原因不明の激しい発作に苦しむ少年ヒジュン(ムン・ウジン)。“黒い修道女”と呼ばれるシスター・ユニア(ソン・ヘギョ)は、彼の症状が凶悪な“十二悪魔”の仕業だと主張し、悪魔祓いの実施を求める。
しかし担当医のパク神父は「悪魔の憑依など存在せず、複数の精神疾患が重なったものにすぎない」と一蹴する。薬物治療も心理療法も効果を示さないまま、ヒジュンの症状は日に日に悪化。追い詰められたユニアは、自ら悪魔祓いの儀式を行う決断を下す。
しかし、叙階を受けていない修道女による儀式は、教義が厳しく禁じる“信仰の禁忌”。それでも彼を救うため、ユニアはパク神父の弟子ミカエラ(チョン・ヨビン)を巻き込んで禁断の儀式へ踏み出すことに。その瞬間から、2人の周囲でも“説明のつかない何か”が静かに蠢き始める…。
主演を務めるのは、視聴率38.8%を記録し社会現象を巻き起こした人気ドラマ「太陽の末裔」で国際的な注目を集め、「ザ・グローリー 輝かしき復讐」で青龍シリーズアワードの大賞に輝いたトップ女優ソン・ヘギョ。本作は約10年ぶりとなる待望のスクリーン復帰作でもある。本作では戒律に縛られながらも過去の罪に苛まれる修道女役に挑戦。これまでの優雅で洗練されたイメージを覆す、鬼気迫る演技で観る者を圧倒する。共演には、キム・ジウン監督の最新作『クモの巣(原題)』で青龍映画賞の助演女優賞に輝いた実績を持つチョン・ヨビンが名を連ねる。ユニアを支える修道女を演じ、物語をより一層深い闇へと導く。
監督を務めるのは、ソル・ギョング主演のアクション・スリラー『トラブルシューター 解決士』や、チン・ソンギュ主演で実在のボクサーを描いたヒューマンドラマ『カウント(原題)』で知られるクォン・ヒョクチュ。ジャンルの枠を超えた多彩な作品で知られるクォン・ヒョクチュ監督が、本作では初めて宗教的テーマに挑戦した。
この度解禁されたキービジュアルは、闇に溶け込むような深い黒を基調に、静かな狂気が漂うデザイン。中央には、2人の修道女の緊迫した横顔が重なるように配置され、少年を救いたい気持ちとそれを阻む教義とが交錯する緊張感を象徴している。さらには彼女たちが対峙する存在の強大さも伺える構図である。背景には、まるで墨が生き物のように蠢き広がり、真っ白な空間を侵食する黒い液体が、不吉な運命の到来を予感させてやまない。下部には、儀式の場で少年に手を添える修道女たちの姿がぼんやりと浮かび上がり、救済のはずの行為が、どこか取り返しのつかないものへと変質する瞬間を焼き付けているかのように思えてくる。添えられたコピーに「その祈りがもたらすのは、救いか、破滅か―」とあるように、彼女たちを待ち受けているものは一体何なのか、深く興味を惹かれるビジュアルとなっている。
予告映像は、「少年の身に起きていることは単なる霊の仕業ではない」という異様な警告によってスタートする。やがて、少年を救おうと立ち上がるシスター・ユニアが十二悪魔が原因であることを疑いだすが、十二悪魔が何なのかは明らかにされない。ただし、「そんなのどうすれば」と絶望する同僚ミカエラの様子から、修道会も恐れるとんでもない存在であることは間違いないだろう。一方、「本当に悪魔なのか」と事態に懐疑的な意見を持つ者がいることも明らかになる。
その後、不吉なモチーフと交互にユニアとミカエラがタッグを組んで真相を探ろうとする映像も映し出され、観る者の恐怖心だけでなく、「では少年の身に本当に起きていることは何なのか?」という好奇心もくすぐられる内容となっている。
『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』は2026年1月30日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。






