岩田は挑発的なステージングで沸かせる。また、この曲からメンバーはアリーナ中央を囲むムービングステージに乗り始め、客席付近を移動しながらパフォーマンス。しかも全員そのステージから落ちるギリギリまで前に出ており、少しでも近い距離で思いを届けたい意志が伝わってきた。それに応えるように盛り上がり続けるMATEの様子を見て「あったまってきたかい、スタジアム!」とOMI。小林は破顔。終わると今度は全体が青に染まり「懐かしい曲いくぞ!」と「JSB Blue」。OMIの爽やかな歌声が吹き抜ける。続くは一転ネオン感のある「Welcome to TOKYO」。色気と力強さを兼ね備えたダンスで魅せていく。
またアリーナにはカラフルなバルーンも投げ込まれワクワク感が増幅。パフォーマー5人も、ゆっくりメインステージに戻るムービングステージの上から全方位に手を振って、そして目を見て感謝を伝えていた。ELLYの作るハートも印象に残った。完全に全員の魂のチューニングが合わさっている無敵のスタジアム。「もっともっと俺たちにぶつけてください!」という「Yes we are」のコールアンドレスポンスも当然問題ない。そして「(YOU SHINE)THE WORLD」でメインステージに戻り、歌い進めていくと「さぁタオルの準備、そして濡れる準備できてますか!」とOMIが伝えてからスリーカウントで大量の水がセンターステージからスプラッシュ。驚きと「これを待っていた!」という反応が良い意味でもみくちゃとなって、さらにテンションが上がるスタジアム。曲終わりにもう一発噴射され、改めてその量と吹き上がった高さにざわめきがしばらく止まらなかった。
◆三代目JSB、これまでの軌跡振り返る
ざわめきの中、モニターに彼らの足跡をまとめた映像が流れ出す。2025年から1年ずつ遡っていき、2010年のデビュー年まで遡った後、ステージで披露されたのは「Best Friend’s Girl」。デビュー曲だ。メインステージ上に設置された蔦苔で装飾された階段の上で、衣装も着替えたメンバーがパフォーマンス。しっとりとした曲調にOMIの甘美な歌声と5人の指先まで情感たっぷりなダンスはマッチし、この15年で磨き上げたものを感じさせた。「On Your Mark~ヒカリのキセキ〜」でも、そのしっとりさは継続。もう陽もほとんど落ちたこの時間帯に合う。アッパーなチューンとは違うNAOTOや小林の背中が語るダンスにも引き込まれた。
「SO RIGHT」での光の演出も合わないわけがない。「Go my way」「Kiss You Tonight」ではメインステージの両端に移動しながらパフォーマンス。移動の際にはカメラに向けてサービスもあった。続く「Always」でピュアな空気感を作った後、大きな映し出された夕日の映像をバックに「みんなこのイントロを聴けば分かるよね?皆一緒に歌おう。アリーナも、スタンドも、誰も置いてかないよ。一緒に行こう」というOMIの言葉から「君となら」へ。アコースティックサウンドに観客の大合唱が乗る。それはメンバーから「さすがMATE」という表情を引き出していた。一面オレンジ色に染まるスタジアムの景色は圧巻。終盤、OMIは〈信じられる”MATE”となら〉と歌詞を変えるような場面も。
OMIの動物キャラクターも登場するムービーを挟み、OMIも加わって「MUGEN ROAD」でまだまだ燃やしていくJSB3。演出チームの炎の量が増えた気がする。サポートダンサーのフラッグも熱気を煽るし、チーム全体でスタジアムを燃やし尽くそうとしている。続いてモニターに「LOVE」の文字が映し出されたら『Feel So Alive』だ。ELLYのラップもキマっていて、中毒性もある楽曲。加えて今度はアリーナの真ん中を通っていくフロートステージに乗って、観客に近付いていくメンバー達。さらなる至近距離にアリーナは沸き立つし、グルーヴもまた一段階上がる。
そしてここからは9曲のメドレー。ダンスもジャンプもコールアンドレスポンスも止まらないラインアップだった。「Share The Love」「Rat-tat-tat」のダンスが話題になったナンバーから、爽やかで心が軽くなる楽曲達に応酬に天国級のピースフル。バルーンも再度投入された。メドレーの最後は「STARS」だったが、辺り一面、一番星のように輝く笑顔に溢れ返っていた。