コアネット教育総合研究所は、関西圏で中学受験を検討中の保護者を対象に、学校選びや教育観に関する最新調査を実施した。調査結果によると、大阪では過去10年間で中学受験の出願者が16%増加しており、関西全体でも中学受験への関心が高まっていることが明らかになった。 この調査は、関西圏(大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・岡山・広島)に住む小学6年生の子供を持つ保護者を対象に、Webアンケート形式で実施された。調査期間は2025年4月8日から4月21日までで、有効回答数は317件。調査の目的は、子供の幸せを願う保護者がどのような視点で学校を選んでいるのかを明らかにし、今後の教育活動の改善や教育環境づくりに役立てることである。 調査結果によれば、受験校選びでもっとも重視される項目は「子供の学力を伸ばしてくれること」で、14.2%の保護者がこれを選択した。ついで「今の住まいから通学しやすいこと」(11.7%)、「進学実績が良いこと」(10.1%)が続く。これらの結果から、保護者は進学実績そのものよりも、子供の成長プロセスに軸足を置いていることがわかる。 一方で、子供の幸せに必要なこととしては、「心身の健康」がもっとも重視され、スコアは2.30ポイントであった。ついで「良好な人間関係」2.06ポイント、「学歴や職歴などのキャリア」1.92ポイントが続く。これらの結果から、多くの保護者は学歴よりも子供自身の心と体の健やかさ、周囲との良好な関係性を大事にしていることがうかがえる。 また、進学先の選択においては、男子保護者は女子保護者よりも「保護者が主導して進学先を決めている」傾向が見受けられるが、男女ともに受験生本人の意見も大きく影響している。 コアネット教育総合研究所は、首都圏に43教室を構える中学受験のための学習塾「日能研」を運営する日能研関東のグループ企業として1998年に設立された。これまでに300校を超える私学に学校経営支援サービスを提供し、教員研修の参加者数はのべ1万名を超えている。近年はグローバル教育やICT活用教育への支援を強化し、全国の学校を支援する体制を整えている。