本作は、双子の弟・恵を失った涼(福士)が、残された恵の恋人・亜子(福原)の前で弟のフリをしてしまうところから始まる、切なすぎる運命を描く物語。
今回公開されたのは、本作が持つ、柔らかな温度が伝わる微笑ましい、涼と亜子の日常を切り取ったモーニングルーティン映像。
映像では、鏡の前で慎重に眼鏡をかけ、弟の姿に寄せようとする涼。「恵ちゃん、手伝って」と呼ぶ亜子の声に、涼はそっと微笑み、仲良く朝食の準備を始める。正反対の性格の双子という設定もあり、弟は左利き。福士は右利きであり、何度も訓練を重ねたという。弟になり切っている涼は、料理を作りながらも愛おしそうな表情で亜子を見つめる。
通勤中では、亜子が提案した“外来語禁止ゲーム”に挑戦。無邪気な亜子と、それに優しく寄り添う涼の関係性が幸福感に満ちた時間として切り取られている。一見、恋人のように見える2人の空気感は、このシーンを通じてより鮮明になる。
だが、2人の抱える秘密が明かされると、その見え方は一変してしまうことに。このゲームのシーンが一番好きだという福士は、「2回観たらこのシーンの切なさがもっと分かるので、ぜひ注目して観てほしい」とコメントしている。
そして、2人が暮らす部屋には、星や天体にまつわる小物、花や観葉植物が散りばめられ、温かみのある空間が印象的。美術担当は、『そばかす』『若き見知らぬ者たち』も手掛けた美術デザイナーの福島奈央花。「全体を通して“楓”の木や、自然をイメージする世界をテーマにしていました」とコンセプトを語り、「2人が結ばれているのは天体や星を見ることがベースになっているので、星に関係するものを生活に散りばめることをすごく大事にしています」と明かした。
『楓』は12月19日(金)より全国にて公開。









