【モデルプレス=2025/07/25】書籍『しらふ』がワニブックスより発売中の吉高由里子(よしたか・ゆりこ/37)。2024年はNHK大河ドラマ『光る君へ』の主演として走り抜くなど女優として約20年間最前線を走りながら、X(旧Twitter)の発信も度々話題になるなど、彼女自身の人柄と独特な感性でも人々の心を惹きつけ続けている。モデルプレスのインタビュー後編では、SNSとの向き合い方や、書籍の中で明かしている俳優をやめようと思っていた時期の心境について振り返ってもらった。【写真】吉高由里子「羞恥心のほうが強め」書籍通常版カバー◆吉高由里子がSNSで発信する原動力…インスタをやらない理由は?本書は吉高が、自身の誕生日となる22日に発売した“ひとりごと”本。内容は「喰」「演」「夢」「恋」「月」「匂」「触」「暮」「残」「伝」「逢」「喜」「雨」など、漢字1文字を入口に繰り広げられる“吉高のひとりごと”計54篇で構成され、直筆イラストの挿絵も掲載される。本書の企画は、2023年に「吉高さんの感性が伝わる本を作りたい」と担当編集がオファーをし実現したというが、吉高の感性が滲み出ている場所といえば、約360万フォロワーを有するXアカウントだろう。主演ドラマの放送時期には放送当日に「本日もあなたの1時間私にください」とお馴染みの文言で呼びかけをするなど、ファンにとっては貴重な素顔を垣間見られる場となっている。そんな吉高にSNSで発信する上でのこだわりや発信する理由を聞いてみた。「Xは2011年から始めて14年ぐらい経つけど、始めたきっかけも覚えてないぐらいで、終わらせるきっかけの方が理由を探すのが難しくて今も続いているみたいな感じ。発信しないように気をつけていることはもちろんいろいろとありますが、発信する理由は“知りたいから”かな。多いのは食べ物の話で、みんなが思いの外レシピを返してくれるので、寂しいからとか繋がりたいからとかではなくて知りたい気持ちが強いからかもしれないです。呟くときは大体移動中や家で寝転がっているときで特に決めていないんですけど、酔っ払ったときは本当に気をつけたいですね(笑)」なお、Instagramなど他のSNSをやらない理由を問うと、「2個ってどうしたら良いの?」と逆質問が。「どっちかが偏ったり、えこひいきになるのが嫌で、両方同じ文章と画像載せるんだったら…とか、Instagramは毎回写真を載せなきゃいけないプレッシャーが苦手で。あとはもう今から始めても機能がありすぎてついていけないと思って、このまま置いていかれると思います(笑)」とやらない理由は律儀なものだった。◆吉高由里子「どう見られたいという気持ちがなくなりました」割り切れるようになったタイミング「聴」の項目では「画面から聴こえてくる自分の声には、ずっと違和感」、「演」の項目では「人は一生、自分の顔は肉眼で見られない」とつづっている吉高。作品を通して視聴者が抱くイメージと、自身が思う本来の姿の間にあるギャップにはどう向き合っているのだろうか。「結構前にそれは諦めていて、どう見られたいという気持ちがなくなりました」と、割り切れるようになったのは22、23歳ぐらいのときだと話す。あらゆる感情を乗り越えて達観したのであろう現在の胸の内をのぞかせた。「その頃は、週刊誌でいっぱい好き放題書かれて『自分はこんなんじゃないのに』と1個1個反応したくなったけど1回でも反論したらもっと書かれるかなと思って、それはそれで諦めました。同じ数だけ理想の姿を用意するのは無理だし、誰かの理想になりたいわけでもないし好かれたいと思って生きているわけでもないし、オンオフができないので、知らない人に応援されることもあれば知らない人に嫌われることもある仕事なんだろうなと、そこに対しては苦しんだり悲しんだりはしないように。『こんなもんだよ』と自分でも思うことで、それ以上でもそれ以下でもないし、等身大というか何も着飾れない自分をちゃんと知っていてくれる人には知っていてもらえたら良いなと思って生きさせていただいています」◆吉高由里子、朝ドラ後に2年間休業「自分が壊れる前に甘えられた」また、書籍の中では当時24~25歳の2014年、朝の連続テレビ小説『花子とアン』の撮影後に俳優をやめるつもりだったというエピソードも告白。芝居から離れ、約2年が過ぎた後、自ら事務所に連絡を入れたという。そのときのことを「一番苦しかったのかもしれないですね」と振り返る。「当時は本当に尖り散らかしていたし、とにかく逆を言いたかったんです。元々『23歳になったらマネージャーになりたい』と言っていたんですけど、それが実現しなかったことに裏切られたような感じがしたのと、(『花子とアン』は)急にオーディションなく選んでくださったので本当にありがたいことだし運が良かったと思うんですけど、朝ドラはみんなが夢見てオーディションをして選ばれるところだと思っていたので、(主人公を演じたい人が)いっぱいいるのに失礼じゃないかと思ってしまって。そのときのマネージャーさんの夢が『朝ドラに出させること』で、今回の大河は今のマネージャーさんの夢だったんですけど、当時は『なんでわかってくれないの?』と自分の気持ちとは別に決まっていくことにすごく苦しくなっちゃっていました。主演はやったことはあったけど、朝ドラは月曜から土曜まで放送があって、そんなに自分が画面に出ることは見たことがなかったから、自分の芝居も面白くないし、しんどくて全部が嫌になっていたんですよね」そんな吉高の「やめる」という宣言に、事務所は「やめるかは後々決めるとして、1回休んだら良いよ」と休業を認めた。2年間は「一通り地球にいるいろいろな友達に会いました」と海外旅行も含め、解き放たれた時間を過ごした。「ダラダラしていたら2年ぐらい経ったんですけど、社会人としても一番働き時の25・26歳のときに休ませてもらって、『戻ってきたか』と迎えてくれる会社ってあんまりないと思って。自分が壊れる前に甘えられたし、一緒に動いてくれたことを実感しました」休業を経て、吉高は俳優をやめたいわけじゃないという自分の本心に気付いた。それから仕事の向き合い方が変わったといい、本書でも現在の心境を語っている。「休みって、働いているから嬉しいんだということにそのうち気づくんですよ。忙しければ忙しいほど、やりたいことが明確になるし、暇で時間が有り余っていると退屈になってきちゃう。そのことに気づけたのも、若いうちで良かったです。それからは1個しかできない自分をみんなにわかってもらうことにしました。トントントン、サッサッサッってできるタイプじゃない。スケジュールを縫ったり並行して同時にこなしたりする器用さはないから、1個ずつしか向き合えないという不器用さを自分でも受け入れて周りにも認めてもらって、そこから仕事のペースもゆっくりになったし、丁寧に大切にやっていけていると思います」(modelpress編集部)◆吉高由里子(よしたか・ゆりこ)プロフィール1988年東京都出身。2006年、映画初出演となる『紀子の食卓』で「第28回ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞受賞。2008年に映画『蛇にピアス』で主演を務め、「第32回日本アカデミー賞」新人俳優賞と「第51回ブルーリボン賞」新人賞をダブル受賞。2014年には連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)でヒロインの村岡花子を演じた。主な出演作品は、ドラマでは『風よあらしよ』(NHK)、『東京タラレバ娘』『正義のセ』『知らなくていいコト』(日本テレビ)、『わたし、定時で帰ります。』『危険なビーナス』『最愛』(TBS)、『私が恋愛できない理由』『ガリレオ』(フジテレビ)、『星降る夜に』(テレビ朝日)、映画では『ユリゴコロ』『検察側の罪人』『きみの瞳が問いかけている』など。2024年に大河ドラマ『光る君へ』で主演を務めた。◆クレジットヘアメイク:RYO(TRON)スタイリスト:有本祐輔(7回の裏)取材協力:ニュージーランド政府観光局、ニュージーランド航空<衣裳>ドレス:¥41,800 Velnica(Velnica Room)03-6323-9908パンプス:スタイリスト私物ピアス:¥30,000 LORO(l'oro株式会社)03-6380-6859ネックレス:¥26,950 DAUGHTERS JEWELRY(DAUGHTERS JEWELRY PR)080-8701-0094リング(左手):¥18,700 e.m. (e.m. 青山店)03-6712-6797リング(右手):¥38,000 ブランイリス(ブランイリス トーキョー)03-6434-0210【Not Sponsored 記事】
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