最近「指が痛む」と思っていたら、包丁を取り落とすほどに悪化して。10年以上手指の痛みに悩んだ女性がたどった治療法の数々とは | NewsCafe

最近「指が痛む」と思っていたら、包丁を取り落とすほどに悪化して。10年以上手指の痛みに悩んだ女性がたどった治療法の数々とは

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最近「指が痛む」と思っていたら、包丁を取り落とすほどに悪化して。10年以上手指の痛みに悩んだ女性がたどった治療法の数々とは

閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)

写真はイメージです

【100人の更年期】

◆ショウコさん 66歳
50代後半でリタイアし現在は無職。6歳年上の夫と二人暮らし

手指の違和感は徐々に強く…。ある日、痛みで包丁を落としてしまって

現在66歳のショウコさんは、63歳まで10年以上にわたり手指の痛みに苦しんできました。テレビやインターネットで「手指の痛みに効く」と見聞きした情報を試すことはもちろん、さまざまな病院やクリニックにも通いましたが、どれもショウコさんには効果がありませんでした。

そんなショウコさんは、63歳のときに手指の痛みを劇的に軽減する治療法に出合います。今回は、ショウコさんが手指の痛みを感じ始めてから治療法に出合うまで、そして現在までの体験談を、順を追って紹介します。

ショウコさんが手指の痛みを感じ始めたのは、54歳のときでした。両手指の人差し指、中指、薬指の第一関節にゴワゴワとした違和感を覚えるようになり、徐々に痛みに変わっていきました。手指を使っていないときは痛くないものの、物に触れたり握ったりすると、何とも言えない鋭い痛みを感じました。

「毎朝、起きたすぐは両手指がこわばっていました。少し時間が経つとこわばりは治まりますが、顔を洗ったり食器に触れたりするたびに痛みが走るので、日々の何気ない動作をするのも嫌になってしまいました。包丁を握ろうとして痛みで落としてしまったときはさすがに怖くなり、一刻も早く病院へ行って治療をしようと思いました」

手指の痛みの原因を知るため脳神経外科と整形外科へ。診察結果は…

55歳になったショウコさんが最初に受診した病院は、脳神経外科でした。ショウコさんの母親が脳腫瘍で他界した経験から、自分の手指の痛みも脳神経と関係しているかもしれないと思ったのです。

結果、脳神経の異常はありませんでしたが、手指の痛みの原因も分からないまま。ショウコさんは次にリウマチの可能性を疑い、整形外科へ行きました。

「リウマチではなく、指の第一関節に痛みや腫れが出る“ヘバーデン結節“と診断されました。第一関節をテーピングして固定するよう言われました」

その日から、言われた通りにテーピングを巻いて生活すること半年。いっこうに痛みが収まらず、日増しに不安が募っていたある日、ショウコさんの脳裏に初めて、婦人科を受診する選択肢が浮かびました。

ヘバーデン結節とエストロゲン不足の関連性を知り婦人科を受診

それは、ショウコさんがヘバーデン結節の治療法についてインターネットで調べているときでした。

「手指の痛みやヘバーデン結節について検索をすると、“女性ホルモンの一種であるエストロゲンの不足” という言葉が関連して出てくるんです。そこで、市が運営する健康診断のときに、自分のヘバーデン結節にエストロゲンが関係しているか尋ねたところ、可能性はあるとして、婦人科の受診を勧められました」

ショウコさんはさっそく、婦人科を受診しました。問診票に書かれている症状は、めまい、ホットフラッシュ(急な発汗)、手指のこわばり、皮膚や粘膜の乾燥、不安感など。

ショウコさんは、手指のこわばり以外に該当する項目は一つもありませんでした。

「今思えば、婦人科の問診票に書かれていた諸症状は更年期に関するものばかりでした。ですが当時は、めまいやホットフラッシュなどのよく聞く更年期の症状が一切なかったので、自分の手指の痛みが更年期と関係しているという認識はありませんでした」

しかし診察の結果、エストロゲンが不足しているとのことで、ホルモン療法の第一段階として大豆イソフラボン代謝物のサプリメントを勧められました。その日からショウコさんは大豆イソフラボン代謝物のサプリメントを半年間ほど続けましたが、効果を感じることはありませんでした。

6年間耐えた手指の痛みに終止符を打てそうな治療法と出合えた!でも…

なかなか次の一手が見つからないショウコさんは、かかりつけの内科で3種類の漢方薬を処方してもらうことにしました。

「処方された漢方薬は、どれも更年期の諸症状に関係するものでした。3カ月続けて改善しなければ、私には効かないと言われました」

ショウコさんは3カ月きちんと飲み続けましたが、これも効果はあらわれず、手指の痛みはむしろひどくなっていきました。

その後、60歳になったある日のこと。ショウコさんが何気なく見ていたテレビ番組で、ヘバーデン結節の治療法として動注(動脈注射)療法という治療法を紹介していました。動注療法は、手首の動脈に細いチューブを挿入し、薬液を入れて炎症や痛みを改善する治療法です。実際にこの治療法で治ったという女性タレントが出演していたこともあり、ショウコさんは「これなら私の手指の痛みが治るかもしれない」と期待を抱きました。

「有名なタレントさんが称賛していたので、こんな素晴らしい治療法が世に広まったら多くの人が救われるだろうと思いました。そして、番組を見た後、すぐに治療できるクリニックを探して受診しました。自由診療(保険が効かない)で、1回40,000円(診察料別)近くかかりました。でも、私には期待するほどの効果はありませんでした」

手の専門クリニックを受診しても効果なし

ここまで4つの病院を受診するも、いっこうに手指の痛みが治まらないショウコさん。そんな中、ふたたびテレビ番組で手指の痛みに効く治療法の特集を目にしました。

「その番組で、手の諸症状を専門に扱うクリニックを取り上げていました。ピアニストやバイオリニストなど、手指を使う人が多く通うと聞いて、もしかすると私の手指の痛みにも効くかもしれないと思い、受診してみました」

そのクリニックで、ショウコさんは関節にステロイド注射を打ちました。鎮痛の作用が期待できるとのことでしたが、残念ながらこれもショウコさんの症状には効きませんでした。

最終手段は手術!?もう二度とグーの形に握れない手になってしまうのか

次にショウコさんが受診したのは、やはりテレビ番組で見たクリニックでした。そこでついた診断は、更年期の女性に見られる手指の痛みやこわばりなどの症状を指す、メノポハンドでした。

「ここでも大豆イソフラボンサプリやテーピングの話になりました。それは試したけれど治らなかったと伝えると、最終手段として手術もできると提案されました。第一関節にネジのような金属を入れて骨を固定するそうですが、私の場合は両手3本ずつが対象なので、固定すると第一関節が曲がらなくなり、グーの形に握ることはできなくなります。どれか1本の指だけが痛い人にはいいかもしれないけれど、私には現実的ではないと思いました」

その後もショウコさんは諦めず、いくつかの整形外科を受診しました。婦人科ではなく整形外科を選んだのは、この時点でもまだ、手指の痛みと更年期が結びついていなかったからだそうです。

「ただ、閉経していることからアフター更年期である認識はあったので、整形外科がのきなみダメだった後で、婦人科も行きました。婦人科では、更年期の症状を治療するル・エストロジェルという塗り薬を処方されましたが、1日2回塗る必要があり、塗り忘れることがあるせいか効果は感じられませんでした」

本編では、整形外科、婦人科、漢方、自由診療……あらゆる手段を尽くしても治らなかった、ショウコさんの“手指の痛みとの10年”をご紹介しました。

▶▶「手指の痛みと10年以上格闘してきた私に、ようやく光が…」63歳女性が出会った“救世主”とは

では、ついにたどり着いたある治療法との出会いと、その後の生活についてお届けします。


《OTONA SALONE》

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