスでオリジナルのミュージックビデオが実際に撮影されたのと同じ場所だったので、僕が気に入っているシーンの一つです。子どもの頃、僕のお気に入りのミュージックビデオのひとつだったから、その場所に立って、あの光景を目の当たりにし、パフォーマンスを披露できたのは、まるで夢のようでした。本当に素晴らしかったです」と振り返った。そして“キング・オブ・ポップ”の魅力について「マイケルの最大の魅力は、彼の音楽を通じて世界中に広く伝わった“世界をより良い場所にしたい、世界を癒したい”というメッセージだと思います。それは彼がデビュー当初から掲げてきたメッセージであり、音楽やミュージックビデオを通じて常にその実現を目指していたと思います」と敬意を表した。
幼少期のマイケルを演じた若手俳優のジュリアーノ・クルー・ヴァルディは、マイケルについて「仕事熱心なところが本当に素晴らしく、仕事に対する姿勢はすごいと思いました」と明かす。
SNSでのマイケルのパフォーマンスを体現する姿が話題を集めているジュリアーノ・クルー・ヴァルディは、劇中でも愛らしさをのぞかせながら圧巻のステージを披露している。「僕と兄弟(役の俳優)たちで『ABC』のミュージックビデオを再現したのですが、あれは最高でした!」と笑顔で振り返った。ニア・ロングはマイケルの母・キャサリンを演じる上で「地に足をつけ、愛情深く、親切で、私自身もそうであるように、母親としての責任を果たすこと」を意識したと明かす。さらに「母と息子の絆は、本当に大切で、特別なものだと思いますので、私にとって、それは本当に重要なことでした」と役に込めた思いをにじませた。

監督が大切にしていた「ステージを離れたマイケルを描くこと」
アントワーン・フークア監督は本作について「一番大事だったのは、ステージを離れたマイケル・ジャクソンを描くことだったと思います。そうすることで、彼がどんな人間なのか伝わり、彼の心の内が理解できるからです。そうすれば、ステージ上の彼を見たときに、より強い絆を感じられるはずです」と話し、「感動と楽しさが味わえることは間違いありません。マイケル・ジャクソンのコンサートに肉迫する最高の体験となるでしょう」と圧倒的な没入体験に自信をにじませる。
そして、『ボヘミアン・ラプソディ』を世界的メガヒットへと導いたグレアム・キングがプロデューサーというだけあり期待を集めている本作。グレアム・キングは「マイケルが成し遂げたのは、音楽を通じて人々を一つにまとめたことだと思います。私は、この映画が世界中の人々を一つに結びつけることを願っています」とメッセージを寄せた。米倉涼子、圧巻のプレミア体験「彼に再び命が吹き込まれたよう」
黒いシックなドレスでレッドカーペットに登場した米倉は「誰もが愛するマイケル・ジャクソン、世界中が注目しているマイケル・ジャクソンの晴れやかなプレミアに参加できることになってとても嬉しいですし、やっぱり皆さんがマイケル・ジャクソンを愛しているんだということを肌で感じます」と高揚感をにじませた。
「彼のファッション性とか、自由になりたい思いとか、すごく苦しかった思いとか、そういうところを超えて人から注目される、それを励みにしているところが素晴らしいなと思いました」とマイケル・ジャクソンの魅力を振り返った。世界初上映となったプレミア会場では、本編上映終了の瞬間、間髪入れずに観客総立ちのスタンディングオベーションが巻き起こり、拍手と歓声は鳴りやむことなく会場を揺らし続けた。
米倉は「会場全体がひとつになり、圧倒的な音響とともに、まるでステージを観ているかのような空気に包まれました」と振り返り、観客が声を上げ、拍手を送り続ける熱狂的な空間に「日本で映画を観る環境とはまったく違う体験でした」とコメント。
「本当に(本物の)マイケル・ジャクソンを観ているかのようで、彼に再び命が吹き込まれたように感じました。その時代に自分たちが立っているような感覚でした」と圧巻の没入体験だったことを明かした。
さらにプレミア会場では、マイケル・ジャクソンに関するファン向けの展示や体験型コンテンツも展開された。劇中で使用された代表的なステージ衣装の展示や、レコーディングスタジオの再現セット、ベルリンの象徴であるバディーベアをモチーフにしたフォトスポットのほか、マイケルと一緒にダンスを楽しめる没入型体験ブースなどが用意されており、来場者は本作の世界に入り込むような感覚で、その世界観を存分に楽しんでいた。
「スリラー」MVの撮影地で実際に撮影
また、ベルリンプレミアの翌日には記者会見が行われ、主要キャスト・スタッフが登壇。
上映終了後も多くの観客が会場に残り、マイケル・ジャクソンの楽曲を大合唱するなど、その熱狂は冷めやらぬ様子だったことを振り返るグレアム・キング。ジャファー・ジャクソンも「いまだに昨晩の感動から抜け出せていません。劇場で観客の皆さんと共にあのエネルギーを感じ、踊ったり足を踏み鳴らしたりしながら過ごした時間は、これ以上ないほど幸せでした」と余韻を噛みしめた。
記者会見では、本作の撮影秘話に加え、マイケル・ジャクソンを演じることへの思いについても質問が飛び、それぞれ胸中を語った。
撮影現場には毎日415人ものスタッフが集結していたといい、グレアム・キングは「彼らがそうしていたのは、ただ一つの理由のため。マイケルへの愛のためなのです。その想いは確かに感じられました」と語る。撮影は「スリラー」のMV撮影地をはじめ、実際にマイケルが使用したロケーションで行われた本作。アントワーン・フークア監督は「実際の場所で撮影ができるのは、いつだって夢のような話。レコーディングスタジオも含めてすべてが本物で、我々にとってまさに夢が叶ったようなものです」と明かした。
主演ジャファー・ジャクソンが明かす脚本とマイケルとの深い絆
ジャファー・ジャクソンは初めて脚本を読んだ際を涙が止まらなくなる場面がいくつもあったと言及。「本当に感情が高ぶり、この物語と深くつながっていると感じました」と語る。
続けて「特にデンジャラス・ツアーの中で、子どもの頃に一番好きだった『スムーズ・クリミナル』の映像を繰り返し見て、その動きを真似しようとしていた4~5歳の頃の記憶が蘇ってきました。脚本を読んでいる間にも、そうした記憶が次々と蘇り、これから数カ月かけてそのプロセスを経験していくこと自体に特別な意味を感じました」とマイケルとの深いつながりを実感したと明かす。
だからこそマイケルのフルコスチューム姿の自身を初めて目にした瞬間は「一生忘れられない」と話し、撮影初日に行われた「BAD」のパフォーマンスシーンを振り返った。「『BAD』のジャケットに、ズボン、ローファーを履いた自分の姿を見つめても、現実だとなかなか実感できませんでした。その瞬間を迎えるまでに、本当に長い時間が費やされ、期待も大きかったし、早くステージに上がって、最高のショーをやるぞという気持ちで臨みたかった。ステージに上がって「BAD」を歌うまでの間、ずっとマイケルに思いを馳せていました」と回顧。
最後に、「観客の皆さんに持ち帰ってほしい最大の願いは、マイケルの本質と存在感を感じてもらうこと。そして、彼という人間、その核心にある魂について、より深く理解してもらい、映画館を後にしてほしいと思います」と作品に込めた想いを語っていた。『Michael/マイケル』は6月12日(金)より全国にて公開。












