10月10日公開の映画『秒速5センチメートル』で主演を務めるSixTONES・松村北斗。同作は新海誠の不朽の名作として知られる同名の劇場アニメーションを実写化したもので、公開前から高い注目を集めている。そこで本記事では、『秒速5センチメートル』への松村の思いや役作りなどを紐解きながら、彼の俳優としての可能性を探ってみたい。
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人気グループ・SixTONESのメンバーとして活躍しつつ、俳優としても確かな存在感を発揮してきた松村。2021年度後期のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の夫となる、名家の跡取りで英語が堪能な雉真稔を演じ、視聴者の心に残る好演を見せた。今年公開された坂元裕二が脚本を手掛けた映画『ファーストキス 1ST KISS』では、タイムトラベルで未来から来た妻(松たか子)と出会う古生物学の研究員・硯駈役を務め、繊細な演技で観客を魅了したことも記憶に新しい。
そんな松村がこのたび初の単独主演を務める実写映画『秒速5センチメートル』は、主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描き出す、大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。松村が演じるのは、東京のソフトウェア開発会社に勤めるシステムエンジニアで、人と深く関わらず閉じた日々を送っている社会人の貴樹だ。
松村は、10月6日深夜に放送された映画の公開記念特番の中で、人気の高い『秒速5センチメートル』のオファーが自身に来たことに驚きつつ、実写化することにも“強烈な恐ろしさ”を感じたと明かしながら、「生身の人間がこの物語をやってるのを見てみたいっていうワクワクというか、ゾクゾクがあった」とも語った。また、同作が「第30回釜山国際映画祭」のオープンシネマ部門で公式上映された際の舞台挨拶では、元々原作の大ファンであることから、作品の世界に憧れる自身と、生きることの難しさに苦しむ主人公に乖離があると感じ、演じる上で難しかったとも明かしている。このことから、松村が原作の世界観を大切にしながら、並々ならぬ思いで作品と向き合ってきたことが伝わってくる。
10月7日に放送された『めざましテレビ』(フジテレビ系)のインタビュー内では、俳優として高い評価を受けながらも悩みや葛藤があるとした上で、「とりあえず乗り越えてくと、ちっちゃくちっちゃく経験値がたまってって。どこかで突然レベルがアップして、進化して形が変わって…ってことが突然訪れる」「焦りからくる情熱みたいなものがエネルギー」と明かしていた松村。貴樹とも重なる部分があるという彼の現在地を、『秒速5センチメートル』でぜひ確かめてみてはいかがだろう。