元国税職員さんきゅう倉田です。好きな租税回避は「ダブルアイシリッシュサンドウィッチ」です。
東京大学経済学部の先生はほとんどが東大卒で、稀に自分が学生だった頃の話をしてくれる。
それは40歳のぼくにとっても、20歳前後の同級生にとっても貴重な情報である。
これから示すのは、1989年の世界の時価総額ランキングだ。
▶約35年前、信じられない日本の好景気
今じゃ信じられない。1989年の「世界の時価総額ランキング」
1. NTT
2. 日本興業銀行
3. 住友銀行
4. 富士銀行
5. 第一勧業銀行
6. IBM
7. 三菱銀行
8. エクソン
9. 東京電力
10.ロイヤルダッチシェル
1社がイギリス、2社がアメリカ、7社が日本である。
今では考えられない。授業でこのランキングを紹介された東大生はこれらの銀行の名前を知らないのではないだろうか。
ちなみに、現在の時価総額ランキングを見てみよう。
▶現在のランキングはどうなってる?
現在の「世界の時価総額ランキング」は以下の通り。
- エヌビディア
- マイクロソフト
- アップル
- アマゾン・ドット・コム
- アルファベット
- メタ・プラットフォームズ
- サウジアラムコ
- ブロードコム
- バークシャー・ハサウェイ
- 台湾積体電路製造
- テスラ
- JPモルガン・チェース
- ウォルマート
- オラクル
- イーライリリー
- 騰訊控股
- ビザ
- マスターカード
- ネットフリックス
- エクソンモービル
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50.トヨタ自動車
日本企業はみる影もなく、50位にやっとトヨタが入っている。
長期の不景気が日本経済を衰退させた。
外貨を獲得できる産業が少ないうえ、人口減少が続く日本では、大きく経済が成長することはないかもしれない。
▶世界2位の企業に入社した東大生が面接で言ったこと
さて日本興業銀行は時価総額世界2位だった頃、東大経済学部生の就職先として非常に人気があった。
選抜は過酷だが、ある先生は就職活動の際の面接で「10年目までは雑巾掛けでもなんでも言われたことはすべてやります。10年経ったときに、自分がやりたいことをやれるようになりたいです」と言って日本興業銀行に採用されたそうだ。
日本企業の採用担当者の気持ちになって考えると、頭の良さはそれほど重要ではない。
東大に入れるレベルで情報処理ができて記憶力があれば、大抵の業務はできる。
過酷な仕事に耐えられる体力があればなおよい。一方で、天才であるが協調生がないとか指示を無視するような人間は不要だ。
だから、東大運動部出身の人間は就職活動で有利だと言われる。天才よりラガーマンが欲しいのだ。
他と綺麗に噛み合い、耐久性があり、全体の駆動を促す歯車が必要なのであって、特殊な部品な持て余してしまう。
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