【モデルプレス=2025/10/17】「お話をいただいた段階で、確実にここが自分のターニングポイントになると感じていたので、公開が近づくのは嬉しくもあり、怖くもあります」10月24日に女優・市毛良枝とW主演を務める映画「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」が公開されるグローバルボーイズグループJO1(ジェイオーワン)の豆原一成(まめはら・いっせい/23)。俳優として一歩ずつ歩みを重ねる彼が、今作で迎えた“転機”の裏側には、迷いや葛藤、そして確かな成長があった。アーティスト活動とは異なる新たな気づきを得た一方で、その瞳の奥には変わらぬ闘争心が宿っていた。【写真】JO1豆原一成の肉体美際立つさらし姿◆映画「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」豆原は2020年、JO1の最年少メンバーとしてデビュー。グループとして華々しい活躍を見せる一方、俳優としても着実に経験を積んできた。2024年にはTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」での好演が高く評価され、ステージ上とは異なる自然体の演技が話題に。今作でもその存在感が光っている。そんな豆原が本作で演じたのは、祖母との日々のなかで夢を見つけていく、コーヒーにだけはこだわりがある、ちょっと頼りなくて優しい大学生の孫・拓磨。祖父を亡くした祖母を気遣い同居したはずなのに、同じ学び舎で学ぶことになった祖母との日々は逆に拓磨を元気づけていく。“夢に迷う孫”と“夢を見つけた祖母”が紡ぐ、人生のふとした喜びを描く家族の物語が誕生した。◆豆原一成(JO1)、プレッシャーを感じたW主演作― 情報解禁時に「自分の中ですごい挑戦で、色々なことを考えながら、そして悩みながら作り上げた作品になりました」とコメントされていましたが、どういった部分が挑戦になりましたか?豆原:本当に日常の中であるようなストーリーが一番普通のようで一番難しいというか、キャラクターが大きく立っているような作品ではないので、自然体でありつつ、ちゃんと拓磨という役がいるように作り上げるのが難しいと思いました。あとは、これまでも俳優としていろいろな方と共演の機会をいただいていたのですが、市毛さんと2人でのW主演ということで、まだまだ役者として未熟な自分がベテラン俳優さん方と一緒に作り上げるということに対してプレッシャーと不安があって、自分の中ですごく挑戦だなと思ったしなんとか成功させたいという気持ちがありました。― プレッシャーや不安は、撮影に入って徐々にほぐれていきましたか?豆原:クランクアップする日までプレッシャーはありました。今も公開前なのでプレッシャーは感じています。◆豆原一成、自然体の演技に難しさ― 大学生役ということで、役作りで気をつけたことや監督とお話したことがあれば教えてください。豆原:監督から一番言われたのは、自然体でいてほしいということでした。1個前に撮影していた作品が「BADBOYS -THE MOVIE-」という実写映画で今回とはテイストが違うこともあり、演技が「ちょっと大げさだな」と監督からも言われていたので、自然な動きということはすごく意識しました。拓磨は素直な子なので、1つ1つの出来事に対して落ち込んだり、みんなから「良いじゃん」と言われても自分に自信がなかったり、そういった個性は意識しつつも、ナチュラルであることが難しかったです。かといって自然体を意識している時点で自然体ではないのかなと思ったり…と結構目まぐるしく考えを巡らせていて、それも含めて挑戦になりました。― 事前の役作りはどんなことを行いましたか?豆原:物理的なことで言うと、コーヒーの淹れ方など、知識などを撮影前にいろいろと教わりました。それから、拓磨という人物に関して監督とたくさんお話して、本読みも4~5回ぐらいやったので、どういう人間なのか・最終的に何をしたいのかということを分析して、監督からもアドバイスをもらいながら作っていきました。― 拓磨の内面に関して、共感できた部分はありますか?豆原:やっぱり「何かが好き」という気持ちは、自分にもたくさんありますし、その“好き”には勝てないというか、好きが故にコーヒーやいろいろなことに対して熱量が入るところはすごく共感しました。でも、自分に自信がなくてしがらみがあって踏み出せない気持ちもわかったので、拓磨は優しいからこそ、そういう現実に直面しているんだなとすごく感じました。― ビジュアル面はいかがですか?普段はトレーニングをされている印象ですが。豆原:筋トレについては、監督からは特に何も言われませんでした。これは僕の勝手な解釈ですけど、僕が筋トレを好きということと、拓磨がコーヒーを好きという“好き”の部分を尊重してくださったのかもしれません(笑)衣装については、衣装合わせのときに、衣装さんとどんな服が良いかをお話して監督に提案して決まりました。ヘアスタイルも自分で切ることを決めました。この直前の作品では長かったので、短い方が良いかなと思って「髪を切っていいですか?」と聞いて短くしました。◆豆原一成、市毛良枝と盛り上がった話題とは― 市毛さんからアドバイスなどはいただきましたか?豆原:市毛さんはアドバイスをくださるというよりは本当に寄り添ってくださるとても優しい方です。自然とおばあちゃんと孫のような関係性を作ってくださってそれが僕にとっては本当にありがたかったし、何より優しすぎて本当に友達のようにお話できました。― 具体的にどんなお話をされていましたか?豆原:市毛さんは登山やバレエなどもされていて僕も運動が大好きなのでトレーニングや食事の話で盛り上がりました。市毛さんもいろいろなことに好奇心がある方なので、僕の話にも興味を持ってたくさん聞いてくれましたし、逆に僕も登山の話をたくさん聞かせてもらって本当に他愛もない話をしていました。この間も2ヶ月ぶりくらいに取材でお会いしたとき、結構緊張していたんですが、会った瞬間に当時の関係値に戻らせてくださって、市毛さんの優しい雰囲気が作品にも出ているなと思います。撮影は2~3週間くらいでしたが、ほぼ毎日ありましたし、すごく仲良くなりました。2日目くらいからかなり話が盛り上がったので、そこは市毛さんの人柄なのかな。市毛さんにとっての44年ぶりの映画主演が僕と、というのはさらに不安をかき立てていましたが、本当にご一緒できたことはうれしかったですし、いろいろな意味で自分の芝居人生のターニングポイントになる作品だと思います。◆豆原一成、クランクアップで自然と出た涙― 現時点でのご自身にとっての俳優としてのターニングポイントは、今作なんですね。豆原:世間の皆さんがターニングポイントだと感じるとしたら、多分「海に眠るダイヤモンド」だと思うんですが、自分の時系列で言えばこの作品です。あのときにファンの方たちも「やっとお芝居の仕事だ」と喜んでくださったと思うんですが、僕としてはその時点で既に2作(映画「BADBOYS -THE MOVIE-」と今作)撮影を終えていたので、それはそれでプレッシャーでした。自分の中では少しずつ成長している実感があって、「海に眠る~」が去年の集大成という位置づけの作品だったのですが、観る方にとっては違うというもどかしさもあって。とはいえ、今作のお話をいただいた段階で「確実にここが自分のターニングポイントになる」と感じていたので、公開が近づくのは嬉しくもあり、怖くもあります。― 撮影中にプレッシャーを感じていたとのことですが、監督からの言葉で手応えを感じた瞬間などはありましたか?豆原:「よくできた」と思って帰った日は1日もなかったかもしれません。覚えているのは、不安が強かったので、クランクアップの日に泣いてしまったこと。「アップです!」という声を聞いた瞬間、それまで溜めていたものがほどけて、自然と涙が出てきました。それだけプレッシャーを感じ、いろいろ思いながらやっていたのだと思います。― 特に難しかったシーンは?豆原:全体を通して自然体であることが一番難しかったです。例えばあるトラブルに遭ったシーンは、焦っていて「どうにしかしたい」という目的が明確なので演じやすい一方で、おばあちゃんと何気ない会話をして、風呂上がりに牛乳を取りに行くといったそういう自然であるべき瞬間を、演技として見せるのが難しかったです。そういった場面は本番テイク自体はそこまで多くないですが、何回もテストを事前に重ねました。◆豆原一成が気づいた役者とアーティストの違い「芝居には“かっこつけ”はいらない」― 撮影期間中はJO1のグループ活動も並行して行っていたんでしょうか?切り替えは大変ではなかったですか?豆原:ありました。番組出演など、撮影の合間に現場へ向かったり、その逆も。切り替えは大変ですが、そこは根性ですね。無理とは言っていられないです。自分で「やる」と決めたことなので、弱音は吐きたくありませんでした。― 自然体に悩んだということで、どちらかというとアーティスト活動での表現は自然体とは対局なところにあることも多いですよね。豆原:そうですね。だからお芝居とアーティスト活動は別物だと考えています。お芝居には“かっこつけ”はいらないと思っているので、そこは割り切っています。お芝居を始めた当初はそのことに全然気づいていなくて、どんどん作品を重ねるようになってから「豆原一成としての見え方」は関係ない、と気づけたのが大きいです。お芝居では役としてどう見えるかが重要で、「この角度は自分的にかっこくないからなし」といったことはないので。◆豆原一成「体育会系なところがあるので…」役者活動でも見せる闘争心― その違いは、現場での経験から自然に学んでいきましたか?豆原:はい。現場で素晴らしい役者のみなさんと出会って、演技を目の当たりにすると、本当にその役柄で存在しているんです。本人が“演じている”ことを感じさせないことがすごいなと思いました。― みなさんだと思うのですが、これまでの共演者の中で、特に影響を受けた方は?豆原:たくさんいます。自分にとって“大ベテラン”の表現を目の前で体感したのが市毛さんでした。もちろん「海に眠るダイヤモンド」では宮本信子さんもいらっしゃいましたし、みなさんのオーラに圧倒されます。演じられているときは怖いと感じるほどオーラがすごいんですけど、撮影していないときはみなさんとても優しいです。― そういうときは直接的な演技のアドバイスを受けることはあんまりないんですね。豆原:少ないですね。それが良い意味で“試されている”感覚で、昔を思い出すと言うかオーディションのときにみたいに「わざわざ言わないけどお前の実力を見せてみろよ」という方が、体育会系なところがあるので、燃えます。「俺だってやれるぞ!」と思う一方、やりきれなかったときは落ち込みますけど、それも含めて楽しいです!― 落ち込んだらすぐに立ち直れますか?豆原:悔しさが勝ちます。落ち込んでも、結局できなかったのは自分だと思えるので、「じゃあもう1回やってみよう」と切り替えます。◆豆原一成にとっての家族の存在― 最後に、豆原さん自身にとってご家族はどんな存在ですか?豆原:本当に手放したくない存在です。家族なので当たり前かもしれませんが、全員に感謝しています。家族がいたから今こうして活動できているし、学生の頃もみんなに支えてもらえたからやりたいことができました。家族とはすごく仲が良くて、みんな大好きだからこれからも仲良くしたいし、たくさん会いたい。会えるときに会っておかないと、いつ会えなくなるかわからないですから。― 拓磨はお母さんやおばあちゃんに対して素直になれない部分もありますが、豆原さんは優しい孫や息子ですか?豆原:すごく優しいと思います!お母さんにはちょっと当たりが強いときはありますけど…(笑)、おばあちゃんとも仲良いです!― ありがとうございました。◆豆原一成インタビュー おまけQ&AQ.大学生の役柄だが、本当に大学に行くとしたらやってみたいことは?A.サークルに入ってみたいです。ダンスが大好きなのでその年頃にそのままダンスサークルに入っていたら結構勢いがあったと思います(笑)!Q.では、大学で勉強してみたいことは?A.勉強は苦手なのでしてみたいことはないです(笑)好きな教科は強いて言えば体育です。Q.現在抱いている夢とその達成度を教えてください。映画にちなんで富士山に例えると何合目?A.夢はたくさんありますが、やっぱり世界で活躍すること。ワールドツアーに行って、アメリカのステージにも立ちはしましたが、正直、自分の感覚では「立っただけ」だと思っていてそこから“熱狂させる”ところまでは、まだまだ全然だと思いました。ニューヨークのタイムズスクエアでパフォーマンスをしたいという夢もあって、そのために今は頑張っている最中で、富士山で言うとまだ2・3合目くらいかな。とはいえ、着実に進んではいますが、一直線ではなく、時に下がることもありつつ前へ進んでいます。Q.秦 基博が描き下ろしたJO1の主題歌「ひらく」の魅力は?A.ずばりこの映画のための楽曲で、映画のテーマである「一歩踏み出したら意外と楽しい」という部分とリンクしています。歌詞1つ1つも「ひらく」という題名にあるように、夢が開いていく、いろいろなものが開いていくという内容と繋がっています。デモは秦さんの声だったんですけど、聴いたときからすごくビビッと来ました。僕たちにとって秦さんは青春の存在で、世代的にもマッチしていると思います。最初に聴いたときから感動した反面、もっとクオリティの高いものにしなきゃいけないとプレッシャーも感じました。Q.「ひらく」の特に好きな歌詞は?A.「空に誓う 一番好きな色の花が咲いたら あなたに会いに行こう 優しいその笑顔に」。この楽曲を初めて聴いたときから作品にぴったりだなと感じました。作品の中で、おばあちゃんが今にも消えちゃいそうで、「自分が夢を叶えたらおじいちゃんのところに私も行くからね」というメッセージに聞こえるというか…。拓磨的に言うと寂しいですが、そういう歌詞1つ1つがすごく刺さりました。(modelpress編集部)◆「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」STORY祖母・文子と暮らし始めた大学生の拓磨は、亡き祖父・偉志の書斎で大学の入学案内を見つける。それは偉志が遺した文子へのサプライズだった。一歩踏み出し、若い頃の夢だった「学び」の日々を謳歌する文子。一方、拓磨は夢に自信が持てず将来に悩む。そんな2人は、富士山が好きだった偉志の手帳に不思議な数式を見つけて…。◆豆原一成プロフィール生年月日:2002年5月30日血液型:O出身:岡山県身長:174cm【Not Sponsored 記事】
「ばけばけ」板垣李光人が語る“三之丞”の在り方 一貫して大事にしたいこと「ただ可哀想な三男坊にはしたくなかった」【インタビュー】 2025年10月17日 【モデルプレス=2025/10/17】連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK…